
この記事の要点
- オマーン政府が国家公式BTCマイニングプールを開設、全業者に参加義務化
- カザフスタンに続く2か国目、7億ドル超の採掘投資を国家管理へ統合
まずはBTCマイニングを詳しく
BTCマイニングを国家プールに一本化
2026年6月17日、オマーンの運輸・通信・情報技術省(MTCIT)が国家公式のマイニングプール「Omanhash.om」を開設したことが明らかになりました。
同プールは国内でライセンスを取得したすべてのマイニング事業者に参加が義務づけられる設計となっており、オマーン政府は分散していたマイニング能力を国家承認の枠組みに集約する方針を示しています。
技術基盤および流動性の供給はデジタルエネルギー企業Enegix Global(エネジックス・グローバル)が担っており、同社にとってはカザフスタンの国家認定プール「btcpool.kz」に続く2件目の政府主導プロジェクトとなります。
Omanhash.omは初期段階で約10EH/s(エクサハッシュ毎秒)の計算能力を集約する見込みで、国内の認可マイニング事業者を対象とした国家公式プールとして運用が開始されます。
BTCマイニングの電力構成に変化
1,120億円超のマイニング投資を国家プールへ統合
マイニングプール管理・技術を官民2社で分担
Omanhash.omの運営では、プールの管理をオマーンのブロックチェーン企業Frontier Technologies LLC(フロンティア・テクノロジーズ)が担う一方で、技術基盤と流動性の供給はEnegix Global(エネジックス・グローバル)が受け持つ体制が採用されています。
国内の認可マイニング事業者を一つの公式プールへ集約する設計を実現するため、両社は運営とインフラの役割を明確に分担し、国家主導の枠組みとして稼働が進められています。
このような国家主導の集約型モデルについて、Enegix GlobalでCBDO(最高事業開発責任者)を務めるオルジャス・アミロフ氏は「明確なライセンス制度がマイニング事業者の合法的な操業を支えるほか、過度な課税リスクの抑制にも寄与する」との認識を示しました。
同氏はさらに、当局との透明性の高い対話が可能になることで、エネルギー供給とマイニングインフラの長期的な安定にもつながると述べています。
南部サラーラ7億ドル超のマイニング投資を集約
オマーンは2022年以降、経済多角化政策の一環として南部サラーラ自由区を中心にマイニング施設やデータセンターへの投資誘致を進めてきました。
同自由区への投資総額は7億ドル(約1,120億円)を超えており、2022年と2023年には大型施設2件が相次いで稼働しています。
今回開設されたOmanhash.omは、こうした投資によって形成されたマイニング能力を国家承認の枠組みへ集約する仕組みとして位置付けられており、認可事業者による運用の受け皿となります。
Enegix Globalのプール部門ディレクターを務めるゴーハル・カギラ氏は、オマーンが域内で早い段階から体系的なマイニング規制を整備した国の一つだとしたうえで、今回の制度導入を評価しました。
同氏は、ビットコインマイニングを戦略産業として管理する国家主導モデルの事例としてオマーンを挙げ、Enegix Globalが立ち上げの技術面を主導したと説明しています。
Enegix、複数国で政府公認プール運営へ
Enegix Global(エネジックス・グローバル)はカザフスタンとカナダで最大250MW(メガワット)規模のデータセンター容量を保有し、複数のマイニングプールを展開しています。
同社は国際プール「21pool.io」とカザフスタン国家認定プール「btcpool.kz」を運営しており、今回のOmanhash.omが3つ目の主要プールとして加わります。
これにより運営プール全体のハッシュレートは約25EH/sとなり、同社は30EH/sへの拡大を目標に掲げています。
Enegix GlobalでCPO(最高製品責任者)を務めるイェルサイン・ヌルトレウオフ氏は、国家案件の受託実績が増えることで、運営能力や機関投資家向け水準の信頼性向上につながるとの考えを示しました。
同社は今回の受託により、複数の国で政府公認のビットコインマイニングプールを構築・運営する世界で唯一の事業者になり、北米市場での事業拡大も進めています。
「中国製97%依存」に警鐘
カザフに続く国家マイニングモデル、2か国体制に
主権国家がマイニングを自国の管理下に取り込む動きでは、先行するカザフスタンが押収資産や国営マイニングを財源とする国家準備金の構想まで打ち出しています。
全マイニング業者を一つの公式プールに束ねるオマーンの仕組みは、ネットワークを支える計算力を多くの参加者へ分散させてきたビットコインの設計とは、方向性が異なります。
それでも、電力資源を持つ国にとってマイニングを国家の管理下に置く手法はエネルギー政策や課税制度との整合を図りやすく、オマーンでは認可事業者を対象とした運用体制が整備されています。
Enegix Globalはカザフスタンに続いてオマーンでも政府公認プールの構築を担当しており、国家主導のビットコインマイニングモデルは2か国で運用される形となりました。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=160.64 円)
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Source:Enegix Global発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用






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