米ドル/円の反動を大きくさせた原因は? 不確定要素だらけで、決め打ちは無理…

■米ドル/円は完全にダマシのチャートに 北朝鮮が9月9日(土)の建国記念日に何か行動を起こすのではないかという懸念から、先週末8日(金)はリスクオフの流れとなり、円高が進行。米ドル/円は一時、107円台前半まで下落しました。
【参考記事】
●ドル/円は108円を割込み「売りシグナル」に!? 米金融政策は重要だが雇用統計は価値低下(9月6日、松田哲)
 マーケット関係者の中には、今年(2017年)の安値を下抜けしたため、105円ぐらいまで米ドル安・円高が進むと予測している人もいました。しかし、9日(土)に北朝鮮が何も行動を起こさなかったことで、週明け11日(月)から、一気に巻き戻しが進みました。
米ドル/円 日足(出所:Bloomberg)
 予想は一瞬にしてはずれ、チャート的には完全にダマシとなってしまいました。その後、今週(9月11日~)は円買いの解消が進み、米ドル/円は110円台後半まで戻してきています。
【参考記事】
●北朝鮮リスクでドル/円下落も急反発警戒! 上昇再開のユーロ/米ドルは新ステージへ(9月11日、西原宏一&大橋ひろこ)
■税制改革への期待だけじゃない。米ドル/円反動の原因は? 米ドル/円が110円台を回復してから、110円台後半まで米ドル高・円安が進んだ直接的な原因となったのは、昨日、9月13日(水)のトランプ米大統領の発言でした。
 トランプ米大統領は自身のツイッターで、「史上最大の減税と税制改革の承認プロセスが近く始まる」と発表しました。
トランプ米大統領は「史上最大の減税と税制改革の承認プロセスが近く始まる」とツイッターで発言。米ドル高・円安の要因に (C)Mark Wilson/Getty Images
 さらに、それと呼応する形でライアン米下院議長が、「税制改革が25日週に発表される骨子でスタートし、税制を策定する委員会が議員らの意見を募ることになる」と表明しました。
 こうした発表を好感して、米ドル高がさらに進みました。
米ドルVS世界の通貨 30分足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 30分足)
 しかし、本質的には、元々、北朝鮮のリスクを大きく見すぎていた投資家が多くいたため、一時的な円買いポジションが積み上がり過ぎてしまったことが、米ドル/円の反動をここまで大きくさせた原因であると私は考えています。
 さて、ここにきて、今度は市場の中では米ドル/円は111.00円を…

参照元:ザイFX! 今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

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