140億円規模のETH売却?「イーサリアム財団による巨額送金」の真相と影響
2024年8月23日深夜、仮想通貨市場において注目すべき出来事が見られました。イーサリアム(ETH)の中核を担うイーサリアム財団が、約35,000 ETH(約140億円相当)をアメリカの仮想通貨取引所クラーケンに送金しました。この動きは、仮想通貨コミュニティに波紋を広げています。
通常、このような大規模な取引所への入金は、売却目的と見なされることが多いです。しかし、今回の送金の真の目的については、さまざまな憶測が飛び交いました。イーサリアム財団による資金運用の透明性が不十分だという指摘もある中、財団側からの説明が待たれる状況となりました。
翌24日、イーサリアム財団のエグゼクティブ・ディレクターである宮口あや氏が、SNS上で声明を発表しました。宮口氏は次のように説明しました。
This is part of our treasury management activities. EF has a budget of ~$100m per year, which is largely made up of grants and salaries, and some of the recipients are only able to accept in fiat. This year, there was a long period of time when we were advised not to do any…
— Aya Miyaguchi (ayamiya.eth) (@AyaMiyagotchi) August 24, 2024
これは財務管理活動の一環です。EF(イーサリアム財団)の予算は年間1億ドルに達することもあり、その大部分は助成金と給与に充てられています。
助成先の中には法定通貨でしか受け取れないところもあります。今年は、規制の複雑さからトレジャリー活動を行わないように勧告された期間が長く、事前に計画を共有することができませんでした。
また、今回の取引は売却ではありません。今後、計画的かつ段階的な売却が行われる予定です。
興味深いのは、助成先の中には法定通貨でしか資金を受け取れないところもあるという点です。また、宮口氏は規制の複雑さから、今年はトレジャリー活動を控えるよう助言を受けていたため、事前に計画を共有できなかったと説明しています。
さらに、宮口氏は今回の取引が即座の売却ではないことを強調しました。今後、計画的かつ段階的な売却が行われる予定とのことです。これは、市場への影響を最小限に抑えるための慎重な姿勢と言えるでしょう。
実は、イーサリアム財団が大量のETHをクラーケンに送金したのは今回が初めてではありません。2024年2月末にも同様の動きがあり、その際は約4,000 ETH(20億円相当)が売却されたと推測されています。
今回の送金元となったウォレット(0xde0B295669a9FD93d5F28D9Ec85E40f4cb697BAe)には、まだ273,776 ETH(約1,085億円相当)が残っています。また、財団が管理する別のウォレット(0x85Ad8bdF4A7b81CB647B90250B5b2f83cf23EfE4)には33,006 ETHが保管されており、これらの資金も今後の運営費用などに充てられる可能性があります。
この一連の出来事は、仮想通貨プロジェクトの資金管理の難しさを浮き彫りにしています。法定通貨と仮想通貨の狭間で、いかに効率的かつ透明性のある運営を行うかが課題となっています。
イーサリアム財団の動向は、ETHの価格や市場全体に影響を与える可能性があるため、投資家たちは今後の展開を注視しています。同時に、この出来事は仮想通貨プロジェクトの財務管理の在り方について、業界全体で議論を深める契機となるかもしれません。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=144.14円)
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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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