
米控訴裁が有罪評決と25年刑を維持
暗号資産(仮想通貨)交換所FTXの創業者であるサム・バンクマンフリード(Sam Bankman-Fried)氏は6月12日、FTX破綻をめぐる詐欺罪の有罪評決と25年の禁錮刑を覆す試みに敗れた。
マンハッタンにある米連邦第2巡回区控訴裁判所の3人の判事からなる合議体は、全員一致の判断で、バンクマン=フリード氏に対する検察側の証拠は「控えめに言っても強固だった」と述べた。
バリントン・パーカー(Barrington Parker)巡回判事は、合議体を代表して「同氏は、FTXの顧客資金は安全だと顧客、投資家、規制当局に公に安心感を与える一方で、同時にFTXを自分専用の財布のように使い、顧客資金を不動産、政治献金、投資に支出していた」と記した。
バンクマンフリード氏の弁護士らは、コメント要請に直ちには応じなかった。弁護側は今後、第2巡回区控訴裁判所の現役判事全員による審理を求めるか、米連邦最高裁に上告受理を求める可能性がある。
また、米司法省の恩赦担当官事務所によると、バンクマンフリード氏はドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に恩赦も求めている。ホワイトハウス、司法省のいずれもコメント要請に直ちには応じなかった。
「途方もない規模の詐欺」
バンクマンフリード氏は、2022年にFTXが劇的に破綻する前、暗号資産業界で最も影響力のある人物の一人であり、数十億ドル規模の資産を持つ富豪だった。同氏は2023年、マンハッタンの連邦陪審により7件の重罪で有罪とされた。
マンハッタンの米連邦検察当局は、同氏が暗号資産に特化したヘッジファンド「アラメダ・リサーチ(Alameda Research)」の損失を穴埋めするため、FTX顧客から80億ドル(約1.28兆円)を盗んだと主張し、これを「途方もない規模の詐欺」と表現していた。
バンクマンフリード氏は、起訴された2件の詐欺罪と5件の共謀罪について無罪を主張していた。裁判では、FTXの運営で過ちを犯したことは認めたものの、資金を盗んだことはないと証言していた。
有罪評決に対する控訴で、バンクマンフリード氏の弁護側は、公判を担当したルイス・カプラン(Lewis Kaplan)米連邦地裁判事が、FTXには顧客の出金に応じる十分な資金があると同氏が信じていたことを裏付ける証拠の提出を不当に妨げたと主張した。
控訴裁はこれに同意しなかった。控訴裁は、被告人が最終的に被害者を原状回復させる意図を持っていたとしても、相手を欺いて金銭や財産を引き渡させた時点で詐欺は成立する、とする判例を指摘した。
パーカー判事は「FTXの顧客は、バンクマンフリード氏が顧客資金をアラメダに移した時点で、同氏が後に資金を返還できるとどれほど強く信じていたかにかかわらず、すでに欺かれていた」と記した。
バンクマンフリード氏、2044年に釈放資格
FTXが破綻する前、バンクマンフリード氏は、競争の激しい暗号資産業界で台頭する存在であり、多額の慈善寄付や政治献金によって自身の評判を高めていた。
2024年3月の量刑言い渡しの場で、カプラン判事は、バンクマンフリード氏は自身の行為が誤っていることを認識していたが、「発覚する可能性について非常に悪い賭けをした」と述べた。
バンクマンフリード氏の元側近3人は、この事件への関与をめぐって有罪を認め、公判でかつての上司に不利な証言をした。
バンクマンフリード氏は現在、カリフォルニア州サンタバーバラ近郊の低警備の連邦刑務所に収監されている。同氏は2044年に釈放資格を得る。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Sam Bankman-Fried loses bid to overturn crypto fraud conviction
(Reporting by Luc Cohen in New York; Editing by Chizu Nomiyama)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters
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参照元:ニュース – あたらしい経済


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