三菱UFJ信託銀行など42組織「パーミッションレス型ステーブルコイン・ワーキンググループ」を設置
三菱UFJ信託銀行は2022年11月30日に、同社が主催する「デジタルアセット共創コンソーシアム」にパーミッションレス型ステーブルコインの健全な導入・普及を目的としたワーキンググループである「パーミッションレス型ステーブルコイン・ワーキンググループ(WG)」を設置したことを発表しました。
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国産ステーブルコインの導入・普及に向けて
三菱UFJ信託銀行は2022年11月30日に、同社が主催する「デジタルアセット共創コンソーシアム」にパーミッションレス型ステーブルコインの健全な導入・普及を目的としたワーキンググループである「パーミッションレス型ステーブルコイン・ワーキンググループ(WG)」を設置したことを発表しました。
パーミッションレス型ステーブルコイン・ワーキンググループは、金融機関・取引所/PTS・証券会社・暗号資産交換業者・ソフトウェア会社・法律事務所など合計42組織が参加するステーブルコイン関連のワーキンググループであり、グローバル市場でも通用する国産ステーブルコインの導入・普及に向けた取り組みを実施していくことが説明されています。
Web3上の取引における課題
今回の発表では「Web3分野で行われる取引の課題」として以下の5点が挙げられており、暗号資産やNFTの大半はパーミッションレス型ブロックチェーンで発行されているため、これらのニーズを満たすためには「パーミッションレス型ブロックチェーン上で、スマートコントラクトを用いた自動処理が可能で、価格が安定的な、パーミッションレス型ステーブルコイン」の存在が不可欠であると説明されています。
- NFT販売の支払対価として「銀行振込」や「クレジットカード」を前提とすると、NFT発行前にオフチェーンで都度着金確認を行う等の負荷が生じ、また日本以外のグローバルなNFTマーケットプレイスへの出品ができない
- オンチェーンでの自動処理や、グローバルなNFTマーケットプレイスへの出品を目的に暗号資産を用いると、受領対価について価格のボラティリティを抱えることになる
- 海外発行ステーブルコインはリスクオフ資産として幅広く利用されているが、現状は日本国内での取り扱いがないために海外暗号資産取引所へ顧客および資産が流出してしまっている
- 暗号資産交換業におけるカバー取引のために海外発行ステーブルコインが用いられている
- 投資会社のWeb3企業への出資形態として、海外発行のパーミッションレス型ステーブルコインが用いられることが国際的な主流となっている
三菱UFJ信託銀行は、パーミッションレス型ステーブルコインに関してはパーミッションレス型ブロックチェーンに内在するリスク特性を踏まえたスキーム面・技術面での工夫が必要であり、2023年施行予定の改正資金決済法を見据えながら民間事業者の声を1つにまとめ、関係当局と適切かつ迅速にコミュニケーションを取りながら進めていくことも重要だと説明しています。
今後の予定・取り組みについて
パーミッションレス型ステーブルコイン・ワーキンググループの今後の予定については、2022年内を目処に国内発行および海外発行パーミッションレス型ステーブルコイン導入に必要なスキーム案および機能を公表するとされています。
また、このスキーム案で国内規制に照らして独自実装を施す必要がある場合には、ステーブルコインの発行・管理基盤である「Progmat Coin(プログマコイン)」を用いて適切なパーミッションレス型ステーブルコインを発行するための業務・システムの設計、合意形成・社会実装を2023年初めに開始するとも説明されています。
なお、パーミッションレス型ステーブルコイン・ワーキンググループの想定参加者としては、以下のような企業・団体が挙げられています。
パーミッションレス型ステーブルコインWG参加者
【事務局】
- 三菱UFJ信託銀行株式会社
【金融機関】
- 株式会社三井住友銀行
- 三井住友信託銀行株式会社
- 三菱UFJ信託銀行株式会社
- その他金融機関2行/社
【デジタル証券PTS】
- 株式会社SBI証券
- 岡三デジタル証券準備株式会社
- KDX証券設立準備株式会社
- 大和証券株式会社
- 東海東京フィナンシャルホールディングス株式会社
- みずほ証券株式会社
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
- 株式会社LayerX
- その他証券会社1社
【証券会社】
- 株式会社SBI証券
- 岡三デジタル証券準備株式会社
- KDX証券設立準備株式会社
- 大和証券株式会社
- 東海東京フィナンシャルホールディングス株式会社
- みずほ証券株式会社
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
- 株式会社LayerX
- その他証券会社1社
【暗号資産交換業者】
- SBI VC トレード株式会社
- FXcoin株式会社
- 株式会社カイカエクスチェンジ
- コインチェック株式会社
- Coinbase株式会社
- 株式会社DMM Bitcoin
- BTCボックス株式会社
- ビットバンク株式会社
- 株式会社bitFlyer
- 楽天ウォレット株式会社
【技術協力者】
- SBI R3 Japan株式会社
- 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
- 株式会社Datachain
- 株式会社野村総合研究所その他技術協力者1社
【法律事務所】
- 渥美坂井法律事務所・外国法共同事業
- アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
- 弁護士法人 片岡総合法律事務所森・濵田松本法律事務所)
【関連協会】
- 一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(ステーブルコイン部会)
【オブザーバー】
- 経済産業省
- 一般社団法人新経済連盟
- 一般社団法人日本暗号資産取引業協会
- 一般社団法人日本STO協会
- 一般社団法人Fintech協会日本証券金融株式会社
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