
XRPLがEVMに対応
米リップル(Ripple)社は、分散型レイヤー1ブロックチェーン「XRPレジャー(XRP Ledger:XRPL)」のEVM(イーサリアムバーチャルマシン)対応サイドチェーンが、今年第2四半期中にメインネットでローンチされると発表した。リップル社のCTOであるデイビッド・シュワルツ(David Schwartz)氏とプロダクトマネージャーのジャージ・クーパー(Jaazi Cooper)氏が、シンガポールで開催されたカンファレンス「APEX2025」にて6月11日に明らかにした。
今回発表されたサイドチェーンは、「XRPL」のスケーラビリティおよび機能拡張を目的としたもので、EVMと互換性を持つ点が最大の特徴だ。これにより、イーサリアムの開発言語であるソリディティ(Solidity)で構築されたスマートコントラクトや、メタマスク(MetaMask)などのツールを活用した分散型アプリケーション(dApps)の展開が、「XRPL」上で可能になる。
「XRPL」はこれまで、高速・低コスト・高信頼性の決済ネットワークとして知られてきたが、今回のEVM互換サイドチェーン導入により、DeFi(分散型金融)やNFT、ゲームなど幅広いユースケースに対応可能となる。
新たなサイドチェーンは、コスモスSDK(Cosmos SDK)を基盤に構築されており、コンセンサスメカニズムにはPoA(Proof of Authority)を採用。トランザクション処理速度は最大1秒間に1,000件(TPS)、手数料は0.01ドル未満を目標としている。
なお、テストネットは今年初頭から稼働しており、バーテックス・プロトコル(Vertex Protocol)やセキュアド・ラボ(Secured Labs)などを含む87以上のプロジェクトが参加している。
登録アドレスは250万を超え、日次トランザクション数は30万件以上に達するなど、エコシステムは順調に拡大を続けているという。
シュワルツ氏によれば、「XRPL」はこれまでに33億件以上の取引を処理しており、世界中に600万以上のアクティブウォレットが存在する。台帳は800以上のノードによって分散管理されており、大学、企業、個人、取引所など180以上の独立したバリデータによって支えられているとのことだ。
さらに「XRPL」は今後も進化を続ける見込みで、リップル社が2025年に向けて提案している最新のロードマップでは、主に以下の3つの機能強化が掲げられている。
具体的には、コンプライアンス対応の許可制DEX(分散型取引所)、オンチェーンでのローン提供を可能にするネイティブ・レンディング・プロトコル、そしてプログラマビリティの拡張である。
これにより、機関投資家が規制要件を満たしながらオンチェーンで取引や資金調達を行える環境が整備されると同時に、開発者は資産の振る舞いを柔軟に設計できるようになる。パフォーマンスと安全性を維持したまま、金融機関が求める高度な機能を提供するインフラとしての価値が、XRPLにさらに加わることが期待されると、シュワルツ氏は述べている。
画像:PIXTA
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参照元:ニュース – あたらしい経済

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