ヴィタリック、イーサリアム財団40%予算削減の狙い説明。「小規模で持続可能な組織」へ転換

ヴィタリックがEF改革の狙い説明

イーサリアム(Ethereum)共同創設者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が、イーサリアム財団(Ethereum Foundation:EF)が進める組織改革について自身のXアカウントで6月23日に説明した。同氏は、今年実施する約40%の予算削減の背景や、今後の組織運営の方向性を明らかにしている。

イーサリアム財団は2025年6月、新たな資金管理方針(Treasury Management Policy)を公表した。同方針では、2025〜2026年を重要局面と位置付ける一方、長期的には年間運営費をトレジャリー総額の約15%から約5%へ段階的に引き下げ、財団の役割も縮小していく方針を示していた。今回の約40%の予算削減は、この方針に基づく取り組みとなる。

その後、イーサリアム財団は今年3月に、財団の使命や意思決定の原則を示す「EFマンデート(EF Mandate)」を公開。「CROPS(検閲耐性・オープンソース・プライバシー・セキュリティ)」を重視する方針を示した。また、プロトコル開発体制の再編や主要メンバーの離脱が相次ぐなか、5月にはブテリン氏が、活動範囲を絞り込んだ「以前より小さな組織」へ移行する考えを示していた。

ブテリン氏は今回の投稿で、今回の予算削減について、イーサリアム財団を長期的な基金(エンダウメント)型組織へ移行させるための取り組みだと説明した。

また同氏は、今回の人員削減について「効率化によって何も失われなかったと装うつもりはない」と述べ、財団を離れたメンバーについて「優秀な人材であり、長年イーサリアムへ貢献してきた」と評価した。そのうえで、今後もイーサリアム内外で活躍することへの期待を示している。

一方でブテリン氏は、組織を小規模化する一方、イーサリアムの技術開発は継続する考えも示した。

同氏は現在進めている「イーサリアム・ストローマップ(Ethereum Strawmap)」について、「マージ(The Merge)に続くイーサリアム第3世代」に当たる大規模な刷新だと説明した。具体的には、コンセンサス、証明、プライバシー、アカウントモデル、ステートなど、プロトコルのほぼ全体を見直す取り組みだとしている。

こうした開発をより少ない予算で進めるため、イーサリアム財団は開発体制も見直すという。具体的には、これまで安全性確保のため複数のクライアントに同じ役割を持たせてきた開発体制について、AI支援による形式検証(AI-assisted Formal Verification)の活用を進めることで、複数クライアント体制を冗長性重視から、より専門性を重視する方向へ移行する考えを示した。

また、プライバシーやスケーリング技術の基礎研究を担ってきた「PSE(Privacy and Scaling Explorations)」については、独立したユニットとしては縮小・終了しつつ、ZKPを活用したプライバシー・スケーリング技術をプロトコル層やアクセス層へ実装する方向に重点を移す方針を明らかにした。

さらに、開発者向けイベント「デブコン(Devcon)」についても、今後は規模を縮小し、赤字を抑えた運営へ移行する予定としている。このほか、イーサリアム以外の大型プロジェクトや機関投資家向け活動についても縮小し、イーサリアムにとって重要な領域へ資源を集中させる方針を示した。

ブテリン氏は長期的な構想として、ストローマップの完了後は、セキュリティ修正や価値の高い小規模な改善を中心とした開発体制へ移行する考えも示した。同氏は、大規模な機能追加を継続するのではなく、安定性を重視するビットコイン(Bitcoin)のようなプロトコル運営から学ぶべきだと述べている。

画像:大津賀新也(あたらしい経済)撮影

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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