米大統領選前の追加経済対策とりまとめは 難しいか。為替市場は、神経質な展開続く

■米追加経済対策、大統領選前の合意は難しい状況か みなさん、こんにちは。
 今週(10月12日~)の為替市場は、2つのテーマに翻弄されて方向感なく神経質な展開です。
 まず、米国の追加経済対策の行方。
 先週(10月5日~)は、追加経済対策の合意の可能性が高まり、米国株は反発。豪ドル/円を中心としたクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も反発といった流れでした。
 しかし、今週(10月12日~)に入ると、ペロシ米下院議長は、トランプ政権が提示した追加経済対策の最新案について「著しく不十分」とコメント。
 加えて、10月14日(水)には、ムニューシン米財務長官の「追加経済対策の選挙前の合意は難しい」ことを示唆するコメントにより、米国株は反落。
NYダウ 日足(出所:TradingView)
 豪ドル/円も、再び75円近辺まで反落しました。
豪ドル/円 日足(出所:TradingView)
 米国の友人によれば、米大統領を目前に控え、追加経済対策に関して民主党が妥協することは、まずありえないということです(米国株の上昇を伴うため)。
 可能性があるとすれば、共和党が妥協する場合ですが、本稿執筆時点ではその可能性も低く、「追加経済対策の選挙前の合意」は難しい状況となっています。
 これは、米国株とクロス円に対してネガティブな材料です。
■ジョンソン首相の期限設定は「瀬戸際外交」の可能性 もうひとつは、英国政府とEU(欧州連合)首脳による通商協議について。
 ジョンソン英首相は、これまでEU首脳会議が始まる10月15日(木)までに明確な進展がなければ交渉を打ち切ると言明していました。
 しかし、「英国政府は、EU首脳が通商合意成立に向けて最後の努力をする用意がある限り、ジョンソン首相が期限に設定した10月15日(木)を過ぎても交渉を続ける見通しである」との報道が流れると、英ポンド/米ドルは、再び1.30ドル台を回復。
英ポンド/米ドル 日足(出所:TradingView)
 結局、10月15日(木)というデッドラインは、ジョンソン首相の「瀬戸際外交だった」という結論となる可能性が高まっています。
通商協議について、EU首脳会議が始まる10月15日までに明確な進展がなければ交渉を打ち切るとしていたジョンソン首相だったが、期限が過ぎても交渉を続ける見通しとの報道が流れたため、英ポンド/米ドルは再び上昇した  (C)Justin Sullivan/Getty Images
 しかし、先に紹介した米国の追加経済対策に関する協議、そして、英国政府とEU首脳による通商協議は、まだどちらも続いているため、この2つの協議の行方に注目。
 このところ米大統領選挙の…

参照元:ザイFX! 西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

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