
この記事の要点
- 財務省・商務省の管理権争いでBTC準備金の制度設計が停滞
- 司法省OLCが権限配分の法的整理を主導、正式発表は未定
戦略的BTC準備金、管理主体めぐり省庁間で対立
2026年7月6日、トランプ政権が進める「戦略的ビットコイン(BTC)準備金」の制度設計が、財務省と商務省の管理権をめぐる争いで停滞していることが明らかになりました。
戦略的ビットコイン準備金はトランプ大統領の大統領令に基づいて創設が進められており、刑事・民事の没収手続きで取得したビットコインを連邦の準備資産として保有することが想定されています。
ブルームバーグの報道によると、その背景には、変動の大きいデジタル資産を財務省が連邦の準備資産として管理できるのかという法的な論点があり、複数の政府機関が制度の整理を進めています。
ホワイトハウスのリズ・ハストン報道官は、大統領が掲げる構想を実現するため、最適な管理体制の検討を続けていると説明しています。
財務長官、準備金の恒久化訴え
BTC準備金構想が管理権争いに至った経緯
押収BTCの保有継続を命じた大統領令
財務省と商務省の管理権をめぐる議論は、トランプ大統領が2025年3月6日に署名した大統領令に端を発しています。
この大統領令では、押収したビットコインを原資とする戦略的ビットコイン準備金と、非ビットコイン資産を管理する米国デジタル資産ストックパイルの設立が指示されました。
戦略的ビットコイン準備金については、財務長官が設置する管理事務局のもとで、刑事・民事の没収手続きによって取得したビットコインを売却せず、連邦の準備資産として保有する方針が示されています。
また、財務長官には口座の所在や新たな立法の必要性などを含む法的・投資面の評価を60日以内に取りまとめるよう求めています。
商務省も運営に名乗り、OLCが権限配分を検討
一方、この大統領令では財務省だけでなく商務省にも、予算へ新たな負担を生じさせない範囲でビットコインを追加取得する戦略を策定するよう求めていました。
ブルームバーグは、この規定を背景として商務省も準備金の運営主体として浮上し、財務省との管理権限をめぐる調整が続いていると報じています。
現在は、司法省の法律顧問局(OLC)が管理権限に関する法的整理を進めており、制度の具体的な運営体制について検討が続けられています。
ホワイトハウスでデジタル資産政策を率いるパトリック・ウィット氏は2026年5月、法的な裏づけや資産のカストディ(保管)体制の整備で進展があったと説明し、正式発表が近いとの見方を示していました。
WH顧問が最終調整段階を示唆
制度設計の行方と議会の動向
行政側で制度設計が続く一方、議会では戦略的ビットコイン準備金を法律として恒久化し、将来の政権交代による撤回を防ぐための法整備も進められています。
その代表例が、下院のニック・ベギッチ議員らが2026年5月に提出した「米国準備近代化法案(ARMA)」で、財務省主導による準備金制度の恒久化を柱としています。
法案では、準備金へ組み入れたビットコインに20年間の保有義務を課すほか、監査やプルーフ・オブ・リザーブ(準備金の裏づけを暗号技術で示す報告)の実施も盛り込まれています。
こうした制度整備が進められている背景には、押収資産を通じて米政府が世界最大のビットコイン保有主体となっている現状があり、BitcoinTreasuriesのデータによれば、その保有量は328,372 BTC、資産規模は205億ドル(約3兆3,500億円)を超えています。
財務長官のスコット・ベッセント氏も2026年6月の公聴会で、最善の慣行に沿った持続可能な制度を構築する考えを示しています。
現在の焦点は、新たなビットコインの取得ではなく、押収済みの仮想通貨(暗号資産)をどの政府機関がどの法的枠組みのもとで管理・保管するかという制度設計に移っています。
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Source:ブルームバーグ報道
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用







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