仮想通貨の申告漏れ、AIで把握しやすく?国税庁「KSK2」稼働で何が変わる

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※本記事は、2026年9月29日時点で国税庁、財務省、金融庁などが公表している情報をもとに作成しています。

 

国税庁は2026年9月24日、KSK2と呼ばれる更改後の国税システムへ移行しました。

書面で提出された申告書などをAI-OCRで読み取り、データ化する仕組みも導入され、税務行政で扱う情報のデジタル化がさらに進みます。

 

仮想通貨を取引している人にとって気になるのは、取引所の記録と確定申告の内容までAIで照合され、申告漏れを把握されるようになるのかという点でしょう。

国税庁はすでにAI・機械学習などを、申告漏れの可能性が高い納税者の判定に活用しています。

ただし、KSK2の稼働によって「仮想通貨の年間取引報告書が自動的にAI照合されるようになった」との公式発表は確認できません。

 

暗号資産を取引する場合は、価格や手数料だけでなく、確定申告の際に取引履歴や報告書を確認しやすいかも取引所選びのポイントになります。

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では、KSK2によって何が変わったのか、年間取引報告書との関係も含めて整理します。

KSK2で進む税務情報のデータ化と一元管理

KSK2は、国税庁の基幹システムを大幅に刷新したものです。

国税庁は、これまで税目ごとに分かれていたデータベースやアプリケーションを統合し、紙中心の事務処理からデータ中心の事務処理へ移行する方針を示してきました。

 

今回の更改ではAI-OCRも導入され、書面で提出された申告書や申請書などを読み取り、データ化・イメージ化できるようになっています。

国税庁の資料では、KSK2について申告・納税の実績や各種情報を一元的に管理し、蓄積した決算情報や資料情報などの分析によって、税務調査対象者の選定などを支援するシステムと説明しています。

KSK2の重要な変化は、国税庁が持つさまざまな税務情報を、より一元的に管理・分析しやすい基盤が整ったことです。

 

ただし、AIを使った申告漏れ分析が2026年9月24日に初めて始まったわけではありません。

国税庁は以前から、申告・決算情報、資料情報、過去の調査実績などを統計分析や機械学習で分析し、申告漏れの可能性が高い納税者の判定などに活用しています。

年間取引報告書がそのままAI照合されるわけではない

仮想通貨投資家に身近なのが「年間取引報告書」です。

暗号資産交換業者から送付される年間取引報告書には、年中の購入数量・購入金額、売却数量・売却金額、移入・移出数量、年末数量、支払手数料などが記載されます。

国税庁も、年間取引報告書を「暗号資産の計算書(総平均法用)」に入力することで、所得金額の計算に利用できると案内しています。

 

一方、KSK2の稼働によって、利用者向けの年間取引報告書そのものが税務署へ自動提出され、確定申告の内容とAIで照合されるようになったとの公式発表は確認できません。

つまり、利用者が受け取る年間取引報告書が、そのままKSK2へ自動送信される制度になったということではありません。

ただし、年間取引報告書が自動提出されていないことと、税務当局が暗号資産取引に関する情報を把握できないことは別の話です。

国税庁は各種の資料情報を収集・分析し、税務調査や行政指導に活用しています。

取引業者から税務署への新しい報告制度は法制化済み

さらに今後は、現在の年間取引報告書とは別の「税務署向け報告制度」が始まります。

2026年度税制改正では、一定の「特定暗号資産」について、暗号資産取引業者が取引を行った居住者などの氏名や住所、個人番号、暗号資産の名称などを記載した報告書を税務署長へ提出する制度が盛り込まれました。

所得税法等の改正法は2026年3月に成立しています。

 

この税務署向け報告書は、利用者が現在、所得計算のために受け取っている年間取引報告書とは別の制度です。

一方で、新制度は2026年9月29日時点ですでに適用されているわけではありません。

前提となる金融商品取引法等の改正法も2026年7月に成立していますが、暗号資産に関する主要な制度は原則として公布から1年以内の政令で定める日から施行されます。

 

税務署への報告制度についても、この施行時期を起点として段階的に適用される仕組みです。

そのため、「KSK2が9月24日に稼働した=国内取引所から新しい暗号資産取引報告が始まった」というわけではありません。

確認したいのは取引履歴と申告内容にズレがないか

2026年9月29日時点では、暗号資産を売却または使用して生じた利益は、事業所得などに該当する場合を除き、原則として雑所得に区分されます。

新しい特定暗号資産の分離課税制度は法制化されていますが、まだ適用開始前です。

 

特に注意したいのが、複数の取引所を利用している場合です。

例えばA取引所とB取引所の両方で売買していれば、A取引所の年間取引報告書だけでは、年間のすべての取引を確認できません。

また、暗号資産Aを暗号資産Bへ交換した場合も、国税庁の年間取引報告書ではAの売却とBの購入として扱われます。日本円として銀行口座へ出金していないからといって、必ず所得計算が不要になるわけではありません。

KSK2の稼働を受けて重要なのは、自分の取引記録と確定申告に使用する数字にズレがないか確認しておくことです。

年間取引報告書や取引履歴を保存し、複数の取引所を利用している場合は、それぞれの取引をまとめて確認しておきましょう。

取引履歴や年間報告書の確認方法も取引所選びのポイント

これから仮想通貨を取引する場合は、取扱銘柄や手数料だけでなく、確定申告に必要な取引記録を確認しやすいかもチェックしておきたいポイントです。

SBI VCトレードでは、個人名義の利用者について年間取引報告書を出力できると案内しています。年間損益報告書や月次・日次報告書、損益計算用データなども確認可能です。

 

ただし、ほかの取引所でも売買している場合などは、1社の年間取引報告書だけですべての損益を計算できるとは限りません。

複数の取引所を使う可能性がある人ほど、売買サービスだけでなく、後から取引履歴や報告書を確認しやすいかも含めて選ぶことが重要です。

 


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国税庁ではすでにデータ分析を税務調査の効率化に活用しており、今後は一定の暗号資産取引について、取引業者から税務署への新しい報告制度も適用される予定です。

暗号資産の税務をめぐる環境は、取引情報をデータとして把握・分析しやすい方向へ進んでいるといえるでしょう。

取引所ごとに取扱銘柄やサービス、取引履歴の確認方法などは異なります。自分に合った国内取引所を探したい場合は、複数社を比較してから選ぶ方法もあります。

 

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※本記事は、税務・法律に関する一般的な情報を提供するものであり、個別の税務判断を行うものではありません。具体的な申告方法について判断が難しい場合は、税務署や税理士などの専門家へご確認ください。

※本記事は、特定の暗号資産、株式、その他の金融商品の購入や売却を推奨するものではありません。

出典・参考

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