
住宅法案の署名を別法案の成立と連動
ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が、6月24日に予定していた住宅政策法案「21世紀の住宅への道法案(21st Century ROAD to Housing Act)」の記者会見および署名式を中止すると自身のSNS「Truth Social」で同日に表明した。これにより、同法案に盛り込まれた中央銀行デジタル通貨(CBDC)一時禁止条項の成立時期も不透明となった。
トランプ大統領は投稿で、「本日の住宅に関する記者会見および署名式は、切実に必要とされる『SAVE AMERICA ACT』が可決されるまで中止とする」と述べ、住宅法案への署名を見送る考えを示した。
ちなみに「SAVE AMERICA ACT」は、有権者登録時の市民権証明義務化などを柱とする選挙制度改革法案だ。
「21st Century ROAD to Housing Act」は6月22日に米上院で85対5、翌23日に米下院で358対32の賛成多数により可決され、トランプ大統領の署名を待つ段階となっていた。
今回の発表により、住宅法案への署名時期は、トランプ大統領が優先課題として掲げる「SAVE AMERICA ACT」の議会審議と事実上連動させられる形となった。
「21st Century ROAD to Housing Act」は、住宅供給の拡大や規制改革、住宅ローン制度の見直しなどを柱とする包括的な住宅政策法案だ。上院銀行・住宅・都市委員会のティム・スコット(Tim Scott)委員長(共和党)、エリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)筆頭委員(民主党)、下院金融サービス委員会のフレンチ・ヒル(French Hill)委員長(共和党)、マキシン・ウォーターズ(Maxine Waters)筆頭委員(民主党)らが主導する超党派法案として審議が進められてきた。
ウォーレン議員は同法案について、「30年以上で最大規模の住宅法案」と評価している。
暗号資産・デジタル金融業界にとって注目されているのが、法案に盛り込まれたCBDC関連条項だ。
同法案では、連邦準備制度理事会(FRB)および各連邦準備銀行が、CBDCまたは実質的に類似するデジタル資産を直接、または金融機関などを通じて間接的に発行・創設することを2030年12月31日まで禁止すると定めている。
また、同法案はFRBにCBDC発行権限を付与するものではないことも明記しており、CBDCの発行には議会による明示的な授権が必要であるとの考え方も示している。
米国では近年、共和党を中心にCBDCへの警戒感が強まっている。CBDCについては、政府による金融取引の監視や管理につながる可能性があるとして、プライバシー保護の観点から懸念が示されてきた。
トランプ政権もこうした立場を取っており、2025年1月には米国内でのCBDC推進を制限する方針を示す大統領令を発出している。ただし、大統領令は将来の政権によって変更される可能性がある。一方、法律として成立すれば、CBDCを巡る方針により強い法的根拠を与えることになるとみられていた。
今回、住宅法案への署名が延期されたことで、CBDC禁止条項の法制化も当面先送りとなる見通しだ。
なお「21st Century ROAD to Housing Act」は上下両院を通過しており、法案自体が否決されたわけではない。
参考:Truth Social
画像:Reuters
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参照元:ニュース – あたらしい経済


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