「お化け」騒ぎの後、市場で何が起きた? 「化ける」可能性があるのはユーロ/円!
2017-05-02
そのことを如実に表しているデータが今、市場で話題になっています。
それは、先週末公表された4月25日(木)時点でのCBOT(シカゴ商品取引所)における米国10年債先物のポジション動向です。
北朝鮮問題やフランスの大統領選挙、G20(20カ国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議)などリスク要因がいくつも出てきていたことに対して、ヘッジファンドを中心とする投資家は、激しく米国債の先物を買い戻しました。
それまで、米国の金利が上昇していくとの観測から、大きく売り越しとなっていたポジションの買い戻しです。
前週4月18日(木)の4万1300枚のネットショートから、一気に21万4642枚のネットロングに急増。チャートなどを眺めてみても、短期間でのあまりに激しい動きであることが、視覚的にもよくわかります。
CBOT(シカゴ商品取引所)米国10年債先物のポジション動向(出所:Bloomberg)
■なかなか出ないお化け。おののいた人が、巻き返しに奔走 ここまで激しくポジションが動いていたのは、驚きでした。みんな「お化けが出るかもしれない」と恐怖におののいてしまったことで、こういう動きになったのでしょう。
私自身も、それに一時的に賭けてしまいました。
しかし、お化けは、なかなか出ません。
中国もロシアも裏で動いているようなので、北朝鮮への武力攻撃のような最悪のシナリオは、当面、回避できる状況になってきています。
お化けが、当面、出ないということになると、それにおののいていた人は、また逆の行動に出ます。今、起きている巻き返しというのは、そういうことなのでしょう。
■市場を注視しながら、クロス円の買い方向で見る もうかなり進んでしまったのですが、全体的な円安の動きは、まだ続く感じになってしまいました。
世界の通貨VS円 4時間足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足)
こうなってくると、どこまで円安が伸びるのかはわかりません。また、ここまで進んでしまったところで、新たに円売りをするのは、少々怖い感じがします。
市場の状況を注意深く見ながら、また、タイトストップを意識しつつではありますが、短期的には、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の買い方向で見ておきたいと思います。
では、クロス円の中でどの通貨ペアを選ぶ…