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※本記事は、2026年8月28日時点で確認できたFinancial Times、Strategy、Metaplanet、The Blockなどの公開情報をもとに作成しています。
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ビットコイン(BTC)が8万ドル前後まで回復する一方、BTCを大量保有する企業の株価は必ずしも同じように回復していません。
Financial Times(FT)が分析したBTC保有企業50社の合計時価総額は、2025年7月の約1,500億ドルから、2026年8月には約670億ドルまで縮小しました。
減少額は800億ドルを超えます。
さらにFTによると、分析対象50社のうち35社では、株価が50%超下落しています。
一見すると不思議です。
BTCを大量に持つ企業であれば、BTCが上がることで会社が保有するBTCの価値も増え、その結果として株価も上昇しそうに思えます。
しかし、実際の株価はそれほど単純ではありません。
BTC保有企業の株価には、BTC価格だけでなく、「BTCを保有する会社そのものを市場がいくらで評価するか」が大きく影響します。
この記事では、BTCが8万ドル前後まで戻ってもBTC保有企業が苦戦している理由を、初心者向けに解説します。
- BTC保有企業50社の時価総額が約1,500億ドル→670億ドルへ
- なぜBTCが上がっても保有企業株は上がらない?
- 理由① 「BTCを持つ会社」へのプレミアムが縮小
- 理由② BTCが増えても「1株あたり」では増えないことがある
- 理由③ BTCを持ち続けるための資金調達コストもある
- 理由④ 「BTC価格に投資するだけ」ならETFもある
- メタプラネットは4万3,000BTC保有。それでも株価はBTCと同じには動かない
- では「BTC保有企業モデル」は終わった?
- 【独自視点】見るべき数字は「何BTC?」から「1株あたり何BTC?」へ
- BTC現物とBTC保有企業株は何が違う?
- BTCを購入できる国内取引所
- 自分に合う国内仮想通貨取引所を診断
- まとめ:BTCが上がっても「保有企業株」が上がるとは限らない
- 出典・参考
BTC保有企業50社の時価総額が約1,500億ドル→670億ドルへ
FTが8月28日に報じた分析によると、BTC保有企業50社の合計時価総額は、2025年7月の約1,500億ドルから2026年8月には約670億ドルへ縮小しました。
差額は約830億ドルです。
2025年にはStrategyなどの成功を参考に、株式や債券などで資金を調達してBTCを購入し、保有BTCの増加によって株式市場から高い評価を受け、さらに資金を調達してBTCを買い増すという循環を狙う企業が相次ぎました。
米国だけではありません。
日本のMetaplanetをはじめ、世界各地の上場企業がBTCを財務資産として保有する「Bitcoin Treasury」戦略を採用しています。
一方、現在は「BTCを持つ会社」というだけで、高い株価評価を受け続けられる状況ではなくなっています。
ここが今回のニュースを見るうえで重要なポイントです。
なぜBTCが上がっても保有企業株は上がらない?
まず理解したいのは、「BTC」と「BTC保有企業の株」は別の商品だということです。
BTCを直接保有していれば、その価値は基本的にBTC価格によって決まります。
一方、企業の株価には、保有BTCだけでなく、現金、負債、発行済み株式数、今後の資金調達、既存事業、経営戦略、投資家からの期待など、さまざまな要素が反映されます。
BTC保有企業の株を買うことは、「BTCそのもの」ではなく、「BTCを保有しながら資本を運用する会社」に投資することです。
この違いが、BTCと関連株が同じ方向へ動かない理由につながります。
理由① 「BTCを持つ会社」へのプレミアムが縮小
一番分かりやすい理由が、BTC保有企業に付いていた「プレミアム」の縮小です。
例えば、ある会社が1,000億円分のBTCを保有しているとします。
会社の時価総額も必ず1,000億円になるわけではありません。
「これからさらにBTCを増やせそう」「有利な条件で資金調達できそう」「1株あたりのBTC保有量が増えそう」といった期待が強ければ、保有BTCの価値を上回る時価総額が付くことがあります。
簡単な例で考えてみましょう。
| 以前 | その後 | |
|---|---|---|
| 保有BTCの価値 | 1,000億円 | 1,100億円 |
| 市場からの評価 | BTC価値の2倍 | BTC価値の1.2倍 |
| 企業の時価総額 | 2,000億円 | 1,320億円 |
この例では、会社が持つBTCの価値は10%上昇しています。
しかし市場から付けられる評価倍率が低下したため、企業の時価総額は2,000億円から1,320億円へ減少しました。
BTCが上昇しても、「BTCを持つ企業にどの程度の上乗せ評価を与えるか」が変われば、株価はBTCと反対方向へ動くことがあります。
※上記は仕組みを説明するために単純化した例です。実際の企業価値には現金、負債、既存事業なども関係します。
StrategyやMetaplanetではmNAVが1倍を下回る
BTC保有企業を見る際に使われる指標の一つが「mNAV」です。
The BlockのBitcoin Treasury Trackerでは、2026年8月28日時点でStrategyのmNAVは約0.63倍、Metaplanetは約0.69倍となっています。
同トラッカー上では、株式時価総額が保有BTCから計算したNAVを下回る水準です。
ただし、ここは注意が必要です。
mNAVが0.63倍だからといって、「Strategy株が本来の価値より37%割安」と単純に判断できるわけではありません。
企業には負債、現金、優先株、既存事業などがあります。
また、mNAVの計算方法はデータ提供元によって異なる場合があります。
そのため、mNAVは「企業価値そのもの」ではなく、「BTCの保有価値に対して株式市場からどの程度の評価を受けているか」を見る参考指標の一つとして考えるのが適切です。
それでも、BTC保有企業に付いていた高い上乗せ評価が以前より縮小していることを示す材料にはなります。
理由② BTCが増えても「1株あたり」では増えないことがある
BTC保有企業が大量のBTCを購入するには資金が必要です。
その方法の一つが、新しい株式を発行して資金を調達する増資です。
例えば、会社全体のBTC保有量が2倍になったとします。
一見すると、大きく成長したように見えるでしょう。
しかし同じ期間に発行済み株式数が3倍になれば、1株あたりで見るとBTCへの持分はむしろ減る可能性があります。
株主にとって重要なのは「会社全体で何BTC持っているか」だけではなく、「1株あたりでどれだけBTCへの持分があるか」です。
Metaplanetが公表している「BTC Yield」も、この考え方に近い指標です。
同社はBTC Yieldについて、総BTC保有量と実質希薄化後発行済株式数の比率が一定期間にどれだけ変化したかを測るKPIと説明しています。
Strategyも2026年第2四半期決算で、「Net Bitcoin Per Share」など株式数を意識した指標を導入しました。
Bitcoin Treasury企業を見るときは、総保有枚数だけではなく、増資を考慮した1株あたりの変化を見ることが重要になっています。
理由③ BTCを持ち続けるための資金調達コストもある
BTC保有企業のすべてが、自社の余った現金だけでBTCを購入しているわけではありません。
株式だけでなく、社債や優先株、その他の資本市場商品などを使って資金を集める場合もあります。
その場合、利息や配当などの支払いが必要になることがあります。
代表例がStrategyです。
The BlockのBitcoin Treasury Trackerでは、2026年8月28日時点でStrategyは84万447BTCを保有しています。
一方、Strategyは6月29日に「BTC Monetization Program」を導入しました。
この制度では、必要に応じてBTCを売却し、ドル準備金の積み増し、優先株配当や負債の利払い、自社株・優先株などの買い戻しに利用できるとしています。
Strategyは2026年第2四半期決算で、7月26日時点までに年初来2億1,840万ドル相当のBTCを売却し、優先株配当の一部に充てたことを明らかにしました。
FTは8月28日、同社が6月以降に合計約7,000BTCを売却したと報じています。
Strategyは、単純にBTCを増やし続けるだけではなく、BTC、現金、普通株、優先株などを組み合わせて資本を管理する段階に入っています。
そのため、投資家が見るべきものもBTC価格だけではありません。
配当負担や利払い、資金調達の条件なども株価評価に影響します。
理由④ 「BTC価格に投資するだけ」ならETFもある
投資家がBitcoin価格へアクセスする方法が増えたことも重要です。
以前は「証券口座からBitcoin価格へ投資したい」という投資家にとって、StrategyなどBTCを大量保有する企業の株式は有力な選択肢の一つでした。
現在の米国では、現物BTC ETF・ETPがあります。
例えばBlackRockのiShares Bitcoin Trust ETF(IBIT)は、Bitcoin価格のパフォーマンスを反映することを目的とした上場商品です。
そのため、Bitcoin価格への連動を重視するのであれば現物BTC ETF・ETP、Bitcoin価格に加えて企業の資金調達力や財務戦略にも期待するのであればBTC保有企業株という違いがあります。
Bitcoin価格へのエクスポージャーだけを求める投資家にとって、BTC保有企業株以外にも選択肢があるため、「BTCを持つ上場企業」であること自体の希少性は以前より低下した可能性があります。
これは、BTC保有企業へのプレミアム縮小を考えるうえで、一つの要因になり得ます。
メタプラネットは4万3,000BTC保有。それでも株価はBTCと同じには動かない
日本を代表するBitcoin Treasury企業がMetaplanetです。
Metaplanet公式サイトでは、2026年8月28日時点のBTC保有量を4万3,000BTCと表示しています。
The BlockのBitcoin Treasury Trackerでも、世界有数の上場企業BTC保有者として掲載されています。
ただし、BTC価格が10%上昇したからといって、メタプラネット株も10%上昇するとは限りません。
株価にはBTC価格だけでなく、今後どれだけBTCを増やせるか、そのためにどの程度株式を発行するか、1株あたりBTCを増やせるか、負債や資金調達コスト、株式市場からどの程度の評価を受けるかなどが影響します。
BTC保有企業株は、BTC価格にそのまま連動する商品ではありません。
BTCが上昇しているのにMetaplanet株が下落しても、それ自体は矛盾ではないということです。
では「BTC保有企業モデル」は終わった?
今回のFT記事では、Bitcoin Treasuryブームへの厳しい見方も紹介されています。
FTによると、分析対象50社のうち35社で株価が50%超下落しました。
確かに、BTC購入を発表して株価が上昇し、その高くなった株価を利用して増資を行い、さらにBTCを購入するという好循環が、すべての企業で簡単に成立する環境ではなくなっています。
しかし、「BTC保有企業という戦略そのものが終わった」と断定するのも早いでしょう。
The BlockのBitcoin Treasury Trackerでは、企業が保有するBTCは2026年8月28日時点で合計約126万BTCに達しています。
Strategyだけで84万BTC超、Metaplanetも4万3,000BTCを保有しています。
Bitcoin Treasuryそのものが消えたわけではありません。
変化しているのは、「BTCを持っているだけで高く評価される」という環境です。
今後は同じBTC保有企業でも、資金調達コスト、1株あたりBTC、負債、既存事業、資本管理などによって評価が大きく分かれる可能性があります。
【独自視点】見るべき数字は「何BTC?」から「1株あたり何BTC?」へ
BTC保有企業のニュースでは、「○万BTCを突破」という総保有枚数が目立ちます。
しかし、株主の立場から考えると、それだけでは十分ではありません。
極端な例を挙げると、100BTCを100株で保有する会社なら1株あたり1BTCですが、200BTCを1,000株で保有する会社なら1株あたり0.2BTCです。
会社全体のBTC保有量は後者の方が2倍ですが、1株あたりで見ると前者の方が大きくなります。
Bitcoin Treasury企業を見るときの評価軸は、「会社が何BTC持っているか」だけではなく、「資金調達や増資を行いながら1株あたりのBitcoin持分をどれだけ増やせるか」へ広がっています。
今回の800億ドル超の時価総額減少も、「BTCを持っているか」だけではなく、「そのBTCを活用して株主価値を増やせるのか」が市場から問われる段階に入ったことを示す一例と考えられます。
BTC現物とBTC保有企業株は何が違う?
BTCそのものとBTC保有企業株は、似ているようで異なります。
| BTC現物 | BTC保有企業株 | |
|---|---|---|
| 主な価格要因 | BTC市場の需給・市場環境など | BTC価格+企業価値・資金調達・業績など |
| 主な取引場所 | 暗号資産取引所など | 証券市場 |
| 株式の希薄化 | なし | 増資などで起こる可能性あり |
| 個別企業の経営リスク | なし | あり |
| BTCの送金 | 対応サービスなら可能 | 不可 |
※BTC現物にも、価格変動、取引所、保管、秘密鍵管理など固有のリスクがあります。
「BTCへ投資すること」と「BTCを大量保有する会社へ投資すること」は同じではありません。
BTC価格への連動を重視するのか、それとも企業のBitcoin戦略や資金調達力まで含めて評価するのかによって、投資対象の性質は変わります。
BTCを購入できる国内取引所
BTCそのものを購入する場合、日本では金融庁・財務局に登録された暗号資産交換業者を利用できます。
サービスによって販売所・取引所の対応、注文方法、手数料、スプレッドなどが異なるため、比較して選びましょう。
SBI VCトレード
SBI VCトレードではBTCの現物取引に対応しており、販売所と取引所の両方を利用できます。

Coincheck
CoincheckではBTCを取り扱っており、販売所に加えてBTC/JPYの取引所取引にも対応しています。

bitbank
bitbankではBTC/JPYの現物板取引を利用できます。
相場が大きく動いている場合は、注文方法や手数料だけでなく、注文板の価格や流動性も確認しておきましょう。

bitFlyer
bitFlyerでは、販売所、かんたん取引所、bitFlyer LightningでBTCの現物取引に対応しています。

自分に合う国内仮想通貨取引所を診断
BTCを購入する場合も、取引所によって最低注文金額や売買方法、積立などのサービスが異なります。
どこを利用すればよいか迷う場合は、自分の取引スタイルに合うサービスを比較してみましょう。

まとめ:BTCが上がっても「保有企業株」が上がるとは限らない
FTが分析したBTC保有企業50社の合計時価総額は、2025年7月の約1,500億ドルから2026年8月には約670億ドルへ減少しました。
800億ドルを超える減少です。
一方、BTC価格は足元で8万ドル前後まで回復しています。
この一見矛盾した動きには、BTC保有企業への上乗せ評価の縮小、増資による株式数の増加、優先株や債務などの資金調達コスト、現物BTC ETFなど投資手段の拡大、企業ごとの経営・財務戦略などが関係しています。
「BTCが上がれば、BTC保有企業の株価も上がる」という単純な関係ではありません。
今後Bitcoin Treasury企業を見る場合は、「何BTC持っているか」だけではなく、「1株あたりのBTC持分を増やせているか」「そのために株式や負債をどの程度増やしているか」「市場からどの程度の評価を受けているか」まで確認する必要があります。
BTC保有企業が次の成長段階へ進むのか、それとも高い評価を維持できない企業が増えるのか。
2026年後半は、同じBitcoin Treasury企業でも評価の差がさらに意識される可能性があります。
出典・参考
- Financial Times「Bitcoin treasury companies shed $80bn in value as business model unwinds」2026年8月28日
- Strategy「Bitcoin Ledger」
- Strategy「Second Quarter 2026 Financial Results」2026年7月30日
- Strategy「Digital Credit Capital Framework / BTC Monetization Program」2026年6月29日
- Metaplanet公式サイト
- Metaplanet「BTC Yield, BTC Gain & BTC ¥ Gain」
- The Block「Bitcoin Treasury Tracker」
- BlackRock「iShares Bitcoin Trust ETF」
- SBI VCトレード「サービス概要」
- SBI VCトレード「取引所」
- Coincheck「BTC/JPY」
- bitbank「BTC/JPY」
- bitFlyer「ビットコインの売り方」
※本記事は、BTC、Metaplanet、Strategyその他の暗号資産・株式・ETFその他の金融商品の購入や売却を推奨するものではありません。
※暗号資産および暗号資産関連株式は価格変動が大きく、短期間で価格が急騰・急落する場合があります。
※BTC保有企業の株価はBTC価格だけで決まるものではなく、資金調達、負債、株式数、既存事業、市場環境などの影響を受けます。
※mNAVはデータ提供元や計算方法によって数値が異なる場合があります。また、mNAVだけで企業の割安・割高を判断することはできません。
※記事中の企業価値の例は、仕組みを説明するために単純化したものであり、実際の企業価値を示すものではありません。
※各社のBTC保有量、株価、mNAVなどは変動します。最新情報は各社の公式開示を確認してください。
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