
この記事の要点
- 2026年4月28日、Bitcoin 2026で業界リーダーが現状を議論
- 機関投資家の99%が運用制約によりBTCやETFにアクセス不可
- カストディ未整備や規制不透明性が参入の主要障壁と指摘
- ETF発行など参入経路拡大も制度課題が市場拡大を制限
「機関の99%がBTC参入不能」業界リーダーが指摘
2026年4月28日、米国で開催されたBitcoin 2026カンファレンスのナカモトステージで、業界リーダーらが機関投資家によるビットコイン(BTC)参入の現状と課題を論じました。
Bitcoin Magazineの報道によると、パネルでは、機関投資家の99%が運用方針の制限によりビットコインおよびビットコインETFにアクセスできない実態が示されました。
こうした制約の背景には、カストディ体制の未整備や規制の不透明性といった制度的要因があり、これらの解消が進まない限り、機関投資家による本格的な資金流入は限定的にとどまるとの見方が示されています。
登壇したナカモト社のデイヴィッド・ベイリーCEO、キャピタルBのアレクサンドル・レイゼ氏、メタプラネットのディラン・ルクレア氏らも、同様の制約が市場拡大のボトルネックとなっている点で認識を共有しました。
さらに議論では、競合関係にある企業同士が戦略を共有するビットコイン業界特有の協調構造にも触れられ、この文化が制度整備の遅れを補完しつつ、機関投資家向け普及を下支えしていると指摘されています。
「半年以内に市場に大きな波」
ビットコイン業界の協調文化と、機関参入を阻む壁
競合企業同士が戦略を共有する業界文化
報道によれば、ベイリー氏はビットコインを「分散型の組織体に近い存在」と表現し、競合他社の企業価値が上がるほど市場全体の評価も高まるとの考えを示しました。
同氏はUTXO Managementがキャピタルとメタプラネットの双方に出資している例を挙げ、投資家と協力者の境界が曖昧になる構造が生まれていると説明しています。
ルクレア氏もこの見解に同調し、参加者が互いに戦略を公開し成果を共有するという点で、ビットコイン業界はほぼすべての他産業と異なると述べました。
レイゼ氏は登壇の冒頭で共同パネリストを「コーポレート普及を推進するうえでの刺激だった」と評価しており、このような発言は他の業界カンファレンスではほとんど見られないと報じられています。
「まだ初期段階」機関99%にアクセス制限
こうした協調的な文化がある一方で、ルクレア氏は「現時点ではビットコインはまだ初期段階にある」と明言し、楽観論だけで現状を語ることを戒めました。
報道によると、同氏が示したデータでは、機関投資家の99%が運用方針上の制約により固定利付資産や特定資産クラスに限定され、ビットコインへのアクセスが事実上制限されています。
ルクレア氏は「この制約の存在こそがビットコインが依然、初期段階にある根拠だ」と述べ、カストディ・規制準拠商品・規制の明確化が普及の中心課題であると強調しました。
そのうえでルクレア氏は「超ビットコイン化」を一回限りの突破点ではなく、機関向け基盤が段階的に積み上がる長期プロセスとして位置付けています。
同氏は、ストラテジー(旧マイクロストラテジー)共同創設者のマイケル・セイラー氏が伝統的金融機関向けにその基盤整備を始めた功績を評価しつつ、極端な価格上昇を期待しながら機関投資家の参入を拒む矛盾も指摘しました。
欧州で広がるBTC参入、ETPと構造型商品
こうした制度的制約に対し、レイゼ氏はキャピタルBのアプローチとして「機関投資家の現在地に寄り添う設計」を紹介しました。
報道によれば、同氏はブラックロックのビットコインETPや欧州機関投資家の増加を事例に挙げ、規制準拠チャネルを通じたエクスポージャー取得が現実に始まっていると説明しています。
価格変動リスクを直接許容できない機関向けには、デジタルクレジット商品という代替経路があるとレイゼ氏は述べ、価格リスクを切り離した構造型商品を提示しました。
こうした欧州での動きがある一方で、ベイリー氏はバランスシートにビットコインを保有する企業が世界全体でも数百社にとどまると指摘し、ストラテジー社が先例となっている段階にあるとの認識を示しました。
同氏は「すべての経済主体が最終的にビットコインに関与することになる」と述べ、一部の参加者を排除する視点はビットコインの本質的な性質と相容れないと指摘しています。
機関投資家に突きつける15年データ
MSBT発行で動き出した機関参入の長期プロセス
こうした動きが進む一方で、今回のパネルが示した「99%の機関がアクセスできない」という現実は、ETF(上場投資信託)の上場だけでは解消できない制度的な壁が依然として残っていることを示しています。
一方で、米国ではモルガン・スタンレーが2026年3月に銀行として初めてビットコイン現物ETF「MSBT」の直接発行に乗り出すなど、機関向けの参入経路は着実に広がっています。
昨年5月のBitcoin 2025カンファレンスでも機関投資家の参入加速が主要テーマとして取り上げられており、それから1年でMSBTの発行準備を含むインフラ整備は進展しています。
ルクレア氏が描いた「段階的に積み上がる長期プロセス」は、米銀の参入という具体的な動きとして現れ始めています。
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Source:Bitcoin Magazine報道
サムネイル:AIによる生成画像






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