<i style=”font-style:normal;font-size: 97%;”>ドル/円は108円を割込み「売りシグナル」に!? 米金融政策は重要だが雇用統計は価値低下</i>

■米ドル/円は2016年6月の「英国国民投票」を材料に乱高下 今回は、米ドル/円の分析を行なう。まず、日足チャートをご覧いただきたい。
 昨年(2016年)の6月16日(木)の日銀政策決定会合で、「現状維持(=変更なし)」が発表されると、それまでの安値(105円台ミドル)を更新して、「売りシグナル」を発した、と考える。
米ドル/円 日足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
 昨年(2016年)の6月23日(木)に実施された「英国の国民投票」を材料に、米ドル/円は、大きく乱高下をしている。
 「英国の国民投票」の結果が出る直前は、英国がEUに残留するだろう、という思惑が強く、米ドル/円は、106円台後半の高値を付けている。
 ところが、英国のEU離脱が確実になると、それを材料に、米ドル/円は急落して、99.00円割れ(98円台後半)を付けた。
 99.00円割れ(98円台後半)からは、103円台までリバウンドして、そして、再度100.00円割れ(99円台後半)を見ている。
 この2度目の100.00円割れ(99円台後半)から、米ドル/円は、大きく上昇している。
 大きく上昇した理由は、バーナンキ前FRB(米連邦準備制度理事会)議長が来日した際に、同氏が安倍首相、黒田日銀総裁と会談をしたことから、日銀が追加の金融緩和策を打ち出すのではないか、といった思惑が広がったこと、と考える。
 いわゆる「ヘリコプター・マネー」を想像したのだろう、と考える。
 昨年(2016年)の6月頃からの米ドル/円は、ボックス相場「茶色の破線」を形成していた、と考える。
米ドル/円 日足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
 ボックス相場「茶色の破線」の上限は108.00円近辺、下限は99.00円近辺、と考える。
■ボックス相場上抜け後のターゲットを達成したが… 日足チャートを俯瞰すると、昨年(2016年)の1月下旬以降の相場は、レジスタンス・ライン(1)「赤の破線」に従って下落した、と考える。 
を形成していた、と考える。
米ドル/円 日足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
 昨年(2016年)の(10月)初旬の値動きで、米ドル/円が上昇して、このレジスタンス・ライン(1)「赤の破線(細線)」を上に抜けた。「買いシグナル」を発した、と考える。「売り方」(=米ドル売り・円買いのポジション)は、いったん撤退と考える。 
 ただし、この時点では引き続き、米ドル/円はボックス相場「茶色の破線」を形成中だ。
 このボックス相場に着目すれば、上値のメドは108.00円近辺だが、米ドル/円の上値抵抗も強いだろう、と考えていた。
 ところが、日足チャートを見てのとおりに、ボックス相場「茶色の破線」の上限(108.00円近辺)を上抜けして、「買いシグナル」を発した、と考える。
 この「買いシグナル」に従い、相場は大きく急騰している。
 ボックス相場を上抜けした場合のセオリーでは、ボックス相場の上限から、ボックス相場の値幅分を上昇したところがターゲットになる。
 ボックス相場「茶色の破線」の上限が108.00円近辺で、ボックス相場「茶色の破線」の値幅が約9円であるから、ターゲットは、117.00円近辺になる。
 日足チャートを見てのとおりに、すでにターゲットを達成した(「茶色の破線(両端矢印)」で表示した)。
米ドル/円 日足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
 米ドル/円は、上述のターゲットを達成してからも上昇を続けて、118円台の高値を付けている。
■トランプ政権の貿易不均衡是正が米ドル安・円高圧力に しかし、118円台の高値を付けてからの米ドル/円は、下落に転じている。
 米国のトランプ政権が、貿易不均衡を是正するために、米ドル安・円高政策を採るのではないか、といった思惑が働いていた、と考える。
 米ドル/円は、ボックス相場「ピンクの破線」を形成した、と考える。
米ドル/円 日足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
 ボックス相場「ピンクの破線」の上限は118円台ミドル程度、下限は111円台ミドル程度、と考える。
 米ドル/円は、このボックス相場「ピンクの破線」を下に抜けて、「売りシグナル」を発した、と考える。
 この「売りシグナル」に従い、米ドル/円は、108.00円近辺まで下落した。しかし、108.00円近辺からは、反発(上昇)に転じている。
 109円台では、「窓(Gap)」を開けて、上昇している。
 それで、現在の米ドル/円は、一回り大きなボックス相場「青の破線(太線)」を形成中、と考える。
米ドル/円 日足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
 ボックス相場「青の破線(太線)」の上限は118円台ミドル程度、下限は108.00円近辺、と考える。 
 そして、ボックス相場「青の破線」の内側で、米ドル/円はボックス相場「緑の破線」を形成中、と考える。
 ボックス相場「緑の破線」の上限は114円台ミドル程度、下限は108.00近辺、と考える。
 このボックス相場「緑の破線」に注目すれば良い、と考える。
 つまり、このボックス相場「緑の破線」の上限近くで「売り」、下限近くで「買い」、そして、上限を上に抜ける場合は「買いシグナル」、下限を下に抜ける場合は「売りシグナル」、と考える。
 サポート・ライン「ピンクの破線」を…

参照元:ザイFX! 松田哲の「FX一刀両断!」

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