
この記事の要点
- SECのヘスター・パース委員が、仮想通貨市場構造法「クラリティ法」の今夏成立に期待を示す
- 成立で仮想通貨市場の規制枠組みやSEC・CFTCの管轄が法律で明確化される見込み
パース委員、CLARITY法の今夏成立に期待示す
米SEC(証券取引委員会)のヘスター・パース委員は、2026年7月1日に公開されたポッドキャスト番組のインタビューで仮想通貨市場構造法「CLARITY(クラリティ)法」が今夏中に成立するとの見通しを示しました。
同法はすでに下院を通過しており、成立すれば仮想通貨の現物市場に連邦レベルの規制枠組みが初めて整備され、SECとCFTC(商品先物取引委員会)の管轄範囲が法律で明確化される見込みです。
成立すれば、これまで法的な不透明さを理由に米国での事業展開を慎重に進めてきた企業も、参入判断を行いやすくなるとみられています。
パース委員は上院でも法案の審議が続いていることを明らかにしており、今夏中の成立に期待を示しています。
命運決める4週間
パース委員が語る規制明確化と技術展望
Howeyテストの判断基準を明確化
米国ではこれまで、トークンの募集・販売が証券法上の「投資契約」に該当するかどうかをHowey(ハウィー)テストに基づいて個別判断してきたため、事業者は自らの事業がSECの監督対象になるかを事前に判断しにくい状況が続いていました。
パース委員は、クラリティ法によってこうした法的な不透明さが改善されるとの認識を示しています。
同氏は、この点についてクラリティ法が明確な基準を定めることで、事業者は規制上の位置付けを把握しやすくなると述べています。
その一方で、従来のように執行を通じて個別対応を積み重ねる手法では、誠実に事業を続ける企業よりも短期間で市場から姿を消すプロジェクトの方が有利となり、健全な開発者と詐欺的な事業者を十分に区別できなかったとの見解も示しました。
開発者免責とSEC・CFTC管轄区分
クラリティ法には、規制基準の明確化に加え、開発者を保護する規定も盛り込まれています。
善意で公開したソフトウェアやツールを第三者が不正利用した場合でも、その事実だけを理由に開発者へ責任を問わない考え方を含める方向で議論が進められており、パース委員は、この仕組みが米国内で技術開発を続ける企業やエンジニアの安心材料になるとの見方を述べました。
法案は現在も上院で調整が続いており、パース委員は多くの関係者が作業を積み重ねながら審議を進めていると説明しています。
そのうえで、今は規制当局の善意が集まる稀な窓だと述べ、「この機会を使って、長続きするもの、意味のあるものを作ってほしい」と業界に呼びかけました。
トークン化証券やAIエージェント活用も視野
クラリティ法に続き、パース委員はブロックチェーン技術そのものが金融市場へ与える影響についても見解を示しました。
同氏は、価値そのものをインターネット上で直接移転できることや、スマートコントラクトによってバックオフィス業務を自動化できることを主要な利点として挙げています。
その具体例としてトークン化証券にも触れ、担保の流動性向上や証券貸借の効率化に加え、発行体が株主情報を保有していなくてもウォレットへNFTを送付する形で情報提供できる可能性があると説明しました。
AI(人工知能)については、将来的にAIエージェントが仮想通貨資産で決済を行う場面が増えるとの見方を示しています。
一方で、規制はまず技術革新を妨げないことを優先すべきであり、そのうえで「AIを利用した場合でもその結果に対する企業の責任は免除されない」と述べました。
アトキンス委員長もCLARITY法成立を支持
クラリティ法の上院審議が進む一方で、SECもETF制度の見直しなど仮想通貨市場を巡る制度改革を並行して進めています。
ポール・アトキンス委員長はFox Businessの番組「Kudlow(カドロー)」に出演し、自由市場資本主義を重視しながら、より多くの米国人が公開市場へ参加できる環境整備を進める方針を示しました。
同氏は2026年2月の下院証言でも、クラリティ法の成立を支持するとともに、法案成立後は速やかに制度を実施できるよう準備を進めていることを表明しています。
SECは6月30日に仮想通貨資産を含む新型ETF(上場投資信託)の規制見直しに関する意見公募も開始しており、クラリティ法の審議とあわせて制度整備が進められています。
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Source:Searching for Manaインタビュー
サムネイル:AIによる生成画像




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