円高はあっても、米ドル安にはならない!? 荒れ相場で勝者になるためのトレードは?
2019-08-16
今週(8月12日~)、その影響が出た、典型的な出来事がありました。
8月13日(火)にトランプ米大統領が、一部の中国製品の関税延期を表明。USTR(米通商代表部)は声明で、「コンピューター、ビデオゲーム端末、一部の玩具、パソコンのモニター、一部の履物や衣料品などに対する関税措置の発動を12月15日(日)まで延期する」と表明しました。
また、これとは別の製品群も、「安全性や国家安全保障などの観点から除外される」ことを明らかにしました。
トランプ大統領は8月13日(火)、9月1日(日)に予定していた中国に対する関税第4弾のうち、一部製品に対する措置を延期すると発表 (C) Chip Somodevilla/Getty Images News
トランプ米大統領は記者団に対し、「一部関税の影響が米消費者に及ばないよう、クリスマスなどの年末商戦に配慮し、決定した」と述べています。
■過剰反応を悟って逆流。今後も続く…!? この発表により、米国の株式市場が急上昇し、リスクオンから円安が進む局面がありました。
しかし、翌日(14日)、その影響は一気に吹き飛び、NYダウは1日で800ドル以上も下落。為替相場も円高に急展開しました。
NYダウ 日足(出所:Bloomberg)
世界の通貨VS円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 1時間足)
今回の措置は、米国内での消費に影響があることを考慮したものであり、交渉が前進した結果ではないというのが実情でした。
そのため、発表直後は市場も驚いてリスクオンで反応しましたが、冷静になると過剰反応であったことを悟り、逆流を起こすという流れとなっています。
こうした反応は、特に金利市場で顕著で、長短金利のイールドが逆イールドになったり、すぐ修正をしたりという展開が続いています。
現在の相場展開は、政治的な理由で市場が荒れてきたときの典型のような動きを見せています。
こういうときは、噂レベルの話にも敏感に反応して、一瞬にして乱高下するような事態も、よく起きます。今後も、そういう展開が続くと思います。
【参考記事】
●米国債に逆イールド発生で米景気後退か? NYダウは800ドル安! 米ドル/円は…!?(8月15日、西原宏一)
●株価を暴落させた逆イールドとは? 逆イールドは景気後退の予兆って本当?
さて、ここで相場展開を改めて…