
米OCC、リップル社らに米連邦信託銀行の設立を承認
米通貨監督庁(OCC)は2025年12月12日に、ブロックチェーン関連企業のRipple(リップル)やCircle(サークル)を含む暗号資産関連企業5社に対し、連邦政府の規制下にある「米連邦信託銀行(National Trust Bank)」の設立を条件付きで承認したことを発表しました。
今回の発表によると、OCCは「Ripple National Trust Bank」およびCircleの「First National Digital Currency Bank」の設立申請を条件付きで認可しました。これにより、これらの企業は米国の連邦銀行法に基づき、正式な金融機関として業務を行うための重要な第一歩を踏み出したことになります。
OCCのジョナサン・V・グールド通貨監督官は声明の中で、「連邦銀行セクターへの新規参入は、消費者、銀行業界、そして経済にとって有益である」と述べ、デジタル資産企業を既存の金融システムに統合していく姿勢を強調しました。
また、リップル社のCEOであるブラッド・ガーリングハウス氏は、今回の承認獲得について「これは大きな前進であり、特にRLUSDにとって重要な意味を持つ」とコメントしています。
HUGE news! @Ripple just received conditional approval from the @USOCC to charter Ripple National Trust Bank. This is a massive step forward – first for $RLUSD, setting the highest standard for stablecoin compliance with both federal (OCC) & state (NYDFS) oversight.
To the…
— Brad Garlinghouse (@bgarlinghouse) December 12, 2025
特大ニュースです! Ripple(リップル)が、米国通貨監督庁(USOCC)からリップル・ナショナル・トラスト銀行の設立に対する条件付き承認を得ました。これは、巨大な前進です。特に $RLUSD にとって初めて、連邦(OCC)と州(NYDFS)の両方の監督下で、ステーブルコインのコンプライアンスに関する最高水準を設定することになります。
銀行ロビイストたちへ――あなた方の競争を阻害する戦術は明らかです。あなた方は暗号資産業界が同じルールでプレイしていないと不満を述べてきましたが、今、暗号資産業界はOCCの直接的な監督と基準の下に入り、消費者の利益のためにコンプライアンス、信頼、そしてイノベーションを優先しています。あなた方は一体何を恐れているのでしょうか?
米連邦信託銀行とは?RLUSDへの影響
今回承認された米連邦信託銀行の設立許可は、企業が連邦レベルで認可された銀行として機能することを可能にします。ただし、これらは「信託銀行」としての限定的な免許であり、預金の受け入れや融資といった従来の商業銀行業務を行うことはできません。主に機関投資家向けの資産管理(カストディ)、決済、および信託業務に焦点を当てたものとなります。
リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOが強調するように、この承認はリップル社のステーブルコインである「RLUSD」の展開において極めて重要な意味を持ちます。すでにニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の監督下にあるRLUSDが、さらにOCCという連邦規制当局の監視下にも置かれることで、規制遵守の面で他社との差別化を図り、機関投資家からの信頼を強固にする狙いがあります。
今回、OCCから条件付き承認、または州法銀行からの転換承認を受けた主な企業は以下の通りです。
- Ripple(リップル):Ripple National Trust Bankの設立
- Circle(サークル):First National Digital Currency Bankの設立
- Paxos(パクソス):州法信託会社から国立信託銀行への転換
- BitGo(ビットゴー):州法信託会社から国立信託銀行への転換
- Fidelity Digital Assets(フィデリティ):州法信託会社から国立信託銀行への転換
仮想通貨業界の「脱銀行」問題解消と今後の展望
今回のOCCによる一括承認は、長らく仮想通貨業界を悩ませてきた「Debanking(銀行取引停止・拒否)」問題に対する大きな転換点となると見られています。2025年7月に制定された「GENIUS法(安定コインおよびデジタル資産の規制明確化に関する法律)」以降、米国ではデジタル資産企業の銀行システムへの統合が進んでおり、今回の措置もその流れを決定づけるものです。
リップル社が連邦認可の銀行を持つことは、仮想通貨XRPのエコシステムにとっても、クロスボーダー決済インフラとしての信頼性を高める要因となります。ただし、承認はあくまで「条件付き」であり、最終的な開業許可を得るためには、OCCが定める厳格なコンプライアンス要件や資本要件を完全に満たす必要があります。
BitGoやAnchorage Digitalなど、先行する企業に続き、業界の主要プレイヤーがこぞって連邦銀行の地位を獲得しようとする動きは、2026年に向けて米国の金融インフラが「Web3対応」へと本格的にシフトしていくことを示唆しています。
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source:米通貨監督庁(OCC)
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