市場の混乱は一時的と考えるのはなぜ? 108円台が底堅いドル/円の下げは一服か
2018-02-08
きっかけは、2月2日(金)の、米国の1月雇用統計でした。非農業部門就業者数は前月比20.0万人増と、予想の18.0万人増より若干、上回る結果でした。また、失業率も4.1%と予想どおりでした。
ただ、平均時給が前年同月比で2.9%の増加と、約9年ぶりの高水準となったことで、インフレ懸念が急速に高まり、米国の10年物国債利回りは2月5日(月)に一時2.8831%と、2014年1月以来、約4年ぶりの水準まで上昇しました。
米長期金利(米10年債利回り) 月足(出所:Bloomberg)
この米長期金利の上昇を受けて、米国株が急落し、その影響を受けて日経平均も急落する展開となりました。
NYダウ 日足(出所:Bloomberg)
日経平均 日足(出所:Bloomberg)
為替市場は、株式市場ほどの動きにはなっていませんが、それでも、リスクオフとなって円高に向かいました。
【参考記事】
●NYダウは665ドル安! 日経平均も大幅安! それでも米ドル/円が下げなかったワケは?(2月5日、西原宏一&大橋ひろこ)
世界の通貨VS円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足)
■混乱は一時的。時間が経てば落ち着くと予想 米国の株式市場は、ここ数年、非常に堅調で史上最高値を更新し続けており、VIX指数(恐怖指数)なども非常に低位で安定していましたが、その反動でボラティリティが急上昇しています。
【参考記事】
●VIX指数急騰で低ボラティリティ相場終焉! 株暴落でも底堅いドル/円も下値余地拡大(2月8日、西原宏一)
VIX指数 週足(出所:Bloomberg)
米国の株式市場は、予想PER(株価収益率)で見ても、やや割高になってきているという指摘が以前からされていたので、このような激しい動きになったのだと思います。
しかし、米国経済は基本的に非常に好調であり、企業業績も堅調であることを考えると、今回の混乱は一時的なものであり、時間が経過すれば落ち着くと考えています。
ただ、それでもしばらくは、不安定な動きをする可能性があるので、円相場も同様に、方向感なく不安定な動きをする可能性が十分あると考えています。
【参考記事】
●NYダウ、史上最大の暴落にVIX指数の影。ビットコインも真っ青。2日で96%下落って!?
米ドル/円に目を向けてみると、ここのところ、108円台が…