ユーロ/米ドルは「売りシグナル」点灯後に 反発中。ここで買うべき?売るべき?

■月足でヘッド&ショルダーを完成! ターゲットはパリティ 今回は、ユーロ/米ドルの分析を行なう。まず、月足チャートをご覧いただきたい。ユーロ/米ドルの中長期のチャートの形状から、「ヘッド&ショルダー(※)」の可能性を考えていた。
(※編集部注:「ヘッド&ショルダー」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされてい る。典型的なものは3つの山がある形で、これを人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼び、仏像が3体並んでいるように見えるため「三尊」と呼 ぶこともある) 
ユーロ/米ドル 月足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
 当初は、3つの山で「ヘッド&ショルダー」を想定したのだが、3つの山では「ヘッド&ショルダー」を完成せずに、1.20ドル台から1.4000ドル近辺まで上昇した。
 しかし、1.4000ドル近辺から反転下落し、4つ目の山を作った、と考える。
 そして、1.2000ドル近辺(正確には、1.18ドル台ミドル)のネック・ラインを下に抜けて、4つの山の「ヘッド&ショルダー」を完成した、と考える。
 ネック・ライン(1.18ドル台ミドルの水平線)「紫の破線」を割り込んだ時点で、「ヘッド&ショルダー」を完成させて、「売りシグナル」を発した、と考える。
 「ヘッド&ショルダー」の形状を「ピンクの破線」で表示している。
 この「ヘッド&ショルダー」のターゲットは、パリティ(1.0000ドル)を割り込んだあたり、と考えることができる。
 上述のケースは、「赤の破線(両端矢印)」で示している。
 この「ヘッド&ショルダー」に着目して、その値幅が最大になる場合のターゲットを「緑の破線(両端矢印)」で示している。
 その場合のターゲットは、月足チャートを見てのとおりに、0.8000ドル近辺になる。
 今の時点で、0.8000ドルを想定する必要はないので、当面のターゲットは、パリティ(1.0000ドル)を割り込んだあたり、と考える。
 先月(2016年12月)中旬の値動きで、従来の最安値である1.04台ミドル(1.0460-65水準)を下に抜けた。
 最安値の更新で、「売りシグナル」を発した、と考える。
 最安値を更新して、1.03台ミドル(1.0350)も割り込んだが、その後、反発上昇しているので、この「売りシグナル」が、まだ有効なのか、不確実な状態になっている。
 ただし、最安値の更新の際に、「売りシグナル」を発したことは、確実な「事実」だ。
■週足ではウェッジを下抜けして「売りシグナル」点灯 続いて、週足チャートをご覧いただきたい。週足チャートに、長期のレジスタンス・ライン「赤の破線(太線)」を表示している。 
ユーロ/米ドル 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
 ユーロ/米ドルは、2012年の安値1.20ドル台ミドルから、2014年の高値1.4000ドル近辺(高値は、「1.3990-95ドルレベル」)まで、上昇した。
 この上昇は、サポート・ライン「紫の破線(太線)」に従っていた、と考える。
 サポート・ライン「紫の破線(細線)」は、サポート・ライン「紫の破線(太線)」の平行線だ。
 中長期のチャートで見ると、ユーロ/米ドルはレジスタンス・ライン「赤の破線(太線)」とサポート・ライン「紫の破線(太線)」で、「三角保ち合い(ウェッジ)」を形成していた、と考える。
 そして、週足チャートを見てのとおりに、ユーロ/米ドルは、サポート・ライン「紫の破線(太線)」を割り込み、「三角保ち合い(ウェッジ)」を下に抜けて、「売りシグナル」を発した、と考える。
 ユーロ/米ドルは、1.2000ドルを割り込んだ時点で、「窓(Gap)」を空けて、「売りシグナル」を発した、と考える。
 そして、1.18ドル台ミドルの水平線「赤の破線」を割り込み、従来の安値を更新して、「売りシグナル」を発した、と考える。
■直近の「売りシグナル」が有効か否かは不確実 一番右のレジスタンス・ライン「ピンクの破線(太線)」と、その平行線「ピンクの破線(細線)」を表示した。 
ユーロ/米ドル 週足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
 このレジスタンス・ライン「青の破線(太線)」は、その傾きを、実際の相場に合わせて調整し、直近の高値に合わせている。
 ユーロ/米ドルは、「緑の破線」で示したボックス相場を形成した、と考える。
 チャートの形状を見ると、ボックス相場「緑の破線」の上限(1.17ドル台前半程度)が、目先のレジスタンス(上値抵抗)だ。
 つまり、今のところ、このレジスタンス(上値抵抗)を上に抜けていないので、ユーロ/米ドルのダウン・トレンド(=下落傾向)に変化がない、と考える。
 別な言い方をすると、トレンド転換を考えるには、1.17ドル台前半程度を上に抜ける必要がある、ということだ。
 先月(2016年12月)中旬の値動きで、ボックス相場「緑の破線」を下に抜けて、「売りシグナル」を発した、と考える。
 この「売りシグナル」が、まだ有効なのか、不確実な状態になっている(有効な可能性もあるので、要注意だ)。
 続いて、日足チャートをご覧いただき…

参照元:ザイFX! 松田哲の「FX一刀両断!」

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