
この記事の要点
- Forrester調査、金融機関の70%がステーブルコインを優先課題に
- 国際決済が主要用途、AIとの融合や投資拡大も進展
金融機関の7割「ステーブルコインに注力」
米調査・コンサルティング会社Forrester(フォレスター)のコンサルティング部門は、AWSマーケットプレイスの委託を受けて実施したステーブルコインに関する調査レポートを公表しました。
レポートによると、世界の金融機関で意思決定を担う専門家の70%がステーブルコインを自社の優先課題に挙げており、65%は近い将来、その提供が金融機関にとって必須になると回答しています。
ステーブルコインでは国境を越えた決済への需要が高く、クロスボーダー決済が主要な用途に挙げられたほか、回答者の78%はAIを活用した意思決定の高度化も優先課題としています。
こうした結果を踏まえ、調査ではステーブルコインとAIを個別に進めるのではなく、両技術を組み合わせた決済戦略が重要になると分析しています。
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国際決済が主軸、AI連携も進むステーブルコイン
国際送金が最多、企業・個人とも67%
ステーブルコインの用途ではクロスボーダー決済が最も多く、企業間・個人間の送金はいずれも67%で最多だったとレポートは示しています。
| ステーブルコインの活用領域 | 回答率 |
|---|---|
| クロスボーダー企業間決済 | 67% |
| クロスボーダー個人間決済 | 67% |
| トレジャリー・キャッシュマネジメント | 56% |
| 金融機関間決済 | 48% |
| イントラデイ流動性最適化 | 46% |
| 行内取引 | 43% |
| マーチャントサービス | 40% |
クロスボーダー決済が主要用途となった背景には送金時間の短縮があり、レポートでは従来2〜5日かかっていた国際決済をステーブルコインによって数分に短縮でき、企業の資金繰りや流動性の改善にもつながると説明しています。
こうしたメリットを背景に、今後1〜2年で最も影響が大きい用途についてもクロスボーダー企業間決済が71%で首位となり、国際決済が引き続き主要な活用先になると見込まれています。
AI×ステーブルコインは「強力な組み合わせ」
ステーブルコインによる決済の効率化と並行して金融機関が導入を進めているのがAIで、生成AI(genAI)を全社的に拡大・実運用している企業は52%に達し、ステーブルコインの46%を上回りました。
AIの導入は生成AIに限らず、自律的に判断・実行するエージェンティックAIも35%が実運用段階に入り、金融業務への実装が進んでいます。
こうしたAIとステーブルコイン決済を組み合わせる動きもあり、調査に応じた英フィンテック企業の最高戦略責任者は、両技術をブロックチェーン上で組み合わせた決済システムを「非常に強力な組み合わせであり、各社が今まさに検討している」と評価しています。
規制の不透明さが最大障壁、投資は拡大
一方で実用化に向けた課題も残っており、回答者の68%が規制の不透明さ、63%がプライバシー・セキュリティへの懸念を挙げたほか、60%は既存システムとの統合に苦労していると回答しました。
こうした課題があるなかでもステーブルコインへの投資を拡大する金融機関は多く、導入を優先する回答者の56%が今年の投資額を前年比25%以上増やす計画だとしています。
自社だけで導入を進めるのではなく外部サービスを利用する動きもみられ、回答者の60%がサードパーティのプラットフォームやマーケットプレイスの活用を重視しています。
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決済大手が「AI×ステーブルコイン」実用化へ
金融機関がAIやステーブルコインへの投資を拡大するなか、決済大手のVisa(ビザ)は2026年6月のVisa Payments Forumで、AIエージェント向け機能やステーブルコイン決済を柱とする次世代の決済基盤を発表しました。
AIエージェントによる決済はすでに実取引にも使われており、Mastercard(マスターカード)とSantander(サンタンデール)銀行は2026年3月、規制された銀行の枠組みのなかでAIエージェントが決済を実行する欧州初のエンドツーエンド取引を完了したと明らかにしました。
こうした決済技術の実用化が進むなか、レポートは金融機関に対してクロスボーダー決済以外の用途も開拓し、外部インフラを取り入れながらAIとステーブルコインの導入領域を広げるよう提言しています。
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Source:Forrester Consulting調査レポート
サムネイル:AIによる生成画像







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