
ステーブルコイン普及で「ドル支配強化」の可能性とECB理事が言及
「ステーブルコインの利用拡大は、ドルの世界的な支配力を強め、一部の国が金融政策を設定する能力を損ない、さらにはユーロの役割を低下させる可能性もある」と、欧州中央銀行(ECB)のイザベル・シュナーベル(Isabel Schnabel)専務理事が、6月1日に述べた。
ステーブルコインは、主にドルなどの法定通貨の価値に連動させ、政府債などの伝統的資産を裏付けとして一定価値を維持するように設計された、ブロックチェーン上で発行・移転されるトークンの一種。利用はまだ比較的低水準にとどまっているものの、急速に増加しており、アナリストのモデル分析では、今後さらに急速に普及する可能性が示されている。
ステーブルコインの大半は米ドルに連動している。エコノミストの一部は、発行額が急速に拡大すれば、過去20年にわたるドルの国際的な役割低下が鈍化し、さらには反転する可能性もあると指摘している。
シュナーベル氏は、ソウルで開催された韓国銀行(Bank of Korea)の会議で、利用拡大に言及し、「ドルの支配力は強化されるだろう。それは必ずしも経済のファンダメンタルズが強くなるためではなく、ネットワーク効果、規模、先行者利益によるものだ」と述べた。
国際通貨基金(IMF)のデータによると、外貨準備に占めるドルの割合は、世紀初めの70%から、2025年には57%未満に低下した。小規模な通貨がドルの市場シェアを奪ってきたためだ。
ステーブルコイン利用拡大によるドルの押し上げは、金融政策の信頼性に欠ける国に最も大きな影響を及ぼす可能性がある。一方でシュナーベル氏は、その影響がユーロにも及ぶ可能性があると述べた。
また、これは悪循環にもなり得る。政策の信頼性に欠ける国では、人々がドル建てステーブルコインにより引き寄せられる可能性があり、それによって中央銀行が政策変更を実体経済へ波及させる能力がさらに弱まる恐れがあるためだ。
シュナーベル氏は、「金融政策への信頼性が高い地域であっても、米ドル建てステーブルコインの支配が持続すれば、それが米ドル建てのインボイス取引や世界的な流動性保有を強める場合、時間の経過とともに望ましくない結果をもたらす可能性がある」と述べた。
さらに同氏は、「欧州の視点から見れば、これは最終的に、トークン化金融の新たな形態や国際通貨制度全般におけるユーロの役割を制限する可能性がある」と述べた。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Rising stablecoin use could cement dollar dominance, ECB’s Schnabel says
(Reporting by Balazs Koranyi; editing by Barbara Lewis)
参考:香港SFC
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters
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参照元:ニュース – あたらしい経済

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