
この記事の要点
- 全米保安官協会がクラリティ法案への反対を撤回
- 最後の主要警察団体の反対解消で9月15日採決に追い風
保安官協会が反対撤回、9月採決に追い風
2026年9月5日、全米保安官協会(NSA)が仮想通貨の市場構造を定める「CLARITY(クラリティ)法案」に対する立場を、反対から中立へ変更したことが明らかになりました。
米FOXビジネス記者のエレノア・テレット氏がXで公開した書簡によると、同協会は法案の重要な細部がなお検討中であることを理由に、これまでの反対姿勢を取り下げ、立法プロセスの進行を見守る考えを示しています。
同氏は、同協会がCLARITY法案に反対していた最後の主要警察関連団体だったと説明しており、今回の中立化によって9月15日に迫る上院採決に向けた障害が一つ取り除かれたと伝えています。
一方、中立への変更は法案への支持を意味するものではなく、テレット氏は、この夏にホワイトハウス当局者と同協会の間で進められた水面下の調整が、強い反対姿勢から中立へ転じる一因になった可能性を指摘しています。
The National Sheriffs’ Association was the last of the major police organizations opposing the Clarity Act to change its position, moving from opposition to neutral. But that shift is notable.
Compare the language in this letter with the one the group sent July 31, when it… pic.twitter.com/BJMNDa1t3a
— Eleanor Terrett (@EleanorTerrett) September 4, 2026
全米保安官協会(NSA)は、クラリティ法案に反対していた主要な警察関係団体の中で最後に立場を変更し、反対から中立へと転じました。今回の方針転換は、同協会がこれまで法案に対して厳しい姿勢を示してきたことを踏まえると注目される動きです。
7月31日に同協会が送付した書簡と今回の書簡を比較すると、その違いは明確です。
7月31日の書簡では、同法案について”有害”と指摘したほか、法執行と公共の安全に重大なリスクがあると警告し、BRCAの規定についても”ひどい政策”と厳しく批判していました。(後略)
「60票確保の可能性」
7月書簡との対比と残る反対勢力
7月書簡「法執行に重大なリスク」と警告
全米保安官協会は7月31日付の書簡で、CLARITY法案には「法執行と公共安全に関わる重大なリスク」があると警告し、上院での採決前に懸念へ対処するよう議会に求めていました。
同書簡では法案を「有害な立法案」と表現し、法執行や規制監督に影響を及ぼす可能性がある複数の条項を問題視しています。
なかでも同協会が懸念を示していたのがブロックチェーン規制確実性法(BRCA)に関する規定で、DeFi(分散型金融)の参加者が登録や本人確認(KYC)、マネロン対策(AML)、制裁法などの適用を免れる可能性があると警告していました。
しかし、9月3日付の書簡では「有害」といった強い表現は見られず、重要な細部がなお検討中であることを理由に、法案への立場を反対から中立へ転換しています。
検察2団体の反対、解消の見通し立たず
全米保安官協会が中立に転じる一方、テレット氏は、全米地方検事協会(NDAA)と全米連邦検事補協会(NAAUA)の検察官2団体については、立場を変える見込みはないと伝えています。
両団体が問題視しているのもBRCAで、CLARITY法案を支持する条件として、非管理型(ノンカストディアル)ソフトウェア開発者に対する保護を大幅に狭めることを求めています。
しかし、ホワイトハウスや財務省、議会関係者、仮想通貨(暗号資産)業界はいずれも、検察側が求める変更には応じない姿勢を明確にしているといいます。
開発者を送金業者から除外する規定が争点
検察側が見直しを求めるBRCA条項は、顧客資産を管理しないブロックチェーン開発者やインフラ提供者を資金送金業者として扱わないことを定めた規定で、CLARITY法案のセクション604に盛り込まれています。
これに対して仮想通貨業界側は開発者保護の維持を求めており、Coin Center(コインセンター)のピーター・ヴァン・ヴァルケンバーグ事務局長は5月、法案の審議過程でBRCAを損なう妥協は認められないと訴えました。
検察側が開発者保護の縮小を求めるのに対し、仮想通貨業界などは変更を受け入れない姿勢を示しており、BRCAをめぐる双方の隔たりが鮮明になっています。
またテレット氏は、民主党のキャサリン・コルテス・マスト上院議員が7月に検察官団体の主張を支持する書簡に名を連ね、その後も公に立場を変えた動きはみられないと指摘しています。
「大統領署名に期待」
9月15日採決へ、残された論点
会期の面でも制約は大きく、下院共和党が9月の日程を切り詰めたため、クラリティ法案が上院を通過しても下院での再採決に充てる時間はほとんど残されていないと指摘されています。
上院では9月15日午後2時15分(日本時間16日午前3時15分)に審議入りに向けたクローチャー(審議打ち切り動議)採決が予定されており、討論を打ち切って審議を前へ進めるには60票の確保が必要となります。
全米保安官協会が中立に転じたことで警察側の組織的な反対は薄れた一方、検察官2団体が求めるBRCA条項の見直しと民主党票の行方をめぐり、9月15日の採決へ向けた調整がなお続いています。
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Source:エレノア・テレット氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像






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