
この記事の要点
- 金融審議会が2つのWG新設を決定、貸金業法の規制見直しへ
- 河野委員がオンチェーン金融の中長期的な制度検討を提起
2つのWG新設決定、オンチェーン金融にも言及
2026年10月5日、金融庁は8月31日に開いた金融審議会総会・金融分科会の合同会合の議事録を公開しました。
会合では、片山さつき金融担当大臣から「成長企業への資金供給の在り方等」と「保険制度の在り方」の2点が諮問され、それぞれを検討するワーキンググループ(WG)の設置が了承されました。
新たなWGでは、事業者向け貸付けに関する規制の見直しや再保険キャプティブ制度の創設、生命保険のセーフティネット制度などについて具体的な検討が進められる予定です。
こうした金融制度の見直しをめぐる討議のなかで、日本消費者協会の河野委員は暗号資産(仮想通貨)にも関わる動きとして、ブロックチェーンを基盤とする「オンチェーン金融」に言及しています。
暗号資産の制度改革は「達成」
貸金業法見直しへ、オンチェーン金融も検討
WG新設で貸金業法の規制見直しへ
成長企業への資金供給を検討するWGでは山本和彦委員が座長に決まり、事業者向け貸付けに一律に課されている貸金業法の規制を見直す「柔構造化」が主要な論点となっています。
金融庁の事務局はその具体例として、事業再編に取り組む大企業への「プロ向け」貸付けについて、現行規制が貸し手と借り手双方のビジネス実態に即しているかを検討すると説明しました。
資金供給主体を広げる観点では、海外企業との大型M&Aに取り組む日本企業への融資に、日本で銀行免許を持たない外国銀行などが参加する場合の規制も検討対象に挙げられています。
ベンチャーデットをめぐっては、ノンバンクが社債で資金を調達する際に求められる資本金10億円以上などの要件についても、そのあり方を見直す方針が示されました。
こうした事業者向け貸付けの規制見直しとあわせて、書面交付や物理的な掲示を前提とする制度についても、デジタル化などの社会情勢の変化を踏まえて検討が進められる予定です。
再保険キャプティブと生保セーフティネットを審議
保険制度WGでは同志社大学の洲崎博史教授が座長を務める予定で、再保険キャプティブ制度の創設と生命保険のセーフティネット制度のあり方を検討します。
再保険キャプティブをめぐって、守屋保険企画室長は国内に制度が整備されておらず、相当数の国内企業グループが米国ハワイ州などに子会社を設立して業務を行っている現状を報告しました。
こうした状況を踏まえ、国内で同一企業グループのリスクを引き受ける再保険キャプティブ制度の創設が検討課題に挙げられています。
生命保険のセーフティネットでは、保険契約者保護機構の補償財源に含まれる政府補助の特例措置が令和9年3月末に期限を迎えることから、制度のあり方を見直す方針です。
「オンチェーン金融」の制度整備を提言
貸金業法のデジタル化をめぐる議論では、岩下委員が書面や対面、押印を前提としてきた制度をデジタル前提へ改めることができれば「非常に大きな一歩」になるとの考えを示しました。
河野委員もこうした方向性に賛同し、暗号資産の規制を金融商品取引法の対象とする法改正について「大きな前進」と評価しています。
そのうえで河野委員は、ブロックチェーンを基盤に金融の中核機能を再設計する動きとして「オンチェーン金融の報道を目にするようになった」と言及しました。
河野委員は、近い将来にどのような制度が整備され社会実装に至るのか、足元の見直しとあわせて中長期的なあり方についても検討すべき時期に来ているとの認識を示しています。
暗号資産の金商法移行が成立
金商法改正の実効化とオンチェーン金融に集まる関心
暗号資産をめぐっては、2026年7月15日に金融商品取引法と資金決済法の改正法が成立し、暗号資産取引に関する規制を資金決済法から金融商品取引法へ移管することが定められました。
政府が7月21日に閣議決定した「骨太の方針2026」でも、オンチェーン金融の推進が明記され、トークン化預金やステーブルコインを活用した決済も政策項目に盛り込まれています。
こうした法改正や政府方針が示されるなか、8月31日の金融審議会では貸金業法のデジタル化をめぐる討議から、オンチェーン金融を視野に入れた金融制度のあり方へ議論が及びました。
金商法改正や骨太方針にオンチェーン金融が盛り込まれるなか、金融制度をデジタル前提で見直す議論は暗号資産の枠を超え、より広い金融分野へ広がっています。
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Source:金融庁 金融審議会議事録
サムネイル:AIによる生成画像






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