「予測市場はCFTC管轄」州vs連邦の規制闘争にトランプ大統領が参戦

この記事の要点

  • トランプ大統領、CFTC専属管轄維持を支持表明
  • 連邦vs州の予測市場規制が全米で本格化

トランプ氏、CFTC主導の予測市場規制を支持

ドナルド・トランプ米大統領は2026年5月27日、自身のSNS「Truth Social」への投稿で、予測市場に対するCFTC(米商品先物取引委員会)の専属管轄権を維持することが「極めて重要だ」との見解を示しました。

投稿では、予測市場をめぐる規制について「私のリーダーシップの下で、全国共通の基準となる『道路のルール』を整えている」と述べ、州単位ではなく連邦主導で制度整備を進める姿勢を鮮明にしています。

そのうえで、元ニュージャージー州知事のクリス・クリスティー氏、ニューヨーク州司法長官のレティーシャ・ジェームス氏、ミネソタ州知事のティム・ウォルツ氏、イリノイ州知事のJ・B・プリツカー氏の4名を実名で挙げ、「彼らのような者たちにルールを決めさせるわけにはいかない」と批判しました。

あわせて米国について「仮想通貨(暗号資産)の世界の中心地」と位置付け、他国に主導的地位を奪われることは容認しない考えも示しています。

さらにマイケル・セリグCFTC委員長について「皆から尊敬されており、素晴らしい仕事をしている」と称賛し、予測市場を連邦管轄下で維持するCFTCの方針を、政権として支持する姿勢を明確にしました。

予測市場については、CFTCの専属的な権限を維持することが極めて重要であり、そのもとでこの市場が発展していくべきだと考えている。政権としては、各州にとっての“ルールの指針”となるゴールドスタンダードの規制整備を進めている。

また、この新しい金融市場のルール作りを、クリス・クリスティ氏、レティシア・ジェームズ氏、ティム・ウォルツ氏、JB・プリツカー氏といった人物に委ねるべきではない。(中略)

この産業は今後も成長が見込まれる重要分野であり、保護・育成していく必要がある。CFTCのマイク・セリグ委員長は優れた対応をしている。マイクに感謝する。

CFTC vs 州当局、全米で予測市場めぐる訴訟戦が本格化

名指し4名、いずれも予測市場規制を主導

トランプ大統領が投稿内で名指しした4名は、いずれも予測市場プラットフォームへの規制や提訴を主導してきた人物であり、各州と連邦当局の対立はすでに法廷闘争へ発展しています。

ニューヨーク州のジェームス司法長官は4月21日、仮想通貨取引所のコインベース(Coinbase)とジェミナイ(Gemini)を、無許可のスポーツ賭博を運営しているとして提訴したと公表しました。

訴状では、両社が提供する予測市場サービスがニューヨーク州法上の違法ギャンブルに該当すると主張しており、利益没収に加え、3倍額の制裁金も求められています。

ジェームス氏は提訴以前の2026年2月2日にも、スーパーボウル開催直前に消費者向けアラートを公表し、Kalshi(カルシ)やPolymarket(ポリマーケット)での取引が州法違反となる可能性があるとして警告しています。

ミネソタ州ではウォルツ知事が5月18日、予測市場の運営や広告を全面禁止する公共安全法案SF4760へ署名しており、8月1日の施行に向け、全米初となる州レベルの予測市場禁止法の運用準備が進められています。

クリスティー氏も現在は米ゲーミング協会(AGA)の戦略アドバイザーとして活動しており、予測市場をギャンブル類似商品として州が規制する権限を擁護する立場を維持しています。

管轄権めぐる法廷闘争、CFTCが対抗姿勢強化

これに対しCFTCは、商品取引法(CEA)に基づき、連邦登録された予測市場取引所は連邦の専属管轄下にあると主張しており、州が独自にギャンブル規制を適用することは認められないとの立場を示しています。

この方針のもと、CFTCは4月24日、ジェームス司法長官およびニューヨーク州ゲーミング委員会等を相手取り、ニューヨーク南部地区連邦地裁へ提訴したと公表しました。

ミネソタ州の禁止法成立に対しても、CFTCは同日付で連邦地裁へ提訴し、8月1日の施行差し止めを求める仮処分も申請するなど、州規制への対抗姿勢を強めています。

こうした連邦側の主張は議会証言の場でも繰り返されており、セリグCFTC委員長は4月16日の下院農業委員会証言で、商品取引法がCFTCに「極めて広範で専属的な管轄権」を付与していると説明しています。

今回のトランプ大統領の投稿は、委員長の立場を政権トップが追認する形となり、CFTCによる訴訟方針への支持も改めて示されました。

予測市場の規制議論、仮想通貨分野にも波及

管轄権争いが激化するなか、トランプ大統領は投稿内で仮想通貨分野にも言及し、予測市場と並んで米国が競争優位を維持すべき産業との認識を示しました。

実際、Polymarketは仮想通貨イーサリアム(ETH)系レイヤー2であるPolygon(ポリゴン)ブロックチェーン上で稼働しており、契約決済にはステーブルコイン「USDC」が利用されています。

こうした背景から、予測市場をめぐる規制議論は仮想通貨分野にも波及しており、CFTCによる連邦管轄の範囲が業界全体の関心事となっています。

ホワイトハウスは今回、CFTC登録事業者として米国市場で展開する予測市場プラットフォームに対し、州規制ではなく連邦管轄を軸とする方針を改めて示しました。

現在係争中となっている州側との訴訟判断にも影響を与える可能性があり、連邦規制下で全米展開を進める事業者にとっては、事業継続性や規制リスクに直接関わる状況となっています。

「仮想通貨・AI・予測市場」CFTCが統合監督へ

今回トランプ大統領から称賛を受けたセリグ氏は、2025年10月27日にトランプ大統領から指名され、同年12月18日に上院本会議で53対43の賛成多数により承認された後、12月22日に第16代CFTC委員長として就任しています。

就任後はSEC(米証券取引委員会)との規制調整を進める一方、予測市場をめぐる州規制に対する差し止め訴訟も主導しており、CFTC内部では監督体制の再構築が進められています。

2026年4月10日には、仮想通貨・AI・予測市場の3分野を対象とする革新タスクフォース(ITF)を始動させ、立法化を待たずに実務レベルでの制度整備を先行させています。

予測市場分野に加え、仮想通貨分野でもセリグ氏主導による予測市場向けの新イニシアチブが進められており、両分野を横断する統合的な規制枠組みづくりが加速しています。

今後はマサチューセッツ州最高裁で審理が続くKalshi関連訴訟に加え、CFTCがニューヨーク州およびミネソタ州を相手取った差し止め訴訟の判断も、連邦専属管轄の範囲を左右する局面となっています。

判断次第では、予測市場プラットフォームの利用可能州に加え、仮想通貨事業者がCFTC登録を通じて全米展開できる範囲も明確になっていく見通しで、業界関係者の関心が集まっています。

Source:Truth Social投稿
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:仮想通貨ニュース最新一覧【毎日更新】 - 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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