米超党派上院議員、GENIUS法の州認定制度維持を財務省に要請

GENIUS法の州認定制度は「一度限りにすべきでない」

米国上院の超党派議員グループが、スコット・ベッセント(Scott Bessent)財務長官に6月16日付で書簡を送り、ステーブルコイン規制の包括的な法律「GENIUS法」の施行にあたり、州規制当局が今後も継続的に制度へ参加できる枠組みを確保するよう求めた。

議員らは、財務省が今年4月に公表した規則案(NPRM)について、州規制制度の認定に関するタイムラインや手続き要件が明確化されていないと指摘。運用次第では将来的な州の参加を事実上制限する可能性があるとして、早期のガイダンス策定を要請している。

GENIUS法第4条(c)は、発行残高100億ドル(約1.6兆円)以下の決済用ステーブルコイン発行体について、連邦制度と「実質的に類似(substantially similar)」な規制体制を有すると認定された州の監督下で事業を行える仕組みを設けている。

これは、連邦当局と州当局が並行して金融機関を監督する米国の「デュアルバンキングシステム」の考え方を、ステーブルコイン分野にも適用するものと位置付けられている。

書簡によると、多くの州が現在GENIUS法への対応を進めている一方、財務省が4月に公表した「州制度が連邦制度と実質的に類似しているか」を判断する原則案では、州規制制度の認定申請・審査・認定に関する具体的な手続きやスケジュールが示されていないという。

議員らは、こうした不透明さが「将来的な州参加を事実上閉ざす形で解釈・運用される可能性がある」との懸念を業界関係者から聞いていると説明している。

議員らは財務省に対し、まず州認定制度に関する書面ガイダンスを速やかに公表するよう要請した。

ガイダンスには申請、審査、認定の各プロセスに関する明確な期限や要件を記載するとともに、州が制度整備を完了した段階で随時認定を申請できることを明示するよう求めている。

また、認定制度を「一度限りの申請期間(one-time window)」として運用すべきではないと主張。議会の立法意図は州による規制参加を制限することではなく、州認可・州チャーターを選択する事業者が不利にならないよう実効性のある州ルートを整備することにあると指摘した。

さらに、州ごとに立法スケジュールが異なる点にも言及。一部州では議会が2年ごとの会期で運営されていることから、柔軟かつ継続的な認定制度がなければ、州が市場競争やイノベーションから取り残される可能性があると警告している。

加えて書簡では、GENIUS法が州制度に対する年次再認定(annual recertification)を求めている点を挙げ、認定制度そのものが継続的なプロセスとして設計されているとの見解を示した。

書簡には、暗号資産政策を主導してきたワイオミング州選出の共和党上院議員シンシア・ルミス(Cynthia M. Lummis)氏を筆頭に、ニューヨーク州選出の民主党上院議員カースティン・ジリブランド(Kirsten Gillibrand)氏、ネブラスカ州選出の共和党上院議員ピート・リケッツ(Pete Ricketts)氏、ネバダ州選出の民主党上院議員キャサリン・コルテス・マスト(Catherine Cortez Masto)氏、ノースダコタ州選出の共和党上院議員ケビン・クレーマー(Kevin Cramer)氏、メリーランド州選出の民主党上院議員アンジェラ・アルソブルックス(Angela D. Alsobrooks)氏、テネシー州選出の共和党上院議員ビル・ハガティ(Bill Hagerty)氏の計7名が署名した。

GENIUS法は2025年7月に成立した米国初の連邦レベルにおける包括的なステーブルコイン規制法だ。

同法ではステーブルコイン発行体に対する準備資産保有義務や情報開示義務を定めるほか、証取法上の継続開示義務を負っていない、連結発行残高500億ドル(約8.0兆円)超の発行体に対して、年次財務諸表の作成、監査、公表、規制当局への提出を求めている。

また、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)は6月9日、GENIUS法との整合を図るための州レベルの規則案を公表しており、州側でも制度整備に向けた動きが進んでいる。

財務省は現時点で本件に関するコメントを公表していない。

参考:書簡
画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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