
この記事の要点
- コインシェアーズ、日本金利上昇をBTC最大リスクと指摘
- 米雇用悪化で利下げ観測強まりBTCに追い風も
まずはビットコイン(BTC)を詳しく
コインシェアーズ「日本の金利に警戒せよ」
仮想通貨運用大手CoinShares(コインシェアーズ)のリサーチ責任者ジェームズ・バターフィル氏は、ビットコイン(BTC)相場を取り巻くマクロ環境について、日本の金利動向を特に警戒すべきリスクとして挙げました。
その理由として同氏は、日本のインフレを背景に投資家が米国債から国内債券へ資金を戻せば、米国の金利に上昇圧力がかかりかねないと分析しています。
ただし同氏は、日本発の金利上昇リスクを現時点でのメインシナリオとはみておらず、国債市場への不安が逆にビットコインへの資金流入を促す可能性もあるとみています。
一方、足元では米国の雇用情勢が悪化し、物価上昇も鈍化していることから、ビットコインを取り巻くマクロ環境は徐々に改善しているとしています。
「ドル増刷でBTC上昇」ヘイズ氏予測
出来高急減のビットコイン、利下げ期待が支え
日本の利回り上昇で米国債需要に陰り
バターフィル氏がマクロリスクとして挙げた日本は、米国債を世界で最も多く保有する国で、その残高は2025年12月時点で約1兆1,855億ドル(約190兆円)に上ります。
日本ではインフレを背景に国債利回りが上昇しており、より高い利回りを求めて投資家が米国債から国内債券へ資金を移せば、米国債への需要が弱まり、米金利に上昇圧力がかかる可能性があると同氏は分析しています。
ただし同氏は、こうした資金移動が現時点で本格化するとはみておらず、直近の米インフレ指標も落ち着きをみせていることから、目先の米金利上昇に対する懸念はやや後退したとしています。
その一方で米国債市場には構造的な問題が残っており、国債への信頼が揺らげば、特定の国家に依存しない資産としてビットコインが選好される可能性もあるとみています。
薄商いの夏枯れ相場、ETPも方向感欠く
一方、足元のビットコイン市場は薄商いが続いており、信頼できる取引所での1日あたり取引高は約40億ドル(約6,400億円)にとどまるため、比較的小さな資金の動きでも価格が大きく変動しやすいとバターフィル氏はみています。
仮想通貨ETP(上場投資型商品)でも方向感は定まっておらず、前週の資金流入から一転して、今週は約1億5,000万ドル(約240億円)の流出が見込まれています。
ただしバターフィル氏は、この流出を市場心理が悪化した兆候とはみておらず、ビットコインがゴールドとはほぼ逆方向に動くなどリスク資産に近い値動きをみせるなか、投資家は金融政策を見極めるための新たな経済指標を待っているとの見方を示しました。
米労働市場の減速が鮮明、BTCに好機
金融政策を見極めるうえでバターフィル氏が重視する米国の雇用情勢は悪化しており、直近3か月の雇用者数の増加幅は月平均でおよそ2万人にとどまっているとしています。
実際、米労働統計局(BLS)が8月7日に発表した7月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比2万3,000人減となり、6月分も2万人増へ下方修正されました。
今夏のワールドカップ開催による雇用の押し上げも期待されたほど強くなく、バターフィル氏は労働市場の減速が続いていると分析しています。
物価面でもCPI(消費者物価指数)はおおむね市場予想どおりに推移しており、雇用の悪化と物価上昇の鈍化が重なるなか、同氏は「利下げ観測の高まりはビットコインにとって追い風になる」との見方を示しました。
それでもビットコインの反応が当初鈍かったのは、市場の流動性が低かったためと同氏はみており、その後は価格も回復に転じたとしています。
シフ氏「日本が米バブル崩壊の引き金に」
ジャクソンホール会議へ、政策シグナルに関心
カンザスシティ連銀は2026年8月27〜29日にジャクソンホール経済シンポジウムを開催する予定で、2026年は「金融イノベーション:決済と政策への影響」をテーマに掲げています。
雇用の悪化と物価上昇の鈍化を受けて利下げ観測が強まるなか、バターフィル氏は月末のジャクソンホール会議で金融政策の方向性を探る手がかりが示されるとみています。
なかでもFRB議長が今後の利下げについてどのようなシグナルを発するかによって、ビットコイン相場の反応も左右される可能性があります。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.40 円)
関連の注目記事はこちら
Source:CoinSharesレポート
サムネイル:AIによる生成画像






コメント