仮想通貨詐欺「豚の屠殺」276人逮捕|3カ国合同で拠点9カ所を一斉解体

この記事の要点

  • 米司法省が4月29日、3カ国合同摘発の成果を公表
  • 仮想通貨詐欺拠点9カ所を解体、276人超を逮捕
  • 2025年の仮想通貨犯罪被害が1.8兆円で過去最高を更新

3カ国合同で詐欺拠点9カ所を解体、276人逮捕

2026年4月29日、米国司法省(DOJ)がFBI・ドバイ警察・中国公安部の3機関による国際共同作戦の成果を公表しました。

仮想通貨(暗号資産)投資詐欺に関与していたスキャムセンター(詐欺拠点)は少なくとも9カ所が解体され、276人以上が逮捕されました。

今回摘発されたのは、SNSや出会い系アプリを通じて被害者と接触し、恋愛や信頼を装いながら偽の投資案件へと誘導する「ピッグ・ブッチャリング(豚の屠殺)」と呼ばれる手口で、米国人を中心に被害が広がっていたとされています。

作戦の中心的役割を担ったのはアラブ首長国連邦(UAE)内務省傘下のドバイ警察で、ドバイ国内だけで275人が逮捕されました。

また、タイでは王立タイ警察が関連人物1人を拘束しており、複数国にまたがる詐欺ネットワークの実態が浮き彫りになっています。

一連の捜査を受け、カリフォルニア州南部地区連邦裁判所では計6人が電信詐欺共謀罪および資金洗浄共謀罪で起訴されました。捜査当局はこれまでに数百万ドル規模の被害を確認しており、資金の流れや関係者の特定を含む追加捜査が続けられています。

偽プラットフォームで資金洗浄、6人を連邦起訴

SNSで信頼を築き偽投資へ送金させる手口

米国司法省の発表によると、起訴された6人は「Ko Thet Company」「Sanduo Group」「Giant Company」という3つの組織を通じてスキャムセンターを運営していました。

被告らはSNSや出会い系アプリを通じて被害者と接触し、友人・恋愛関係を装って信頼を築いたうえで、偽の仮想通貨投資プラットフォームへ送金させていたとされています。

送金後も投資利益が出ているかのように見せかけて追加投資を促し、友人や家族からの借入やローン契約まで勧めるケースも確認されています。

こうして集められた資金は詐欺師側が制御する別の仮想通貨口座へ転送・洗浄されており、起訴状では一連の行為が組織的に行われていたと指摘されました。

起訴された罪状は電信詐欺共謀罪と資金洗浄共謀罪で、有罪となった場合はいずれも最大20年の禁固刑が科される可能性があり、罰金については最大50万ドル(約8,000万円)または不正利益・損害額の2倍のいずれか高い額が適用されるとしています。

SNSで信頼を築き偽投資へ送金させる手口

今回起訴された主な被告とその役割は以下の通りです。

被告名 年齢 国籍 役割
テット・ミン・ニ(Thet Min Nyi) 27歳 ミャンマー Ko Thet Company管理者・リクルーター
ウィリアン・アワン(Wiliang Awang) 23歳 インドネシア Sanduo Group関係者
アンドレアス・チャンドラ(Andreas Chandra) 29歳 インドネシア Sanduo Group関係者
リサ・マリアム(Lisa Mariam) 29歳 インドネシア Giant Company関係者

9千人に事前通知、900億円の被害を回避

FBIサンディエゴ支局は2024年に「オペレーション・レベルアップ」を開始し、仮想通貨投資詐欺の被害者を事前に特定して通知する取り組みを進めてきました。

2026年4月時点で約9,000人の被害者に事前通知が行われ、推定5億6,200万ドル(約900億円)相当の損失を未然に防いだと報告されています。

こうした被害者保護の取り組みと並行して、今回の摘発はトランプ大統領が2026年3月6日に署名したサイバー犯罪・詐欺対策を優先する大統領令と連動しており、国土安全保障タスクフォース(HSTF)の枠組みの下で実施されました。

捜査には民間側からもMeta(メタ)社が重要な情報を提供しており、官民双方の連携が摘発を後押ししたと米司法省は説明しています。

米司法省刑事局のA・タイセン・デュバ次官補は「海外からアメリカ人を狙う詐欺師は、世界のどこにいても法の裁きを逃れられない」と述べ、スキャムセンターの運営者を米国の法廷で裁く姿勢を改めて示しました。

仮想通貨詐欺被害が過去最高、国際連携が拡大

仮想通貨投資詐欺の被害は米国外でも拡大を続けており、FBIのインターネット犯罪苦情センター(IC3)が2026年4月に公表した2025年版年次報告書によると、仮想通貨関連犯罪の被害総額は113億6,600万ドル(約1.8兆円)に達しました。

前年比22%増で過去最高を更新しており、こうした被害拡大を受けて国際的な摘発も相次いでいます。2026年4月9日には英国国家犯罪対策庁(NCA)主導の「オペレーション・アトランティック」で2万人以上の被害者が特定されました。

チェイナリシスも2025年の不正取引総額が前年比162%増に達したとするレポートを公表しており、犯罪の「産業化」が進む中で各国の法執行連携が一段と強まっています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=160.20 円)

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Source:米司法省公式発表
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:仮想通貨ニュース最新一覧【毎日更新】 - 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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