Chainalysis「DASH・Zcashの追跡ツール」提供へ|匿名性に関する誤解について説明


政府・企業向けのブロックチェーン追跡ツールを展開している「Chainalysis(チェイナリシス)」は2020年6月8日に、同社が提供している「Chainalysis Reactor」と「KYC(顧客確認)サービス」で匿名性の高い暗号資産(仮想通貨)として知られている「ダッシュ(Dash/DASH)」と「ジーキャッシュ(Zcash/ZEC)」をサポートすることを発表しました。

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「DASH・Zcashは匿名通貨だ」という誤解について

Chainalysis(チェイナリシス)は2020年6月8日に、”匿名性の高い暗号資産”として知られている「ダッシュ(Dash/DASH)」と「ジーキャッシュ(Zcash/ZEC)」について『報告されている1日の取引量の合計が15億ドル(約1,621億円)以上にのぼる重要な暗号資産』だと説明した上で、同社が提供している「Chainalysis Reactor」と「KYCサービス」でこれらの暗号資産をサポートしたことを発表しました。

DASHやZcashは一般的に”匿名通貨”として知られていますが、Chainalysisは『DASHやZcashのようなコインのプライバシー機能や、そのようなプライバシー機能がどのように利用できるかについて多くのユーザーは誤解している』と指摘しており、『DashとZcashを使用するとユーザーはより高いプライバシーでトランザクションを実行できるが、”完全な匿名性が提供されるわけではない”』と説明しています。

具体的には、DASHには「PrivateSend(プライベートセンド)」、Zcashには「Sihelding(シールディング)」と呼ばれるプライバシー機能が搭載されているため、この機能を用いて送金することによって送金元アドレスなどを難読化させることができますが、これらの機能は”ユーザーが選択した場合にのみ”利用できるものであるため、全ての取引が匿名化されているわけではないと説明されています。

プライバシー機能の利用者は「わずか1%未満」

今回の発表では、”実際にはプライバシー機能を利用しているユーザーが非常に少ないこと”も報告されており、「PrivateSend」を利用したDASH取引は全体の0.7%、「Sihelding」を利用したZEC取引は14%、完全に暗号化されたZEC取引は0.9%だと説明されています。

正確にはDASHやZcashは”プライバシー機能を利用できる通貨”ということになりますが、その実態としては基本的に送金元・送金先などの情報は追跡することが可能であり、プライバシー機能を利用しているユーザーもごくわずかだと報告されています。

また、Zcashに搭載されている「zk-SNARK暗号化機能」に関しても『優れてはいるが、それでも我々は99%の送金で少なくとも1つのアドレスと総金額を洗い出すことができる』と説明しています。

DASH・Zcashは法律に基づいて利用可能

技術的な面の詳しい解説を行っているChainalysisは『技術的な観点から見るとDashのプライバシー機能はビットコインのプライバシー機能よりも大きくないため”プライバシーコイン”というラベル付けは誤称だ』と説明しており、結論として『Chainalysisの技術を利用したり警戒を続けることによって、DASHやZcashは法律を遵守している企業や人々の間で利用され続けることができる』と述べています。

『DASHは匿名通貨だ』という一般からのイメージについては「Dash Japanチーム」も以前から『”ブロックチェーンの追跡が不可能・監査が困難・資金洗浄やテロ資金調達に使用される可能性が高い”などといった誤解が広がっている』と指摘しており、今年4月には再び日本の暗号資産取引所にDASHを上場させるための資金として合計428.73DASH(約379万円)の資金調達が行われたことも報告されています。

>>「Chainalysis」の公式発表はこちら

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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