
「アルトコインシーズン指数」9カ月ぶりの高水準に
データ分析サイトBlockchain Centerが提供する「Altcoin Season Index(アルトコインシーズン指数)」が76点を記録し、アルトコイン優位の局面入りとの見方が広がっています。
この水準は2024年12月以来となり、直近ではアルトコインの値動きがビットコイン(BTC)の値動きを上回る局面が拡大していることを示しています。
同指数の76ポイントは、定義上「過去90日間でトップ50の仮想通貨(暗号資産)の約76%がビットコインの成績を上回った」状態を示すものであり、本格的なアルトコインシーズン入りの指標とされています。
一方、CoinMarketCapが公表している同種指数は65点にとどまっており、算出基準や対象範囲の違いにより評価が分かれる状況です。
持続的なスーパーサイクルへ
アルトコイン市場拡大、指数がシーズン突入を示唆
アルトコインシーズン指数の仕組み
Altcoin Season Index(アルトコインシーズン指数)は、仮想通貨市場でビットコインとアルトコインの相対的なパフォーマンス循環を可視化する指標です。
トップ50の仮想通貨のうち75%以上が直近90日間でビットコインを上回る場合にアルトコインシーズンと定義されます。記事執筆時点の指数は76ポイントに到達しており、この条件を満たしたことでシーズン入りが示唆されています。
また、Altcoin Season Indexの公式サイト上でも「It’s Altcoin Season!」と表示され、アルトコイン優位の地合いが確認されています。
CoinGlassやCMCとの比較で見る市場動向
アルトコインシーズン指数の上昇は他の指標ともおおむね一致しており、CoinGlassが算出するvも同時期に76ポイントまで上昇しました。
一方で、CoinMarketCapの指数は67ポイントにとどまり、同種の指標でも水準に差異が生じています。
差異の要因は算出方法や対象銘柄範囲の違いと見られていますが、いずれも2024年12月以来の高水準にあり、ビットコインからアルトコインへ市場の焦点が移行しつつある状況が示されています。
史上最高水準に迫るアルトコイン時価総額
時価総額の面でも、アルトコイン市場の拡大が確認されています。
ビットコインと主要ステーブルコインを除いたアルトコインの時価総額は約1.63兆ドル(約240兆円)で、2024年11月の最高値約1.64兆ドル(約241兆円)に迫っていることが伝えられています。
こうした動きの背景には、ビットコイン価格の停滞に加え、機関投資家のアルトコイン市場参入やアルトコイン関連ETFへの承認期待があると指摘されています。
仮想通貨トレーダーのダーン・クリプト・トレーズ氏は「アルトコインの時価総額が最高値圏に近づいており、一度価格発見ゾーンに入れば強い上昇圧力が加わる可能性がある」とコメントしました。
The Total Altcoin Market Cap has been knocking on the door of the 2021 all time high, which it has yet to break.
Once we do see the altcoin market as a whole back in price discovery, I expect that to kick off some wider excitement and risk on for alts. This will also help with… pic.twitter.com/gFncHkGOom
— Daan Crypto Trades (@DaanCrypto) September 10, 2025
アルトコイン全体の時価総額は、2021年の過去最高値に届きそうな水準まで迫っていますが、まだ更新には至っていません。
アルトコイン市場全体が再び価格の発見段階に入ると、より広範な市場の盛り上がりやリスク選好の高まりが期待でき、これまで以上に新しい投資家を引き付けることにもつながるでしょう。(後略)
主要アルトコインの中ではイーサリアム(ETH)を中心に資金流入が目立ち、投資家のリスク許容度上昇を示す見方も出ています。
市場成熟化で分かれる銘柄の明暗
一方、過度な強気に対しては慎重論もあります。英国の調査企業ByteTreeは8月下旬のレポートで「アルトシーズンの兆しかもしれないが、かつてのような急激な上昇にはならない可能性がある」と指摘しました。
同社は、市場の成熟に伴い「実需やファンダメンタルズに裏付けられた銘柄が上昇を維持し、実体に乏しいプロジェクトは上値が重くなる」との見解を示しています。
直近の上昇局面では、イーサリアムやビルドアンドビルド(BNB)といった大型銘柄がけん引する一方で、一部の小規模銘柄は伸び悩む傾向が見られています。
ByteTreeのアナリストは「アルトコイン市場は選別段階に入り、投機中心から質重視へと転換しつつある」との見解を述べました。
市場が活況を保つ一方で、銘柄間のパフォーマンス格差は拡大傾向にあり、相場観測上の注目点となっています。
アルトコインシーズン到来と暴落リスク
アルトコイン市場に広がる上昇トレンドと警戒感
ドージやアバランチなど主要アルトが急伸
個別銘柄でも上昇が広がっており、主要アルトコインの値動きが一段と活発になっています。
ドージコイン(DOGE)は直近で0.25ドル(約37円)を上抜け、24時間で5%超の上昇となりました。また、アバランチ(AVAX)も約29ドル(約4,300円)まで上昇し、2025年1月以来の高値を記録しました。
このほか、ステラ(XLM)やライトコイン(LTC)、トンコイン(TON)なども過去1週間でそれぞれ3%超の上昇となり、幅広いアルトコインの強さが示されています。
ゼバーグ氏が警告するアルト市場の反落懸念
一方で、急速な上昇に対する警戒感も台頭しています。
エコノミストのヘンリック・ゼバーグ氏は9月5日の投稿で「現在の上昇局面は最終段階に当たる強力なアルトシーズンであり、その後に市場全体の大幅下落が生じる可能性が高い」との見解を示しました。
同氏は、景気後退局面では株式市場とともにビットコインも下落し、仮想通貨市場全体が軟調に転じる可能性を指摘しています。
こうした見通しを背景に、市場ではアルトコインの先行きを慎重に見るスタンスが意識されています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.29 円)
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Source:Blockchain Center
サムネイル:AIによる生成画像







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