
この記事の要点
- 米上院銀行委員会でCLARITY法案の修正案100件超が提出
- CBDC禁止やステーブルコイン規制強化で業界対立が激化
米CLARITY法案、100超の修正案で攻防激化
2026年5月13日、米上院銀行委員会で14日に予定されている仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」のマークアップ(修正審議)を前に、議員から100件を超える修正案が提出されたことが明らかになりました。
The Blockの報道によると、提出された修正案には、制裁権限の強化・中央銀行デジタル通貨(CBDC)の禁止・ステーブルコイン報酬規定の文言変更などが盛り込まれており、銀行業界と仮想通貨業界の対立構図が改めて鮮明となっています。
マークアップは米国東部時間の5月14日午前10時30分(日本時間:5月14日 23時30分)、ワシントンD.C.のダークセン上院事務所ビル538号室で開催される予定で、可決されれば上院本会議での採決へと進む見通しです。
最大の争点となっているのはステーブルコインの利回り規定で、銀行業界が預金流出への警戒から規制強化を求める一方、仮想通貨業界は活動連動型報酬の容認を主張しており、両陣営の利害対立が強まっています。
「309頁修正版」公開
ステーブルコイン・CBDC・DeFiで修正案集中
リード・スミス両議員が銀行寄り文言を要求
報道によれば、民主党のジャック・リード上院議員(ロードアイランド州選出)とティナ・スミス上院議員(ミネソタ州選出)は、ステーブルコイン報酬規定の厳格化につながる文言修正案を共同提出しました。
修正案では、ステーブルコイン報酬を銀行預金に近い扱いへ寄せる方向で文言変更が提案されており、「利付き銀行預金への利息または利回り支払いに経済的・機能的に同等」とする現行案を、「銀行機関が利息または利回りを支払う方法と実質的に類似」へ置き換える内容となっています。
この文言は銀行業界が共同書簡で求めていた表現とほぼ一致しており、米Punchbowlの記者ブレンダン・ペダーセン氏によれば、今回の採決は各議員に銀行業界と仮想通貨業界のどちらを支持するのか明確な立場表明を迫る形になっています。
News: Sens. Reed (D-R.I.) and Smith (D-Minn.) have filed an amendment ahead of Thursdays markup that will force senators to choose between crypto and the banks
The amendment would incorporate bank’s changes to stablecoin yield restrictions. Tough tough vote for bank-friendly Rs pic.twitter.com/ldxJRmfnQT
— Brendan Pedersen (@BrendanPedersen) May 13, 2026
速報:ジャック・リード氏(民主・ロードアイランド州)とティナ・スミス氏(民主・ミネソタ州)は、木曜日に予定されているマークアップを前に、上院議員らに「仮想通貨業界を取るか、銀行業界を取るか」の選択を迫る修正案を提出した。
この修正案には、銀行業界が求めていたステーブルコインの利回り制限に関する変更が盛り込まれている。銀行寄りの姿勢を取る共和党議員にとっては、厳しい判断を迫られる採決となりそうだ。
また、リード議員は単独でも合計20件近くを提出してるといいます。
これには、非保管型開発者を送金業者として規制しないことを明確化したBRCA(ブロックチェーン規制確実性法)条項を法案から削除する案や、仮想通貨を法定通貨として使用することを禁じる案も含まれていると報じられています。
CBDC禁止・NCET再設置・FRB権限に集中
共和党のビル・ハガティ上院議員(テネシー州選出)は、FRB(米連邦準備制度理事会)によるCBDCの発行を禁止する修正案を提出したと伝えられています。
CBDC禁止は一部共和党議員にとって優先課題となっており、ハガティ議員もこれまで継続的に関連法案を主導してきました。
同氏は2024年にも単独のCBDC禁止法案を提出しています。
FRBは議会の明確な承認なしにCBDCを発行しないとの方針を示していますが、下院版法案で禁止規定が盛り込まれなかったことは、これまでの審議停滞の一因とも指摘されてきました。
一方、民主党のアンディ・キム上院議員(ニュージャージー州選出)は、2025年に解散した司法省のNCET(国家暗号資産執行チーム)の再設置を求める修正案を提出したことが明らかになっています。
NCETは、仮想通貨関連犯罪への対応を目的として設置されていた専門チームで、「Tornado Cash」をめぐる事件やMango Marketsの不正流出事件などを担当してきました。
銀行委員会の民主党筆頭エリザベス・ウォーレン上院議員は、単独で40件を超える修正案を提出したとされます。
そのうちの1件には、デジタル資産業務に関与する一部の無保険預金機関に対し、FRBがマスターアカウントを発行することを禁じる内容が含まれています。
DeFi新条項、開発者保護の維持で対立
DeFi(分散型金融)分野では、民主党のマーク・ワーナー上院議員(バージニア州選出)が「分散型金融における責任あるイノベーション」と題する新条項の追加を求める修正案を提出したことも報じられています。
同修正案では、実態として中央集権的に運営されているサービスに対する証券法の適用基準を、財務省が策定するよう求めています。
リード議員によるBRCA削除案と合わせ、DeFi業界が重視してきた開発者保護規定を維持するかどうかが、マークアップ審議での主要論点の一つとなっています。
全銀行CEOに「緊急動員」
本会議審議へ、農業委員会版との調整控える
銀行委員会で法案が可決された場合、次の審議段階では上院農業委員会を通過済みの類似法案との調整が進められる見通しです。
本会議通過には60票が必要となるため、民主党議員からも相当数の賛成を確保できるかが焦点となっています。
ホワイトハウスは2026年7月4日の独立記念日を最終署名の目標に設定しており、5月14日のマークアップで倫理規定とステーブルコイン報酬規定をめぐる議論がどこまで進むかに関心が集まっています。
Source:The Block報道 / 上院銀行委員会公式
サムネイル:AIによる生成画像



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