リップル社、アフリカ全土での仮想通貨決済を実現|チッパーキャッシュ社と提携
Ripple、決済インフラ拡充
米リップル社は2025年3月27日、アフリカ全土での仮想通貨を活用した国際送金網の拡大に向け、同地域の主要決済プロバイダーであるChipper Cash(チッパーキャッシュ)社と新たなパートナーシップを締結したことを発表しました。
今回の提携により、リップル社が提供する仮想通貨XRPを活用した決済ソリューション「Ripple Payments」をチッパーキャッシュ社が自社プラットフォームに統合し、アフリカへのクロスボーダー送金を迅速かつ低コストで実行できるようになります。
チッパーキャッシュ社は2018年に創業したフィンテック企業で、スマートフォンを通じてアフリカ諸国間および海外との送金を低コストかつ迅速に行えるサービスを提供し、急成長を遂げています。同社は現在はアフリカ9カ国に加え、米国・英国でもサービスを展開しており、手数料無料の送金サービスや決済機能で500万人以上の利用者を獲得しています。
この統合により、チッパーキャッシュの利用者は世界中からの送金を24時間365日受け取れるようになると説明されています。
アフリカでも仮想通貨規制改革が進む
アフリカ送金の課題を解決へ
アフリカ地域は世界でも海外送金ニーズが非常に高い市場である一方、従来の送金手数料が特に高額な地域として知られています。
世界銀行の調査によると、200ドルを送金する際の平均手数料は世界全体で約6.8%ですが、サブサハラ・アフリカ地域では平均8.5%と、世界でも特に高い水準にあります。こうした高コストや送金の遅延は、アフリカ諸国にとって大きな課題となっていました。
リップル社中東・アフリカ担当マネージングディレクターのリース・メリック氏は、公式発表の中で「チッパーキャッシュ社との提携は当社のアフリカ事業拡大における重要な節目だ」と述べ、今回の協業によってアフリカ地域に仮想通貨決済ソリューションをもたらす意義を強調しました。
また、チッパーキャッシュ社のハム・セルンジョギCEOも次のようにコメントし、仮想通貨を用いた決済ソリューションによる金融包摂の拡大に期待を示しました。
仮想通貨を活用した支払いは、より多くの人々が金融サービスを利用できるようになり、世界市場へのアクセスを加速させ、アフリカ全土の企業や個人を支援する可能性があります。
Ripple社のグローバル決済ネットワークとの統合を通じて、ブロックチェーン技術の変革的な可能性を活用し、消費者がより迅速かつ低コストで支払いを受け取れるようになることを楽しみにしています。
リップル社、中東・アフリカでの事業拡大へ
リップル社は2022年11月、アフリカ大手送金企業MFS Africaとの提携を発表しており、今回の協業は同地域での事業拡大路線をさらに推進する動きです。
さらに、中東では2020年にUAEドバイに地域本部を設立し、2025年3月にはDFSAから仮想通貨事業ライセンスを取得しました。このライセンスによりUAE国内で規制に準拠した仮想通貨送金サービスの提供が可能となっています。
同社の国際送金ネットワークは既に90以上の国と地域をカバーし、累計送金額は700億ドル(約10兆円)を超えています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=150.82円)
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Souce:Ripple公式発表
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:AIによる生成画像