ロシア金融監視機関:AI用いた「暗号資産取引追跡ツール」を開発|DASHなどにも対応


ロシア連邦金融監視サービス(FMS)が、ビットコイン・ダッシュ・モネロなどといった様々な暗号資産の取引を追跡するための「暗号資産分析ツール」を開発していることが地元メディア「RBC」の報道で明らかになりました。

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暗号資産を用いた違法取引などに対処

ロシアの金融監視機関である「ロシア連邦金融監視サービス(FMS)」は、人工知能(AI)を活用して暗号資産取引を追跡するための分析ツールを開発していると伝えられています。このシステムは「Transparent Blockchain」と呼ばれており、資金洗浄やテロ資金調達などのような違法行為に対処するために役立つと期待されています。

報告によると、このシステムは「ビットコインイーサリアム・オムニ」などといった一般的な暗号資産だけでなく、「ダッシュモネロ」などといった匿名送金機能を備えた暗号資産でも”匿名性を部分的に減らすことができる“とされており、このシステムで可能になることとしては以下のようなことが挙げられています。

  • デジタル金融資産の動きを監視・分析し、サービスプロバイダーを特定する
  • 暗号資産の違法取引に関する調査の実施
  • ビットコイン、イーサリアム、オムニ、ダッシュ、モネロネットワークを利用したトランザクションに関与する人物の匿名性を一部剥奪
  • インターネット上を検索してテロ資金調達・マネーロンダリングとの関与が疑われる情報・投稿・画像などを検出する

今回の報道では、この分析ツールが「麻薬密売」に対処するためのプロトタイプで試験運用に成功していることも報告されており、総務省や多数の海外諸国もこのシステムに関心を示していると伝えられています。

この暗号資産追跡ツール「Transparent Blockchain」の開発は予算外の資金を用いて開発が進められてきているものの、将来的には追加の資金が必要になるとのことで、2021年から2023年までの連邦予算から約7億6000万ルーブル(約11億円)が必要になるとされています。

ロシアでは先月末にVladimir Putin(ウラジーミル・プーチン)大統領が暗号資産関連の規制が含まれた「デジタル金融資産関連法」に署名したことが報告されており、暗号資産を”決済手段”として使用することが禁止されているため、この追跡ツールが実用化されれば暗号資産の違法取引がより厳しく取り締まられることになると予想されます。

違法行為での使用に対処するために「暗号資産追跡ツール」は様々な国で開発が進められており、政府・企業向けのブロックチェーン追跡ツールを展開している「Chainalysis(チェイナリシス)」は2020年6月に、同社が提供している「Chainalysis Reactor」と「顧客確認サービス」でDASHとZcashを新たにサポートすることを発表しています。

>>「RBC」の報道はこちら

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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