
倫理規定巡り与野党の攻防激化
米国の暗号資産(仮想通貨)市場構造法案「クラリティ法案(CLARITY Act)」は、ホワイトハウスが目標としていた米独立記念日の7月4日までの署名は実現せず、議会日程を踏まえると次の期限として8月6日に注目が集まっているようだ。暗号資産政策を取材するジャーナリストのエレノア・テレット(Eleanor Terrett)氏が現地時間7月6日に報じた。報道によれば、議員らが独立記念日前後の休会に入る中、残る課題の解消に向けた具体的な進展は公になっていないという。
また、法案交渉の主要な利害関係者となっている法執行機関団体から2通の書簡が明らかになった。全米黒人法執行幹部機構(NOBLE)は法案を正式に支持する姿勢を表明し、他の法執行団体が「捜査上の抜け穴」になりかねないと懸念してきた「ブロックチェーン規制明確化法(BRCA)」条項についても支持を打ち出した。NOBLEは、マネーロンダリングや無登録送金業に関する連邦法上の捜査・訴追権限には変更がないとの立場を示している。
一方、米大規模郡保安官協会(MCSA)は、政権関係者との協議を踏まえて中立姿勢に転じた。同協会は法案を「責任あるイノベーションと州・地方の法執行の実務ニーズに資する形でさらに強化する機会」があるとしており、業界関係者の間では、暗号資産業界の支持獲得に不可欠とされるBRCA条項が、法執行団体からの広範な支持と引き換えに骨抜きにされるのではないかとの懸念も出ている。
こうした状況を受け、民主党のキルステン・ギリブランド(Kirsten Gillibrand)上院議員は、大統領・連邦議会議員・その配偶者によるデジタル資産の発行・スポンサーを禁じる倫理規定の導入を改めて求めた。これに対し、暗号資産カストディ企業ビットゴー(BitGo)のCEOであるマイク・ベルシェ(Mike Belshe)氏は、倫理規制はすべての資産クラスに等しく適用されるべきであり、問題は暗号資産そのものではなく政治家の行動にあると反論した。
一方で、ギリブランド上院議員の提案をめぐっては、同議員の息子であるセオドア氏が米株式や株価指数を対象とする無期限先物取引所の立ち上げに向けた資金調達を進めているとの報道もある。同事業は暗号資産やブロックチェーンとは無関係とされるものの、リップル社共同創業者のクリス・ラーセン(Chris Larsen)氏が出資者に名を連ねているという。
さらに、上院銀行委員会でクラリティ法案を前進させる採決に賛成票を投じた民主党のルーベン・ガレゴ(Ruben Gallego)上院議員とアンジェラ・アルソブルックス(Angela Alsobrooks)上院議員も、トランプ大統領の財務開示に強く反応した。ガレゴ上院議員はXへの投稿で「トランプ大統領は大統領職を利用して米国民から利益を得ている」と指摘し、アルソブルックス上院議員は記者団に対し、倫理条項は「切実に必要だ」と述べた。両議員はいずれも、上院本会議での採決に先立ち、実効性のある倫理合意の成立を支持継続の条件に掲げた。
トランプ大統領の2025年の年次財務開示を巡っては、同氏が暗号資産関連事業から14億ドル超の収入を得たとロイターが報じている。このうち6億3,500万ドルは自身のミームコイン「TRUMP」の売却収入とされる。こうした財務開示の内容が、今回の倫理規定を巡る論争の火種となっている。
上院は7月13日に休会明けとなる予定で、残る論点で合意が得られれば、法案は早ければ7月20日の週にも上院本会議で審議・採決対象となる可能性があるとのことだ。
参考:報道
画像:PIXTA
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参照元:ニュース – あたらしい経済


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