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2026年4月22日に正式ローンチを迎えたWeb3ゲームプラットフォーム「Sakura Nexus (サクラ ネクサス)」。このゲームプラットフォームを運営しているのが、株式会社AI on Web3だ。
正式ローンチからわずか50日ほどで登録ユーザーは約14,000人に到達し、翌日継続率も38%、さらに月次ARPPU(課金ユーザー1人あたりの平均収益)は80ドル超と、一般的なゲームの水準を大きく上回っている。しかも、広告費をほぼ掛けず、口コミと紹介によるものだと言うから驚きだ。
Web3ゲームへの逆風が語られる今、なぜSakura Nexusは熱量の高いユーザーを集められているのか。ローンチ後の実績、コミュニティ運営の哲学などを運営元である株式会社AI on Web3の代表取締役 Allen Chow(アレン・チョー)さんに聞いた。
【プロフィール】
Allen Chow(アレン・チョー)
株式会社AI on Web3 創業者兼CEO
元GMOリサーチ&AI 中国支社の立ち上げおよび経営に従事し、ゲームリサーチおよびコンサルティングに深い専門知識を持つ。2022年にはGreenbookより、立ち上げたゲームリサーチサービスで世界ランキング1位の評価を受ける。GMOメディア、Adam、GMOコインを含むGMOのWeb3関連グループ企業のグローバル事業展開も支援した実績を持つ。
「まず面白いゲーム」を貫くWeb3プラットフォーム
NFTMedia編集部(以下、編集部):まず、Sakura Nexusとはどういったゲームプラットフォームなのか、ご説明いただけますでしょうか。
Allen Chow(以下、Allen):Sakura Nexusは、ブロックチェーン技術を活用して、ポーカー、スロット、ドミノ、カジュアルゲームなどを提供するゲームプラットフォームです。
複数種類のポーカーを中心に、さまざまなゲームを提供しています。

編集部:さまざまなゲームができるプラットフォームなのですね。なぜ、ポーカーやスロットに焦点を当てたのでしょうか。
Allen:皆さんが好きな、伝統のあるゲームの方が、ブロックチェーンとの相性が良いためです。
今、「Web3ゲームはあまり人気がない」「マーケット自体が衰退している」と言われることもありますよね。ですが、そもそも僕たちはWeb3ゲームを作ることが目的ではなく、まずは面白いゲームを作らないといけないと考えています。そのうえでWeb3を取り入れて、新しい機能や体験を追加していく、という順番です。
その観点では、誰も知らないゲームでは相性が悪いです。このような理由から、スロットやポーカーを選びました。誰にとっても馴染みのあるゲームですし、国内でもかなりの規模のユーザーがいるからです。
今後は麻雀も追加する計画で、皆さんの好きなゲームから収録していきます。
編集部:ちなみに、Allenさんご自身はポーカーをやられたりするんですか。
Allen:そうですね。僕もポーカーが好きで、自社のゲームだけでなく、ポーカールームに行ったり、海外でプレーしたりもします。
レベルはまだまだですが、気持ちとしてはとても好きなんです(笑)。
編集部:ご自身の趣味が反映されているのですね。開発体制についても伺いたいのですが、香港の企業と連携されているんですよね。
Allen:はい。ゲームの開発元は、Net Dragon(ネットドラゴン)という香港で上場しているゲームスタジオです。
AI on Web3はNet Dragonから独占的な海外展開ライセンスを獲得し、その上で日本とグローバルに向けて展開しています。
ローンチ50日の実績──課金額は業界平均の2倍超
編集部:Sakura Nexusのこれまでの実績について、お聞きしたいと思います。
正式ローンチから約50日ほど経過し、継続率やユーザー数も好調と伺っています。実際にどういった成果が得られたのでしょうか。
Allen:結論から言うと、この50日間でユーザーの皆さんはますますゲームにハマってくださっていて、プレイ時間も課金意欲も伸びています。
登録ユーザー数は約14,000人で、そのうち99.9%が日本のIPアドレスからのアクセスです。まずは日本で展開してその後に海外へ、という戦略に合致した結果になっています。
編集部:それはすごいですね。ユーザーの継続率はいかがでしょうか。
Allen:継続率のデータを見ると、翌日継続率は38%、7日目の継続率は26%で、30日目も7日目とあまり変わらない水準です。
国内で見ると、Web3ゲームだけでなく一般の人気ウェブゲームと比べても高いパフォーマンスだと捉えています。単発で遊ばれるだけでなく、継続して参加してくださるユーザーが着実に増えている実感があります。
編集部:ユーザーの行動に特定の傾向は見られますか。
Allen:プレイヤーの行動を見ると1日当たりのユーザー平均オンライン時間は約165分と3時間近く、7日間以上連続してプレーしている方も多数いらっしゃいます。
特にポーカーを中心に長く滞在する傾向があり、コミュニティ内での会話も楽しんでいただけているようです。
編集部:なるほど。コミュニティ内での交流が生まれているのですね。
Allen:はい。面白い点として、最初はポーカーではなく、ゲームやスロットからプレーする傾向が見られます。
ゲームプラットフォームに慣れてくるにつれて、だいたい2〜3割の方がカジュアルゲームからポーカーに集約し、そこからさらにハマっているようです。

課金率が一番高いのもポーカーです。累計課金額は約11万6,000ドルで、日本円では約1,500万円となっています。その内訳を米ドル換算すると、ショートデックが約6万ドル、テキサスホールデムが約5万5,000ドル、オマハが約1,000ドルとなっています。
ゲーム自体が愛されていて、「プレーしたい、課金したい」という意欲が顕在化しているのではないかと思います。
ユーザーの9割はWeb2層──広告費ゼロで実現した口コミ成長
編集部:プレイヤーの方々は、いわゆるブロックチェーンのユーザーなのでしょうか。それとも、あまりブロックチェーンを知らない方なのでしょうか。
Allen:意外にも、ブロックチェーンユーザーではない方がほとんどです。
決済手段はステーブルコインなどの暗号資産決済とクレジットカードの両方を用意していますが、圧倒的に後者が多いです。金額だけでなく課金ユーザー数で見ても、暗号資産決済は1割未満、9割以上はクレジットカード決済ですね。
編集部:そんなにですか。それだけのWeb2ユーザーをどうやって集めたのでしょうか。
Allen:ここが結構面白い点なのですが、僕たちはマーケティングや広告の購入、メディアやアフィリエイトとの連携といった新規ユーザー獲得のための予算を一切かけていないんです。
ローンチ前のテスト段階でKOL(インフルエンサー)の方に少し拡散をお願いしたほどで、その後はそういった取り組みは一切していません。
ほとんどは、プレーしてくださったユーザーの方が「面白い」と思って、ご自身の友達や家族を誘ってくださった結果です。実際にログデータを見ると、半分以上のユーザーが招待コードを使って登録しています。
編集部:ほとんどが口コミや紹介なのですね。とはいえ、実際に紹介でユーザー数を増やすのは相当難しいですよね。
Allen:そうですね、難しいです。スタートアップですから大手企業のように予算をかけられないという厳しさもあります。
ただ、今のユーザーのプレー状況が僕たちのゲームのマーケットでの価値をある程度示してくれていると思っています。現在ファンドレイジング(資金調達)を進めていて、複数の投資家がすでに意思決定してくださっている状況です。資金が集まったら、そこから本格的にユーザー獲得への投資をしていきたいと考えています。
編集部:マーケティングを通じて、さらにユーザー数を増やしていく計画でしょうか。
Allen:一概にユーザー数だけを増やそうとは考えていません。
ゲーム分析ではDAU(1日あたりのユーザー数)や登録数などいろいろな指標がありますが、僕たちが見ているのは実は2つだけです。課金ユーザーがどれくらいいるか、そして課金の総額です。
ライトユーザーをお金をかけて獲得するのではなく、うちのゲームを本当に好きなプレイヤー、たとえばポーカーイベントに来てくださるような、熱量の高いユーザーを獲得していきたいです。
編集部:コアなファンをどれだけ集められるかということですね。
Allen:そうです。実際、月次のARPPU(課金ユーザー1人あたりの課金額)は80ドル以上あります。一般的には30〜40ドルと言われるので、倍以上ですね。
僕たちが重要視しているのは単なる登録数ではなく、継続率やイベントへの参加、コミュニティでの会話量といった「熱量のある参加」です。だからこそ、闇雲に数を増やすのではなく、コアなユーザーにフォーカスして成長していきたいと考えています。
代表自らコミュニティに常駐──日本ユーザーの「不満」から逆算した運営
編集部:先ほど、Sakura Nexusではコミュニティでユーザー同士が交流しているという話がありましたね。コミュニティの熱量はどうやって保っているのでしょうか。
Allen:コミュニティの熱量を維持するために、日本人ユーザーが不満に感じる点を解消しています。
前提として、僕はもともとリサーチ・コンサルティングの仕事を長年やっていて、特に海外ゲームに対するリサーチ、アンケートやインタビューを数多く手がけてきました。
そこで見えてきたのは、日本人ユーザーがゲームに対して一番不満を感じているのは、コミュニティ対応と、海外ゲームの翻訳・ローカライズだということです。
編集部:コミュニティ対応ですか。
Allen:問い合わせても速やかに回答してくれない、回答も適当な翻訳で質問に答えていない、──そういった「サポートが足りない」という点に、皆さん一番不満を感じているんですね。
反面教師として、僕たちはユーザーファーストを徹底し、そういった不満は絶対に生じないようにしています。そのために、今は専属モデレーターを2名体制で配置して、情報の伝達や質問への回答、サポートを即応でやっていますね。
編集部:専属モデレーターがすぐに質問に回答してくれるのですね。
Allen:そうです。また僕自身も経営者とはいえ、毎日結構な時間をコミュニティの中で過ごしています。
オフィスに籠もって考えるだけではなく、ユーザーと一緒に過ごすことが好きなんですよ。現地で皆さんと話して、本当に何を求めているのか、今何に困っているのかを直接聞くことで、自分の感覚も養われると思っています。
編集部:トップが自らコミュニティの温度感を肌で感じているのですね。
インセンティブの設計は、どのように組んでいるのでしょうか。
Allen:ユーザーの皆さんは宣伝や招待もしてくださるので、当然インセンティブを付与しないといけません。そのために、リリースしてから継続的に還元イベントを実施しています。
1つ目は、ジェネシスNFTホルダー向けの「サクトークンエアドロップ」です。ジェネシスNFTとは、Sakura Nexusを初期から支えているプレイヤーの証です。このジェネシスNFTにはさまざまな特典があり、ゲーム内にプライベートルームを構築して友達を誘って一緒にプレーできたり、一部レベルのシェアができたりします。
さらにジェネシスNFTホルダーに対しては、2週間ごとに総額30万相当のトークンを山分けするエアドロップを実施しています。早く参加してくれるほど、受け取れる量も大きくなる設計です。
2つ目は、「Sakuraポイント」のランキングイベントです。ゲーム内のポイントを獲得するにはジェネシスNFT保有がプラスになるほか、CHIP消費、累計オンライン時間、ゲームプレイ回数、Genesis NFTの保有などが加算されます。こちらも2週間ごとに開催して、ランキングトップ50名にトークンを、さらに上位5名には入賞を記念したNFTを付与しています。
編集部:コアユーザー向けの還元イベントを開催しているのですね。
Web3ゲームでは、インセンティブ設計の塩梅が難しいですよね。こういった設計はどのように考えられたのでしょうか。
Allen:インセンティブは、僕たちが用意しているプールの中でバランスを保ちながら配布しています。トークンはまだ未上場ですが、いずれ上場も視野にいれている状況です。
ただトークンというのは、使われていなければマーケットでの価値は何もないですよね。
だからこそ、インセンティブとして受け取ってもらい、ゲームの中で使ってもらう。そうやってユーザーの中での流通と利用を増やしていきたいです。
そうすれば将来的に、一時的な盛り上がりだけではなく、ある程度トークンのマーケットバリューを担保できるのではないかと考えています。
ハイブリッドトーナメントで現実世界との接点をつくる
編集部:Sakura Nexusについて、直近の取り組みを教えてください。
Allen:ユーザーの皆さんにもっと対戦を楽しんでいただくことだけにフォーカスします。
それを踏まえて、まず東京でオフラインのポーカーイベントを始めています。これはSakura Nexusが他のポーカーゲームや麻雀ゲームと差別化できるポイントでもあります。
編集部:なぜ、オフラインのイベントを開催しようと考えたのでしょうか。
Allen:ポーカーの愛好家と接点を作る上で、実店舗であるポーカールームとの連携が欠かせないためです。
ポーカールームの経営者は、3つの課題を抱えています。
1つ目は時間の制限。ポーカールームの営業時間はだいたい夕方から22時、23時までに限られていて、盛り上がっていても帰らないといけません。
2つ目は地域の制限。たとえば新宿のポーカールームがトーナメントをやろうとしても、広くても都内のユーザーしか集まらず、他県から来てもらうのは難しいです。
3つ目は客離れです。時間が経てば経つほど、ひどい時は6〜7割の既存ユーザーが、仕事の都合や他店への乗り換えなどで来なくなってしまいます。
編集部:実店舗のポーカールームではさまざまな課題があるのですね。
Allen:このような課題を解決して業界を支援するために、僕たちは都内のポーカールームと連携して「オンライン×オフライン」でのハイブリッド型トーナメントを始めました。
毎週木曜にオンラインで予選を開催し、予選上位の20〜30名が日曜に現地のポーカールームで行われる決勝戦に進出する形です。この取り組みを通じて、ポーカー好きの初心者・愛好者の方々へのリーチを目指しています。

編集部:現実世界のポーカー愛好家に対してアプローチしているのですね。
ちなみに、Web2の従来型オンラインポーカーゲームも存在しますが、どのような差別化要素がありますか。
Allen:Sakura Nexusは、全国のポーカールームと連携できる点で異なります。
国内で歴史があるのは、パチンコメーカー系グループが手がけるポーカーゲームです。自社でポーカールームを直接経営しており、トーナメントも開催されています。
一方で僕たちは特定の店舗を持たないため、系列の枠に捕らわれず全国のポーカールームと連携が可能です。
その他に、コンプライアンス遵守も強みとなっています。Web3型ポーカーゲームもたくさんありますが、正直なところ今の法律に照らしてコンプライアンスを守っているタイトルは少ないかもしれません。
僕たちはコンプライアンスを最重要視していて、担当者と定期的にミーティングを行い、弁護士の意見ももらいながら、「安心・安全」を最優先で運営しています。
2026年8月にアプリリリースへ
編集部:Sakura Nexusを普及させるための今後の展開を教えてください。
Allen:3つの戦略を描いています。
まずは、ポーカールームと連携しリアルの場でのトーナメントをもっと増やしていきたいです。今は東京都だけなので、できれば大阪など他の地域もカバーしていきたいですね。
2つ目は、地域コミュニティごとの「オープンツアー」です。
たとえば西日本、東日本といった単位で、数週間にわたるポーカーツアーを開催したいと考えていて、パートナーさんと協力しながら準備を進めています。詳細はまだ公表できませんが、東日本・西日本での開催に向けて動いています。
編集部:ポーカー仲間を増やす戦略ですね。
Allen:はい。より多くのユーザーにリーチできますし、弊社の知名度も上がる。そしてポーカールームとポーカーツアーというイベントを重ねることで、Sakura Nexusのブランド自体も強くなっていくはずです。
3つ目として、2026年8月頃にモバイルアプリのリリースを予定しています。現状はPCブラウザが中心ですが、モバイルアプリによってさらに多くの方に遊んでいただけるようにしたいですね。
編集部:リアルの場での活動を増やすのですね。
Allen:この他にも、ライブ配信をやりたいと考えています。前回のトーナメントが終わった後、コミュニティの中でものすごく反響があったんですよ。「やってみたら面白かった、悔しいからもう一度挑戦したい」という声がある一方で、「負けた対局を振り返って反省したい、勝てた場面を見たい」という声もありました。
海外ではポーカーのライブストリーミングがすごく人気で、マーケットとして成立していますから日本でも導入したいと思っています。
編集部:リアルとオンラインの両面で、Sakura Nexusのエコシステムが構築されるイメージですね。
Allen:そうですね。両軸で盛り上げていきます。
ゲームコンテンツについては出し続けることが大事なので、今提供しているゲームも実際の利用状況を見ながら遊ばれているゲームは継続的に改善し、あまりプレーされていないゲームは差し替えていきます。
ストックは60〜70種類ほど用意していますし、麻雀の追加も視野に入れています。
編集部:ポーカー以外のゲームでも盛り上がりが生まれそうですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。
インタビューを終えて
「Web3ゲームである前に、まず面白いゲームであること」。Allen氏の語り口から一貫して伝わってきたのは、このシンプルな哲学だった。派手なトークンインセンティブで注目を集めるのではなく、遊びとして成立しているものにWeb3を「付加価値」として重ねていく。その順番の正しさが、広告費ゼロで招待コード経由の登録が大半を占めるという異例の成長に表れている。
8月のモバイルアプリリリース、全国へのツアー展開、ライブ配信と、打ち手は目白押しだ。コンプライアンスを最重要に掲げながら日本市場に選択と集中するSakura Nexusが、国内Web3ゲームの新しい成功モデルとなるのか、今後も注目していきたい。
- 株式会社AI on Web3 公式サイト:https://www.aionweb3.ai/
- Sakura Nexus:https://www.sakura-nexus.xyz/
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