ステーブルコインへの「自動監視機能組み込み」を提案:国際決済銀行(BIS)
国際決済銀行(BIS)は2020年11月24日に公開したステーブルコインに関するワーキングペーパーの中で「通貨の監視機能をデジタル通貨にプログラムすることによって、モニタリングに必要なデータを規制当局へと自動的に提供する枠組み」を提案しました。
こちらから読む:IOTA、新たなウォレット”Firefly”公開へ「暗号資産」関連ニュース
ステーブルコイン自体に「監視機能」を組み込み
国際決済銀行(BIS)は2020年11月24日に「ステーブルコインの市場動向・監視方法・潜在的な役割・規制」などに関する見解をまとめたワーキングペーパーを公開しました。
このワーキングペーパーの中では「Libra(リブラ)」のような国際的に使用されるステーブルコインが誕生してきたことによって”規制当局がそれらの通貨の発行・流通を監視すること”について考えさせられることになったと指摘されています。
具体的なステーブルコインの監視方法としては「ステーブルコイン自体に”通貨の監視機能”をプログラムすることによって規制当局にデータを自動的に提供する仕組み」が挙げられており、このような「組み込み型の監視機能」は将来的にステーブルコイン発行者の登録要件になる可能性もあると伝えられています。
このような監視機能は「AliPay(アリペイ)」や「WeChat Pay(ウィーチャットペイ)」などといった中国で主流の決済サービスでは既に導入されており、『自動的に通貨を監視できる仕組みを導入することによって、“公的機関にデータを提供する手間やコストを省くことができる”といったメリットもある』ということが説明されています。
BISの論文を書いた3人のアナリストたちは『Libraのようなステーブルコインは複数の地域で急速に採用される可能性があるため、当局は監督・執行のために動的で適応性のあるツールを開発する必要がある』と述べており、『技術的なイノベーションに対応して規制当局も進化していく必要性がある』としています。
こちらの記事もあわせてどうぞ