米ドル/円は109円前後をしっかり買って、 110円台を売り抜くトレードを続けることが有効
2021-08-26
先週(8月16日~)から、金融市場に大きな変化は見られません。基本的に先週までの見方をそのまま維持しておきます。
【参考記事】
●米ドル買い戦略の継続に、益々自信を深めたワケは? 米ドル/円は緩やかに112円、ユーロ/米ドルは1.16ドルがターゲットに(8月19日、今井雅人)
そんな中で、1つずつ通貨ペアを見ていきましょう。
まずは、米ドル/円です。こちらに関しては、新型コロナウイルスの感染状況の変化などに伴って、リスクオフやリスクオンの動きが短期的に起きることに影響を受けています。
リスクオフになると円高になり、リスクオンになると円安に戻るという流れが続いています。
米ドル/円&日経平均 日足(出所:TradingView)
米ドル/円は米ドル相場の影響を受けますので、そちらも多少は考慮する必要がありますが、最近の米ドル相場は動きが鈍いので、現時点ではどちらかというと、円相場の影響を受けやすいということは言えると思います。
米ドル/円は109円前後でロングポジションを作り、110円台を売り抜くトレードを続けることが有効 そうした環境の下、最近の米ドル/円は、109円台から110円台をうろうろしていますが、この展開はしばらく続きそうです。
ただし、以前から申し上げているとおり、米ドル相場は崩れないと思いますので、米ドル/円もどちらかと言えば、下が堅いというイメージを持っています。
ですから、109円前後のところをしっかり買ってロングポジションを作り、110円台を売り抜くというトレードを続けることが有効ではないかと考えています。
米ドル/円 日足(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルはユーロ安・米ドル高に対する調整局面に入ってきたかも 次に、ユーロ/米ドルです。
こちらは、米国の景気回復期待と、FOMC(米連邦公開市場委員会)で米金融政策が変更される可能性への期待から、ユーロ安・米ドル高が続いてきました。
ただ、短期的にショートポジションがたまりすぎている感じで、1.16ドル台ではかなり利食いの買いが出ていました。
米国の長期金利(米10年債利回り)もそれほど強くなっていかない状況を見る限り、少し調整局面に入ってきたかもしれないと考えています。
ユーロ/米ドル 日足(出所:TradingView)
ECBは金融政策変更に消極的。ユーロ/米ドルは引き続き戻り売り方針 1つの注意点としては、ECB(欧州中央銀行)が金融政策に関してどういうスタンスを取るかということです。
その点に関して、8月25日(水)にレーンECB専務理事兼主席エコノミストが以下のような発言をしています。
「9月の政策決定会合でPEPP(パンデミック緊急プログラム)の終了を議論するのは時期尚早」
「米金融当局のテーパリングの余波が市場に及んだ場合に備え、ECBは対応を準備している」
つまり、ECBは現在、主体的に金融政策を変更することは考えていないが、米国が実際に変更した場合に影響があれば、対応をするという消極的な姿勢であるということです。
こうした点を考えると、ユーロが米ドルに対して上昇傾向に入るということは、可能性として低そうだと思っています。
ですから、ユーロ/米ドルは引き続き戻り売り方針でいいのではないでしょうか。
ユーロ/米ドル 日足(出所:TradingView)
そのほかの通貨でも、あまり特徴的な動きをしているものは特段見当たらないので、当面は主要通貨でのレンジトレードをするのが最も有効ではないかと思います。