クラリティ法案「8月初旬がリミット」NYDIG分析、中間選挙が事実上の壁に

この記事の要点

  • NYDIGが分析、CLARITY法案通過の窓は8月初旬まで
  • 上院銀行委員会15対9で可決、本会議は60票が壁に

米CLARITY法案通過「8月初旬までが現実的な期限」

ニューヨーク・デジタル投資グループ(NYDIG)は2026年5月15日、米上院銀行委員会が仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」を可決したことを受け、本会議通過に向けた現実的な期間は6月から8月初旬までだとする分析レポートを公表しました。

NYDIGのグローバル調査責任者グレッグ・チポラロ氏は、6月から8月初旬を法案の本会議通過に向けた「機能的な窓」と表現し、その後は中間選挙キャンペーンが事実上の閉鎖期間に入ると指摘しています。

この期間を逃した場合、次の現実的な通過ルートは中間選挙後のレイムダック会期(次の議会が始まるまでの残り任期での会期)に限られると説明しています。

ただし、実現には共和党が上院多数派を維持したうえで、ジョン・スーン上院多数党院内総務がCLARITY法案を政府資金繰り関連法案より優先して審議日程に組み込む必要があるとみられています。

15対9で委員会可決も「本会議60票」の壁が残る

民主党賛成2人は条件付き、本会議は確約せず

上院銀行委員会の採決では、共和党13人全員に民主党のルベン・ガレゴ上院議員(アリゾナ州選出)とアンジェラ・アルソブルックス上院議員(メリーランド州選出)が加わり、15対9で可決されました。

ただし、アルソブルックス議員は採決時に「本日の私の票は、誠実に交渉を続けるための票である。本会議でCLARITY法案の通過に賛成することを意味しない」と述べており、今回の賛成は本会議での支持を確約するものではないとの立場を明確にしました。

ガレゴ議員も倫理規定の強化、農業委員会との調整、法執行機関の懸念解消の3点を本会議での賛成条件として挙げており、法案成立へ向けては民主党側との追加協議が続く見通しです。

共和党は上院で53議席を保有しているものの、本会議で必要となる60票には届かず、法案成立には最低7人の民主党議員の協力を取り付ける必要があります。

倫理規定をめぐる協議、保有と利益享受が論点

60票の確保に向けて最も難航しているのが倫理規定の扱いで、現行条文では議員・行政高官による在任中のデジタル商品発行を禁じる規定は盛り込まれているものの、民主党側は保有や利益享受まで規制対象に広げるよう求めています。

これに対しホワイトハウスのデジタル資産担当顧問パトリック・ウィット氏は5月6日のConsensus Miami 2026で「大統領から議会インターンまでを対象とする普遍的な禁止には応じるが、特定の人物・家族・職位を狙い撃ちする条文は受け入れない」との交渉方針を示しました。

両者の主張を踏まえ、新規ポジションでの利益取得は禁じる一方、既存保有資産の売却までは求めない将来志向の規定を軸に協議が進められています。

利回り規定で銀行業界が反発、共和党票に影響も

ステーブルコインの利回り規定をめぐっては、トム・ティリス上院議員とアルソブルックス上院議員が5月初旬に最終文書を公表しており、受動的利回りは禁止する一方で取引活動連動型のリワードは認める内容で両議員が合意しました。

ただしこの合意に対し、米国銀行協会(ABA)など銀行業界6団体は活動連動型リワードの除外規定撤廃を求めており、預金流出への懸念を理由に共和党議員への働きかけを強めました。

共和党は53議席全員の賛成を維持する必要があり、地方銀行と関係の深い1〜2人が離反するだけでも本会議の票読みは大きく揺らぐ可能性が指摘されています。

7月4日成立を目標、年金基金など参入の道筋

下院はCLARITY法案を2025年7月17日に294対134の超党派賛成で通過させており、上院での通過後は両院案の調整を経て大統領署名へと進む段取りとなります。

ホワイトハウスは7月4日(米独立記念日)までの成立を目標としているものの、NYDIGはこの日程を願望的な水準とみており「6月の上院本会議審議入りと6月1日までの銀行・農業両委員会案の統合完了が現実的なスケジュール」と指摘しています。

法案が成立すれば、年金基金や銀行信託部門など、現行枠組みでは仮想通貨(暗号資産)への参入が難しかった機関投資家の資金流入が見込まれます。

銀行によるデジタル資産の直接保有や仮想通貨担保融資、DeFi(分散型金融)プロトコル参加も制度上認められる方向となっており、従来は慎重姿勢を取ってきた金融機関の参入拡大につながるとの見方が広がっています。

クラリティ法案、夏前の数週間が節目に

CLARITY法案をめぐっては、倫理規定の修正協議に加え、ステーブルコイン利回り規定など複数の未解決論点が残されており、NYDIGは今後数週間が重要局面になると指摘しています。

加えて、ステーブルコイン利回り規定をめぐる銀行業界のロビー活動も強まっており、共和党内での足並みに影響を与える可能性も意識されています。

米上院の2026年議事日程では7月下旬から8月にかけて閉会期間が予定されており、その後は中間選挙キャンペーンが本格化します。

市場では、夏前の進展が米国の仮想通貨規制の方向性だけでなく、今後の資金流入環境にも影響を与える可能性があるとして、審議動向への関心が高まっています。

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Source:NYDIGレポート
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:仮想通貨ニュース最新一覧【毎日更新】 - 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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