主要国長期金利上昇、イタリア国民投票、 米大統領選…リスクオフの材料が山積み!

■米ドル高の理由は債券市場にあり! 米ドル高が続いている。ドルインデックスは一時99の節目を打診し、米ドル/円も昨日(10月27日)から105円の大台乗せに成功した。米12月利上げが確実視され、米ドル高の原動力になっている模様だ。
ドルインデックス 日足(出所:CQG) 
米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
 一方、本コラムがすでに指摘していたように、そもそも米12月利上げがあるとしても、それは「早期利上げ」ではなく、「晩期利上げ」となるから、相場はとっくにこれを織り込んでいたはずだ。では、なぜ「今さら」の米ドル高なのか。
【参考記事】
●ドル高は続くのか? 「FRBの利上げ詐欺」に対し、市場はストックホルム症候群に!?(2016年10月21日、陳満咲杜)
 この答えは、債券マーケットから出そうである。その発端となったのは、先にEU離脱を決定した英国だ。
 英3Q(第3四半期)GDPの数字が予想より改善されたことを受け、英10年物国債は大幅に下落、利回りは1.28%へ急上昇し、EU離脱以来の最高レベルを更新した。 
英長期金利(英10年物国債の利回り、日足)(出所:CQG)
 それを受けた形で独国債市場も下落した。独10年物国債の利回りは0.17%まで上昇し、5ヵ月ぶりの高い水準を記録した。テクニカル的に、同利回りが2016年年初来初めて200日線を突破したのは、市場関係者に注目されるサインだと言える。 
独長期金利(独10年物国債の利回り)(出所:CQG)
 英独両国の「異変」が間もなく米国へ影響し始めた。米10年国債利回りも1.85%へ上昇、同じく5ヵ月ぶりの高値を記録した。 
米長期金利(米10年物国債の利回り)(出所:CQG)
 このように、主要国の債券市場の利回りがそろって上昇(債券価格は下落)、結果的に米ドルを押し上げたわけだ。何しろ、米ドルは2016年年内利上げを有力視され、利回りにもっとも敏感である。
 そのうえ、根本的にはECB(欧州中央銀行)、日銀など米国以外の緩和政策が続かないのでは、といった懸念が強まっているからだ。マーケットは「潮」の変わり目を見極めようとしており、債券市場も神経質な値動きを見せているわけだ。
 要するに、世界主要国の債券市場が長い間上昇して… 

参照元:ザイFX! 陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

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