
ブラジル、2026年から仮想通貨外為ルール施行
ブラジル中央銀行は2025年11月11日、仮想通貨サービス提供会社(SPSAV)に関する新たな規制枠組みを発表しました。
この枠組みでは、ステーブルコインなどの仮想通貨を用いた国際送金や支払いを「外国為替取引」の一部として扱う方針を定め、資金移動や国際決済の透明性を確保することを目的としています。
発表によると、新制度では、仮想通貨市場で活動する取引所や仲介業者を対象とし、銀行と同等の監督基準が適用されます。これには、AML(マネーロンダリング防止)やテロ資金供与対策、ガバナンス、内部統制、顧客情報の管理などが含まれます。
また、SPSAV制度の下で認可を受けた企業は「仲介業者」「カストディ業者」「取引業者」に分類され、それぞれの業務内容が明確に定義されます。
中央銀行は、これらの規制を通じて仮想通貨の越境利用を正規の金融システム内で管理し、従来の外国為替市場との整合性を図るとしています。
関連する新ルールは2026年2月2日に施行され、同年5月4日以降は仮想通貨による国際取引の情報報告が義務化される予定です。中央銀行は声明で「法的明確性と市場の信頼性を高め、仮想通貨分野の健全な発展を支援する」と強調しました。
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ステーブルコインを外為扱いへ、ブラジル中銀が規制強化
国際送金におけるステーブルコイン使用を管理
ブラジル中央銀行が公表した3つの決議(Resoluções BCB nº519・520・521)は、仮想通貨の利用実態に即した包括的な監督制度を確立する内容です。
これらの決議では、ステーブルコインを用いた国際送金や決済を外国為替市場での取引とみなすことが定められ、仮想通貨を使った支払い・送金・両替といった行為も従来の外貨取引と同様の規制下に置かれることになります。
同決議では、以下のような活動が外為取引として扱われます。
- 仮想通貨による国際的な支払い
- 送金・国際カード決済などに関連する仮想通貨の移転
- 自己管理型ウォレットとの間での送受信(出所・宛先確認が義務)
- 法定通貨に裏付けられた仮想通貨の売買や交換
SPSAV制度で仮想通貨事業者を正式認可へ
認可を受けたSPSAVは、外為市場における仮想通貨サービスの提供が可能となります。
これらの事業者は、現金(ブラジルレアルや外国通貨)を扱うことは禁止され、非認可の取引相手との国際送金は10万ドル(約1,500万円)までに制限されます。
中央銀行は、これらの措置によって外為統計や国民経済計算の信頼性を確保しつつ、規制回避の防止と国際資本取引の安全性向上を図ると説明しています。
ブラジルではすでにステーブルコインが仮想通貨取引の約90%を占めるとの調査結果があり、同国がデジタル資産を実質的に「通貨」として制度化する動きとして注目されています。
今回の法制度は2026年2月に施行され、段階的に義務報告が始まる予定であり、ブラジル金融当局が仮想通貨市場を正式に監督下に置く初の包括的枠組みとなります。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=154.34 円)
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Source:ブラジル中央銀行発表
サムネイル:AIによる生成画像




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