Ripple、デジタル資産の「ワンストップインフラ」構築へ|2025年の大型買収と新戦略

デジタル資産インフラの「ワンストップショップ」へ

リップル(Ripple)社は2025年12月5日に、デジタル資産インフラの「ワンストップショップ」を構築するという包括的な戦略を発表しました。

同社はこれまでの決済ソリューション企業という枠を超え、企業や金融機関があらゆるデジタル資産サービスを一箇所で利用できる統合プラットフォームへの進化を明確に打ち出しています。

発表によると、2025年はRippleにとって“最も野心的な年”であったとのことで、同社のエコシステムへの投資額は累計で約40億ドル(約6,170億円)に達していると報告されています。

特に注目すべきは、この1年間で実施された主要な買収であり、これらは全て「情報が移動するように価値を移動させる」という同社のミッションを具現化するための戦略的布石であるとされています。

Rippleは今回の新戦略により、ブロックチェーン技術の複雑さを抽象化し、顧客がインフラの裏側を意識することなく、リアルタイム決済、カストディ(資産保管)、流動性管理といったメリットを享受できる環境を提供するとしています。

4つの主要な買収。1つの目標:

GTreasury、Rail、Palisade、Ripple Primeとの協力を通じて、当社はカストディ(管理)、流動性、財務管理、決済、リアルタイム決済を一つの統合されたプラットフォームで提供する、デジタル資産インフラストラクチャの「ワンストップショップ」を構築しています。

私たちは、「価値のインターネット(Internet of Value)」を機能させるインフラストラクチャを構築しています。

買収企業の役割とRLUSD・XRPの統合

今回の戦略の中核を成すのは、GTreasury、Rail、Palisade、Ripple Prime(旧Hidden Road)という主要な買収・統合です。これらはそれぞれ、企業の財務管理システム、決済ネットワーク、ウォレット技術、機関投資家向けの流動性提供という異なるレイヤーを強化します。

  • GTreasury
    財務管理プラットフォーム大手。この買収により、企業は既存の財務システムから直接Rippleのネットワークにアクセスし、アイドル資金の運用やリアルタイム送金が可能になる。
  • Rail
    仮想口座とステーブルコイン決済ネットワークを提供し、企業の資金移動を効率化する。
  • Palisade
    Wallet-as-a-Service技術により、高度なセキュリティ基準を満たしたカストディ機能を提供する。
  • Ripple Prime
    機関投資家向けに、プライムブローカレッジ、執行サービス、深い流動性へのアクセスを提供する。

これらのインフラ全体を支えるのが、同社の米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」と、ネイティブトークンである「XRP」です。これらはすべてのサービスに統合されており、従来の金融ワークフローの効率化と、国境を越えた即時決済を実現するための重要な流動性供給源として機能します。

企業財務の未来:ブロックチェーン採用の障壁撤廃

Rippleが掲げる「ワンストップショップ」構想の最大の狙いは、企業によるデジタル資産採用の障壁を完全に取り払うことにあります。

これまで企業が暗号資産やWeb3技術を導入するには、ウォレットの管理、秘密鍵の保管、複数のプロバイダーとの契約といった複雑な運用課題を解決する必要がありました。

しかし、GTreasuryのような既存の財務プラットフォームとRippleのインフラが統合されることで、企業の財務担当者は「クリプト」を意識することなく、24時間365日稼働するリアルタイム決済や流動性管理の恩恵を受けられるようになります。

これは、インターネット黎明期にTCP/IPプロトコルを意識せずに電子メールが普及したように、ブロックチェーン技術が金融のバックエンドとして「不可視化」され、一般化する未来を示唆しています。

また、規制順守に基づいたグローバル展開もこの戦略を後押ししているため、2026年は企業財務のデジタル化が加速すると期待されています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=154.42円)

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source:Ripple公式発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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