
この記事の要点
- 韓国、仮想通貨課税廃止請願が5万人突破
- 国会審議入り、2027年1月施行方針に影響も
仮想通貨課税廃止請願、韓国国会で正式審議へ
韓国で2027年1月に施行予定の仮想通貨(暗号資産)課税を巡り、制度廃止を求める請願への支持が急速に拡大しています。
韓国国会の国民同意請願システムでは2026年5月22日、請願「仮想資産課税廃止に関する請願」が、国会委員会での正式審議に必要な5万人の署名を突破したことが明らかになりました。
請願は2026年5月13日に提出され、わずか8日後となる5月22日午前11時23分頃に必要署名数へ到達しています。
韓国の国民同意請願制度では、30日以内に5万人以上の署名を集めた請願について、所管常任委員会への付託が義務付けられており、今回の請願は財政経済企画委員会へ付託されました。
韓国では約1,300万人が仮想通貨投資を行っているとされ、2027年1月の課税開始を巡る議論は、国会審議の段階へ進む見通しです。
国庫支出にブロックチェーン導入
「株式に近い保護を」請願書が示す5つの論点
年250万ウォン超に22%、複数回延期を経て施行へ
韓国政府は、譲渡や貸付による仮想通貨利益を「その他の所得」に分類したうえで、年間250万ウォン(約25万円)を超える部分に22%を課税する制度を2027年1月から導入する方針としています。
税率の内訳は所得税20%と地方所得税2%で構成されており、制度適用後の最初の税務申告は2028年5月に行われる予定です。
企画財政部は2026年5月7日にソウルで開いた緊急フォーラムで、2027年1月1日に課税を開始する方針を改めて維持する考えを示しています。
韓国の仮想通貨課税は当初2022年に導入が予定されていましたが、課税インフラ整備の遅れや株式市場との不公平感を巡る反発を受け、これまで複数回にわたって延期されてきた経緯があります。
課税廃止の根拠、請願書が掲げる5項目
延期を経た仮想通貨課税について、企画財政部は2027年1月の施行方針を維持しており、今回の請願は制度の廃止を求めています。
請願書は、「株式市場との公平性」「市場環境」「青年層への影響」「課税構造の限界」「施行による副作用」の5項目を、課税廃止を求める根拠として挙げています。
請願書では、次のような点が問題視されています。
| 論点 | 請願書が指摘する内容 |
|---|---|
| 株式との形平性 | 株式の譲渡差益は事実上非課税である一方、 仮想通貨は250万ウォンという低い控除基準ですぐに課税対象となる。 仮想通貨は損失の繰越控除も認められない。 |
| 市場の現状 | 長期下落で多くの投資家が損失を抱えており、 「所得があるところに課税する」原則に反する。 |
| 青年層への影響 | 不動産価格高騰で資産形成が難しい青年層にとって、 仮想通貨は事実上最後の投資機会と認識されている。 |
| 課税構造の限界 | 「その他の所得」分類により22%の高税率に加え、 健康保険料の負担増につながる可能性がある。 |
| 施行の副作用 | すでに縮小した市場へ追加の打撃となり、 国内投資資金の海外流出も否定できない。 |
「保護策なく課税だけ先行」請願書の批判
請願書では、こうした問題点に加え、詐欺的プロジェクトや不実上場、取引所依存の市場構造によって投資リスクが高止まりしている現状にも言及しています。
その一方で、空売り規制や上場審査、投資者保護基金、不公正取引監視体系といった制度は、株式市場ほど整備されていないと指摘しています。
投資家保護策の整備が不十分なまま課税のみを先行させる政策運営は、均衡を欠いていると請願書は批判しています。
韓国中銀「取引一時停止」導入を提言
韓国中銀も保護策強化を提言、議論は委員会へ
仮想通貨市場の保護制度を巡っては、今回の請願以前から金融当局内でも整備を求める議論が続いていました。
韓国銀行(中央銀行)は2026年4月13日、国内の仮想通貨取引所にも株式市場と同様のサーキットブレーカー(取引一時停止措置)を導入すべきだと提言しており、株式市場並みの保護制度を求める議論は、中央銀行にも広がっています。
今回の請願は財政経済企画委員会へ付託されており、2027年1月に予定される課税開始までに、制度内容や施行時期を巡る審議が進められる見通しです。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ウォン=0.10 円)
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Source:韓国国会国民同意請願
サムネイル:AIによる生成画像





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