ポリマーケット軍事市場に「勝率97%の異常口座」機密漏洩の疑い

この記事の要点

  • 調査団体ACDC、ポリマーケット軍事市場で勝率97.2%の152口座を特定
  • 本人確認義務化や高リスク市場の制限・禁止など4策を提言

まずはPolymarket(ポリマーケット)を詳しく

軍事市場の勝率97.2%、152口座に集中

非営利調査団体ACDC(Anti-Corruption Data Collective)は2026年8月20日、予測市場「Polymarket(ポリマーケット)」上で行われた仮想通貨(暗号資産)建ての賭けを分析したレポートを公表しました。

この調査では、軍事・防衛関連の市場で平均97.2%という異例の勝率を記録した152のウォレット(口座)が特定され、合計200万ドル(約3億円)の賭けから800万ドル(約12億円)の利益を得ていたことが明らかになっています。

報告書によると、これらの口座は開設直後から特定分野に絞って多額の賭けを行い、的中後は利益を引き出して活動を止める動きが確認されています。

こうした高い勝率と一連の資金移動を踏まえ、ACDCは152口座について、非公開の軍事情報を事前に把握できる立場にあった可能性が最も高いとみています。

問題は152口座の取引そのものだけでなく、報告書は大口投資家や自動売買ボットがこれらの賭けに追随することで、機密性の高い軍事情報が結果的にブロックチェーン上へ露出するリスクがあると警告しています。

ACDC、大穴賭けから高リスク口座を選別

大穴賭け7.8万件、4つの類型に分類

ACDCは、2026年5月5日までに結果が確定した全市場を対象に7万8,496件の「大穴賭け(ロングショットベット)」を抽出し、取引したウォレットの特徴を詳しく分析しています。

この分析では、成立する可能性が低いとみられる確率35%以下の結果に対し、1時間以内に累計2,500ドル(約38万円)以上を投じた賭けが大穴賭けと定義されています。

ACDCはこの条件に該当した1万2,355のウォレットについて、取引した市場の数やテーマの偏り、勝率などを比較し、それぞれの特徴に応じて「オルカ」「ホエール(大口)」「ボット(自動売買)」「スモールフィッシュ(小口)」の4つに分類しました。

なかでもオルカはインサイダー取引のリスクが最も高いグループとして重点的な分析対象となっています。

オルカ556口座、ROI 132%の異常値

オルカに分類された556口座は、取引する市場が100未満、対象とするテーマも2分野以下に絞られている一方、大穴賭けでは75%を超える高い勝率を記録していました。

その成績は収益にも表れており、ポリマーケット全体での投資収益率は平均132%に達し、平均マイナス2%のホエールやマイナス1%のボットとは大きな差が生じています。

さらにオルカの半数以上が口座開設から2日以内に最初の大穴賭けを行っていたことから、ACDCは特定の情報を得たことをきっかけにポリマーケットへ参加した可能性があると指摘しています。

上位1%の124口座が利益の47%を独占

一方、大穴賭け全体に対象を広げると利益は一部の口座に集中しており、レポートによれば、上位1%にあたる124口座だけで全体の47%に相当する3億580万ドル(約459億円)を得ていました。

上位10%まで広げると利益全体の89.8%を占める一方、下位50%は合計4億4,990万ドル(約675億円)の損失を抱えており、収益が上位層に大きく偏っていることが確認されています。

ただし取引量ではホエール(3,278口座)とボット(760口座)の比重が大きく、なかでもボットだけで大穴賭け全体の取引量の3分の2を占めていました。

イラン攻撃を先読みしたオルカの賭け

こうした口座ごとの違いが軍事関連市場でどのように表れたのかを調べるため、レポートは2025年6月と2026年2月のイラン攻撃に関わる市場について、オルカやホエール、ボットが賭けを始めた時期を時系列で分析しています。

2025年6月の攻撃ではオルカが1週間以上前から賭けを始め、その後を追うようにホエールやボットの大口取引が増えていたとされています。

2026年2月の攻撃前にも同様の動きがみられ、直前の48時間には20のオルカが新たに大穴賭けを行ったのに対し、ホエールとボットの新規参入は合わせて8口座にとどまりました。

匿名性が壁、ACDCが4つの対策を提言

こうしたインサイダー取引への懸念は実際の事件にも及んでおり、報告書はベネズエラのマドゥロ大統領に関する機密情報をもとに賭けを行い、約40万ドル(約6,000万円)を得たとされる米兵の事例も取り上げています。

不審な取引を調べる際の障壁となるのが利用者の匿名性で、ポリマーケットではすべての賭けがブロックチェーン上に公開される一方、資金の出所や行き先を実際の人物と結び付けるには法執行機関による召喚令状が欠かせないと報告書は指摘しています。

ACDCはこの問題への対策として、全利用者への本人確認の義務化や不審な賭けへの払い戻し保留、非公開情報の影響が大きい市場の制限・禁止、賭けの精度を抑える措置という4つの対策を提言しています。

米商品先物取引委員会(CFTC)が予測市場への管轄権を主張するなか、ACDCは利用者への本人確認だけでは対策として不十分だとして、非公開情報の影響を受けやすい市場そのものを制限・禁止する必要があるとの立場を示しています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.02 円)

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Source:ACDC報告書
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:仮想通貨ニュース最新一覧【毎日更新】 - 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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