テゾス(Tezos)にChainlinkのオラクルが統合、開発者は価格フィードを取得できるように

テゾス(Tezos)にChainlinkのオラクルが統合、開発者は価格フィードを取得できるように

テゾス(Tezos)はスマートコントラクトが実行でき、さらに形式検証を行うことができるためその安全性が高いブロックチェーンプラットフォームです。よく金融や不動産分野との親和性が高いと言われているテゾスが実際にどんなところで使われているのかを調べてみます。

【テゾス(Tezos)の基本情報】
テゾス(Tezos)の特徴である形式検証とは?メリットと重要性を解説
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ブロックチェーンにおける「オラクル」とは?

チェーンリンク(Chainlink)よりTezosのブロックチェーン上でオラクルを統合することが発表されました。読者の中にはオラクルという単語に聞き覚えがない人もいるかもしれません。ブロックチェーンのオラクルとはブロックチェーンにブロックチェーン外のデータを送信するものを指します(データベースのオラクルとは別物です)。

これは、今後スマートコントラクトでさまざまなアプリケーションが稼働をすることになると想定した場合に非常に重要となる機能です。

オラクルの例を見てみましょう。ここではアリスとボブがサッカーのの試合について賭けをする次のような場合を想定します。

  1. ボブとアリスが、3ETH ずつコントラクトのアドレスにデポジットする。
  2. サッカーでチームAとチームBの試合が行われる。
  3. チームAが勝った場合は、ボブがコントラクトアドレスにデポジットされた 6ETHを得る。チームBが勝った場合は、アリスが6ETHを得る。

スマートコントラクトを用いたこのような賭けを行う場合は、その試合結果をブロックチェーンに持ち込むオラクルが必要になります。何故なら、サッカーの試合の結果はブロックチェーンの内部には存在しないからです。

上記の事例であれば、3.のタイミングで任意のオラクルから情報を獲得して、スマートコントラクトが執行されます。こういったオラクルの機能は、今後さまざまなブロックチェーンのアプリケーションに必要になります。

分散型金融(DeFi)の文脈でも今後トラディショナルな金融市場の株価や指数を参照することがあるでしょうし、その際にもオラクルは必要になります。スマートコントラクトを用いた保険でもオラクルは不可欠です。例えば、飛行機の遅延に対する保険であれば、飛行機の遅延情報はブロックチェーン内部にない情報を取得する必要が出てきます。

こういったブロックチェーン内部にない情報を送信する橋渡しのような機能を総称してオラクルと呼びます。

基準価格を取得できる機能は特に金融アプリケーションには不可欠

今回、Tezosに統合されたChainlinkはオラクルのリーディングプロジェクトの一つです。これまでChainlinkが取得したオフチェーンデータは、イーサリアム(Ethereum)、ビットコイン(Bitcoin)、 ハイパーレジャー(Hyperledger)に送信することができましたが、新たにTezosも加わった形になります。

これによってTezosでは基準価格の取得などにおけるインフラストラクチャが整い、金融関連をはじめとした多様なアプリケーションの構築に寄与することが期待されます。

最近ではTezos上でビットコインにペグしたトークンなども登場していますが、このようなトークンを利用してTezos上で金融のアプリケーションを作る場合にも基準価格を取得する必要があるので、オラクルは重要です。

ブロックチェーンにおけるオラクルの課題は、ブロックチェーンにデータを送信するノードを分散化、検証することが困難であったことですが、ChainlinkはトークンエコノミクスやTEEと呼ばれる技術でそれを解決していることが特徴で、イーサリアムの分散型金融などで広く活用されています。

今回の統合はTezosコミュニティの開発企業であるスマート・チェーン・アリーナ(Smart Chain Arena)とクリプトノミック(Cryptonomic)によって行われました。Tezosのブロックチェーンはこれ以外にもさまざまな開発者ツールが充実しつつあり、今後どのようなアプリケーションが登場するか期待されます。

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参照元:CoinChoice

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