豪ドル/米ドルの反発は調整にすぎない? ゆくゆくは0.86ドルを割込むとみる理由とは

■豪ドル/米ドルは週足でサポートラインに従って上昇 今回は豪ドル/米ドルの分析を行なう。まず、週足チャートをご覧いただきたい。豪ドル/米ドルは大きく上昇したが、その上昇過程では、サポート・ライン「緑の破線」に従っていたと考える。
豪ドル/米ドル 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
 豪ドル/米ドルは、「赤の破線」で示した「下値0.8000ドル-上値0.9400ドルのボックス相場」を上に抜けたことで、「買いシグナル」を発して上昇した。
 そして、ボックス相場のセオリーどおりに、ボックスの値幅分(1400ポイント)上昇してターゲットを達成したと考える。
 「赤の破線」で示したボックス相場を上抜けしてからは、「紫の破線」で示した「下値0.9400ドル-上値1.1100ドルの約1700ポイント幅のボックス相場」へ移行(シフト)したと考える。
豪ドル/米ドル 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
 その後、2013年5月上旬に中長期のサポート・ライン「緑の破線」を割り込んだ。「売りシグナル」を発したと考える。
 そして、「紫の破線」で示したボックス相場の下限0.9400ドルを割り込み、さらなる「売りシグナル」を発したと考える。  
 ボックス相場のセオリーに従えば、ボックス相場の下限0.9400ドルからボックスの値幅分(1700ポイント)下落したところがターゲットになる。つまり、0.7700ドル程度がターゲットだ。
 週足チャートを見てのとおりに、上記のターゲットはすでに達成したと考える。
 この「紫の破線」で示したボックス相場を下に抜けた時点で、大きく急落する可能性が高いことを示唆していた、と考える。
■ボックス相場下抜けのターゲットを次々と達成 2013年から2014年にかけての豪ドル/米ドルは、「ピンクの破線」で示したボックス相場を形成していた、と考える。
豪ドル/米ドル 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
 以前は、このボックス相場の上限は0.9800ドル近辺、下限は0.8800ドル近辺と考えていた。 
 だから、このボックス相場の下限(0.8800ドル近辺)を割り込み、「売りシグナル」を発したと考えた。 
 相場は、この「売りシグナル」に従い、0.86ドル台まで下落したが、0.86ドル台ミドルを底値に、0.9500ドル近辺にまで大きく反発上昇している。

 それで、ボックス相場の下限は0.86ドル台と想定し直す必要がある、と考えた。
 つまり、このボックス相場は「上限0.9800ドル近辺-下限0.8600ドル近辺」と考えた。
 ボックス相場「ピンクの破線」の下限を考え直したが、その修正した下限の0.8600ドルを割り込み、「売りシグナル」発した、と考える。
 それまでの安値を更新したので「売りシグナル」を発した、と考えた。
 この「売りシグナル」に従い相場は大きく急落して、まずは1700ポイントのボックス相場「紫の破線」を下抜けした場合のターゲットを達成した。
 そして、週足チャートを見てのとおりに、1200ポイントのボックス相場「ピンクの破線」を下抜けした場合のターゲットも、達成した。
■直近はボックス相場を2つ下抜けて「売りシグナル」 週足チャートに、ボックス相場「赤の破線(細線)」とボックス相場「緑の破線(細線)」を表示した。 
豪ドル/米ドル 週足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
 このところの豪ドル/米ドルは、ボックス相場「赤の破線(細線)」の下限(0.7500近辺)を割り込み、「売りシグナル」を発して下落し、そして、ボックス相場「緑の破線(細線)」を形成中、と考える。
 0.6900ドルを割り込み、それまでの最安値を更新して「売りシグナル」を発した、と考えることもできるが、目先の相場が、0.68ドル台前半を安値に反発しているので、ボックス相場「緑の破線(細線)」が持続している、と判断する。
 0.68ドル台前半の最安値を更新する場合は、ボックス相場「緑の破線(細線)」の下限を下に抜けて、新たな「売りシグナル」点灯となるので、要注意だ。
■レジスタンスラインとその平行線の間を上下しながら下落 続いて、レジスタンス・ライン「赤の破線」と、その平行線「赤の破線」を表示した、別の週足チャートをご覧いただきたい。 
豪ドル/米ドル 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
 豪ドル/米ドルはこれらの2本の平行線のインサイド(内側)で、上下動を繰り返しながら下落した(下落している)、と言える。
 別な言い方をすれば、現在の豪ドル/米ドルは、このレジスタンス・ライン「赤の破線」の傾きに従うスピード(速度)で下落している、と言い切れる。
 別な言い方をすれば、2013年から2015年半ばまでの豪ドル/米ドルは、このレジスタンス・ライン「赤の破線」の傾きに従うスピード(速度)で、下落していた、と判断できる。
 つまり、2013年から2015年半ばまでの豪ドル/米ドルは、一定のスピードでの下落が持続していた、と言える。
 そして、上の週足チャートを見てのとおりに、レジスタンス・ラインの平行線「赤の破線」を割り込んだ。
 下落スピードが加速した、と言える。
 時間軸を短くして、レジスタンス・ライン「紫の破線」と…

参照元:ザイFX! 松田哲の「FX一刀両断!」

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