日本発のNFTアーティスト5選|人気のNFT作品も紹介
村上隆
Twitter:https://twitter.com/takashipom
参入時期:2021年3月29日
代表作品:Murakami.Flowers Official
村上隆氏は世界をまたにかけて活躍する、日本を代表する現代アーティストです。
アーティスト活動に加え、博物館や美術館の管理責任を担うキュレーター、アートコレクター、映画監督、経営者など様々な顔を持ち合わせています。
1991年に個展「TAKASHI, TAMIYA」を開催し、現代美術家としてデビュー。アニメやマンガなど、日本のオタクカルチャーへの造詣が深く、フィギュアを題材にした作品を多く輩出しました。ルイ・ヴィトンなど世界的ブランドとのコラボレーションを実施し、国際的な評価と知名度を築き上げます。
村上氏は2021年3月に、自身初のNFTコレクション「108 Earthly Temptations」の発表。NFT参入の理由として「(NFTは)リアルワールドとヴァーチャルワールドをつなぐ架け橋となる重要な要素と捉えている。現代アートは直接的にNFTの影響を受ける存在となるだろう」と語ります。
その後、「Murakami.Flowers Official」、RTFKT(アーティファクト)とのコラボNFT「CLONE X」と、人気のNFTコレクションをリリースしています。
せきぐちあいみ
Twitter:https://twitter.com/sekiguchiaimi
参入時期:2021年3月23日
代表作品:Alternate dimension 幻想絢爛
せきぐちあいみ氏はVR空間に立体的なアートを描くVRアーティスト、ライブペインターとして活動中のクリエイターです。
「人を喜ばせて生きていきたい」という想いを胸に、高校卒業後から「関口愛実」の名義で芸能界デビュー。以降、アイドル、YouTuber、レポーターなど様々なキャリアを築きました。その後、2016年に自身の転機となるVRアートと出会います。ペイントツールを用いてヴァーチャル空間に立体的なアートを描くパフォーマンスで、国内外から注目を集めました。
2020年、新型コロナウイルスによる行動規制によって自身のイベントがキャンセルになる中、仮想空間上でアクセスできる美術館を、メタバース上に建設するプロジェクトを開始。翌2021年には、制作したNFTアートが1,300万円で落札されたことで大きな話題となりました。
海外では当時から数億円規模のNFTアート市場が形成されており、そのニュースを見たせきぐち氏はすぐさま情報収集を開始し、約2日で作品の制作に取り掛かったようです。
今後はメタバースとNFTを取り入れた新プロジェクトを企画するなど、さらなる世界観の拡大に挑戦中です。
さいとうなおき
Twitter:https://twitter.com/_NaokiSaito
参入時期:2021年10月16日
代表作品:K-chan “N” <GESTURES #1>
さいとうなおき氏は、フリーランスで活動するイラストレーターです。人気トレーディングカードのイラストを担当し、絶大な人気を誇ります。
多摩美術大学に入学後、在学中にカードゲーム「デュエル・マスターズ」のイラストを請け負うところからイラストレーターとしてのキャリアを始めました。
大学卒業後はコナミデジタルエンタテイメントへ入社。1年ほどの就業を経て、フリーランスのイラストレーターとしてデビューを果たします。以降は、マンガの着彩や執筆、ポケットモンスターのキャラクターデザインなど幅広く作品を手掛けるようになりました。
また、2019年10月には自身のYouTubeチャンネルを開設し、イラストレーター向けの情報を発信することで、人気を博しています。
NFTへの参入は2021年10月です。「NFTは作品が取引された際、出品者に対してロイヤリティが支払われる」というメリットを活かすことで収入源を増やし、アーティストが正当に扱われていない問題の解決手段になるとして、自身がNFTの販売に挑戦します。
さいとう氏の代表作NFTとなる「K-chan “N” <GESTURES #1>」はオークションにて約600万円で落札され話題になりました。
草野絵美
Twitter:https://twitter.com/neokosodate
参入時期:2022年4月14日
代表作品:新星ギャルバース
歌謡エレクトロユニット「Satellite Young」の主宰をつとめ、ボーカル、作詞作曲を担当する草野絵美氏。音楽活動に加えて、経営者、大学非常勤講師などさまざまな顔を持ち合わせています。
草野氏は高校時代にフォトグラファー、ライターとして活動を始めたことから、クリエイターとしてのキャリアをスタートさせます。大学在学中にITベンチャーを起業し、音楽活動も開始しました。以降、Satellite Youngとしての活動に加えて、Emi Satellite名義でソロ楽曲のリリースも果たします。
NFTへの取り組みは2021年3月に始まります。ソロ楽曲「IPO」発表と同時に、自身初となるNFT作品「Love Is an IPO」を出展します。NFTには特典として限定のリミックス音源が付与されました。
同年8月、草野氏の長男が夏休みの自由研究としてNFTコレクション「Zombie Zoo」の販売を開始。多くの著名人が購入した上に、1作品240万円の価格が付いたことで話題を集めます。
また2022年4月には、大平彩華氏とタッグを組み、NFTコレクション「新星ギャルバース」をリリース。OpenSeaランキングで世界1位を獲得するに至りました。
おにぎりまん
Twitter:https://twitter.com/onigiriman1998
参入時期:2021年3月2日
代表作品:Returning to the origin
おにぎりまん氏は東京在住の男性イラストレーターです。素顔は公開せず、TwitterとInstagramで継続的な発信活動を行っています。
「自分の好きな女の子を描く」をモットーに作品を制作し、POPな女の子のイラストが特徴的です。
これまでにインフルエンサーのアバター作成や、企業とのコラボ企画にて多くの作品を提供してきました。
NFT活動を始めたきっかけは、Twitter上でNFTに関する情報を得たことでした。その後、2021年3月に自身初のNFT作品「Roller skates;girl」をリリース。当初は2か月ほど買い手がつかず苦戦を強いられます。
同年8月、NFTブームの再燃と同時にNFTクリエイターとしての活動を本格化したところ、人気が爆発。
NFT作品の総取引量が2022年時点で300ETHを突破し、多くのメディアでも特集が組まれるようになりました。
またマーケットプレイス「tofuNFT」にて販売した3000点のNFTコレクションは一晩で完売。個人クリエイターとしては偉業の、売上約4,000万円を達成しました。
日本人NFTアーティストが関わる人気作品
Murakami.Flowers Official
HP:https://murakamiflowers.kaikaikiki.com/
Twitter:https://twitter.com/MFTMKKUS
リリース時期:2022年4月5日
最高価格:100ETH
「Murakami.Flowers Official」は前項で紹介した現代アーティスト、村上隆氏によって生みだされたNFTプロジェクトです。
デザインは村上氏の代表作「お花」を、レトロなテレビゲームを彷彿させるドット絵で再現しました。
仏教上の煩悩の数「108」をキーワードに作品が制作され、108種の背景と108種のイラストを組み合わせ、計11,664枚で構成されています。
2021年3月に前身である「Murakami.Flowers」の発売を予定していましたが、独自コントラクトの有無など、抜本的な改善のため一時中断。約1年後の2022年4月5日から正式に販売が開始されました。
また今後は、Murakami.Flowers Officialを主軸にゲームの開発やリアルイベントの開催を行っていく予定を発表しています。
Zombie Zoo Keeper
HP:https://www.zombiezookeeper.com/
Twitter:https://twitter.com/zombiezooart
リリース時期:2021年8月25日
最高価格:2ETH
2012年生まれの若きNFTクリエイター「Zombie Zoo Keeper」によるNFTアートプロジェクトです。
累計250点以上の作品はiPadを用いて、1点ずつ手作業で制作されています。
当時9歳だったZombie Zoo Keeper氏が、夏休みの自由研究として活動を開始。母親の草野絵美氏の進言によりNFTマーケットプレイスOpenSeaで販売したところ、自由な発想で作られたクリエイティビティが高く評価されました。
またスティーブ・アオキ氏など各界の著名人が作品を購入したことがニュースとなり、連日メディアでも取り上げられます。その後、2021年のForbes JAPANの紙面を飾った100人の日本人を表彰する「Forbes JAPAN 100」にも選出され、一躍話題の人となりました。
これまでに販売した作品は全て完売。総取引量は124ETHを超え、世界的NFTコレクションとして知られるようになりました。
新星ギャルバース(Shinsei Galverse)
HP:https://www.galverse.art/
Twitter:https://twitter.com/galversenft
リリース時期:2022年4月14日
最高価格:6.05ETH
90年代アニメーションを彷彿とさせるデザインが特徴的なNFTコレクション「新星ギャルバース」。
コレクションは全8,888のNFTから構成され、異なるパーツをプログラムで自動的に組み合わせ作品を生成するジェネラティブアートが採用されました。
制作は草野絵美氏と大平彩華氏を中心としたチームで行われます。音楽NFT「Love Is an IPO」や、「Zombie Zoo Keeper」とのNFT制作を経て、これまで培ってきた草野氏の経験を大いに生かす形となりました。
2022年4月14日にリリースされると、瞬く間に完売。販売開始からわずか4時間で総取引高1,000ETHを記録し、OpenSeaの24時間売上ランキング1位を獲得する快挙を成し遂げます。また、リリース前から海外展開を見据えた英語による発信が功を奏し、国内外で高い認知度を獲得しました。
新星ギャルバースはロードマップを公開しており、ホルダーが閲覧できる限定マンガや主題歌の制作、最終目標としてアニメ化を目指します。
MEGAMI_NFT
HP:https://opensea.io/collection/megaminft
Twitter:https://twitter.com/MEGAMINFT
リリース時期:2022年7月16日
最高価格:8ETH
MEGAMIは、イラストレーターさいとうなおき氏がCo-Founderとアートワークを務めたことで話題を呼んだNFTプロジェクトです。
それぞれ制作した複数のパーツを、プログラムで組み合わせるジェレラティブアートを採用。
コレクションは全10,000枚のNFTで構成されています。さいとうなおき氏特有のかわいらしいキャラクターデザインと色づかいはMEGAMIの魅力の1つでしょう。
イラストを重点に置いたMEGAMIは、コレクションのリリース前に全デザインを公開し、購入者が欲しい作品を選んで買える、「ダッチオークション」を採用して販売を行いました。2022年7月16日より行われたオークションは即完売、高い人気を証明することになりました。
作品はそれぞれ「Origin・Origin Alter・Generated」の3種にレアリティが分類されており、Originはさいとうなおき氏による書き下ろしイラスト、Origin Alterはジェネラティブ作品を元にさいとう氏がデザインした作品となっています。
onigiriman’s cute girl Collection
HP:https://www.onigiriman1998.net/
Twitter:https://twitter.com/onigiriman1998
リリース時期:2021年9月10日
最高価格:5.45ETH
イラストレーターおにぎりまん氏による、1作品ごと全て手書きで制作されたイラストコレクションが「onigiriman’s cute girl Collection」です。
「自分の好きな女の子を描く」というおにぎりまん氏の制作にかけるモットーがしっかりと反映された、ポップでキュートな女の子が特徴的です。
2021年9月10日から販売を開始した当コレクションは、2023年4月時点で計377作品をリリース。トータルボリュームは360ETHに到達しました。SNSのアイコンに使いやすいPFP(プロフィールピクチャー)として人気が高く、onigiriman’s cute girl Collectionを自身のアイコンにする人は後を絶ちません。
また、同じクリエイターの作品をアイコンにすることで、SNS上での仲間意識が生まれ独自のファンダムが発生しています。
おにぎりまん氏自身も「NFTを通してコミュニティの帰属意識を高めたい」と語り、onigiriman’s cute girl Collectionは十分に効果を発揮していると言えそうです。
参照元:NFT Media