分散型取引所(DEX)のシェアは2020年内で大きく変化、今後はどうなる?

分散型取引所のシェアは2020年内で大きく変遷、今後はどうなる?

2020年はDeFi(分散型金融)が大きく盛り上がった年となりました。2020年9月のイーサリアム(Etrhereum)最大の分散型取引所(DEX)であるユニスワップ(Uniswap)の取引高は米国最大の取引所コインベース(Coinbase)を超えて、中央集権型取引の取引高に対する分散型取引所の取引高の比率は13%を超えました。2020年6月頃から急成長をしています。

また、分散型取引所同士の競争も激化しており、シェアが大きく変わっています。

DEXのマーケットシェアの変化
参照:Dose of DeFi

競争が激化する分散型取引所

2020年3月から10月までをキャプチャすると、Uniswapのシェアが15%から66%に急進、20%あった0xやdYdXはそれぞれ7%・0.5%に減退しています。また、カイバー(Kyber)は15%から1%になっています。カイバーネットワーク(KyberNetowk)は2018年から存在していた分散型取引所のプロトコルですが、流動性マイニングを行う新興プロジェクトに押されていることが分かります。一方、その新興のプロトコル側でも競争は激しいです。カーブ(Curve)は6月に40%まで伸ばすも11%に減退しています。また9月ローンチしたスシスワップ(Sushiswap)は、最初は大きい取引高があったものの、その取引高はその後減少しています。

2020年に分散型取引所内のシェアで起きたことはオーダーブック型分散型取引所(dYdXや0xなど)がAMM(Automated Market Maker)に取って代わったことです。

オーダーブック型分散型取引所とは従来の取引所のように「bid」と「ask」をする取引所です。AMM型とは分散型取引所特有の形式で、スマートコントラクト内に流動性が提供されて価格が自動的に決定する仕組みです。ユーザーは流動性提供者という形でトークンをプールする形もしくは、取引所を利用する形でも参加できます。

AMM型がオーダーブック型より流行った理由として、ユーザーエクスペリエンスやトランザクション数が少なくブロックチェーン上のアプリケーションとしてより向いていたこと、他のアプリケーションとコンポーザリティがより実現しやすいことなどがあげられます。

メタマスクが分散型取引所の機能を追加、今後はどうなる?

恐らく今後もこの流れはしばらく変わらないでしょう。最近ではメタマスク(Metamask)がトークンスワップの機能を追加しました。Metamaskはデスクトップアプリとモバイルアプリ全体で月間100万人以上のアクティブユーザーをサポートするイーサリアムのデファクトスタンダードのウォレットです。

Metmask上では2020年10月以降、UniswapやKyberNetwork、1inchなどにアクセスできるようになっています。Metamsakは交換数量によって0.3%~0.875%の手数料を徴収します。Metamaskにとって初のマネタイズ施策でもあります。

Metmaskによってアクセスされる分散型取引所もAMM型で、Uniswapなどの取引所はより存在感を増すはずです。オーダーブック型分散型取引所の取引高がより大きくなるきっかけがあるとすればレイヤー2上での分散型取引所がユーザーにとって使いやすくなるときのはずです。これはSynthetixなどが取り組む分野でこれらの状況も注視する必要があるといえます。

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参照元:CoinChoice

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