ヴィタリック氏「財団は中心ではない」イーサリアムの自律運営へ舵

この記事の要点

  • ヴィタリック氏「EFは中心ではなくいちノード」と説明
  • ETH保有0.16%、CROPS集中で自律型運営へ

まずはイーサリアム(ETH)を詳しく

ヴィタリック氏「EFは並列ノードの一つ」

イーサリアム(ETH)共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は2026年5月25日、自身のX(旧Twitter)でイーサリアム財団(EF)の今後の方向性について見解を公表しました。

ヴィタリック氏はEFについて「イーサリアムの中心ではなく、定められた目的を持つひとつのノードとして、他のノードと並び立つ存在だ」と述べ、EFがネットワーク全体を統括する主体だとする一部の見方にあらためて反論しています。

そのうえで、EFが保有するETHは全体の約0.16%にとどまり、他のブロックチェーン財団が10〜50%規模のトークンを保有する状況とは大きく異なると説明し、限られた資源を「広範な拡大」ではなく「長期的な維持」に振り向ける方針を明らかにしました。

この方針のもとでEFは、ETH価格対策や積極的なマーケティングには深く関与せず、検閲耐性・オープンソース・プライバシー・セキュリティ(CROPS)の維持に資源を集中させる姿勢を打ち出しています。

イーサリアム財団(EF)が今後どのような方向へ進もうとしているのかについて、自分なりの考えを共有したいと思います。(中略)

EFは「Ethereumの中心」ではありません。EFは、イーサリアムを構成する数多くの存在のうち、明確な役割を持った“一つのノード”です。

私たちは昔からそう言ってきました。しかし実際には、イーサリアムミュニティの多く、さらにはEF内部ですら、「EFが中心であるべきだ」と考える空気がありました。

今、私たちは本当に“中心ではない組織”になるための行動を始めています。(後略)

イーサリアム財団が描く「自律するEthereum」構想

EFが集中する4つの中核領域

ヴィタリック氏はまず、EFはイーサリアムの「親」「所有者」「支配者」ではなく、限られた資源を持つ一組織にすぎないとの認識を改めて示しています。

そのうえでEFの財源は、トークンセール時に定められた業務範囲に基づいて設計されたものであり、Frontier・Homestead・Metropolis・Serenityを経るチェーンソフトウェア構築については、2022年時点で完了していたと説明しました。

こうした経緯を踏まえ、EFはイーサリアムを恒久的に管理・統括する組織として存在するのではなく、今後はETH売却を抑制しながら、検閲耐性・オープンソース・プライバシー・セキュリティ(CROPS)の維持に不可欠な領域へ資源を集中させる方針を示しています。

EFが2026年3月に公表した運営方針文書「EF Mandate(イーサリアム財団任務文書)」では、この方向性を「EFにしか担えない仕事に集中する」として整理しており、コアプロトコル更新、長期研究、クライアント間の中立的な仕様策定など、他主体では担いにくい役割へ機能を絞り込む構造が採用されています。

ウォークアウェイテストが示す最終形

EF Mandateでは、最終的な到達点として「ウォークアウェイテスト」が掲げられています。

これは、EFや現在のコア開発者が突然いなくなった場合でも、イーサリアムのプロトコルとコアアプリ層が継続的に機能・進化できる状態を指すものだと明記されています。

この構想の実現に向けてヴィタリック氏は、技術面で重視する方向性として「証明可能なバグなしのイーサリアム」「ビザンチン障害耐性とPoW(プルーフ・オブ・ワーク)的同期性を併せ持つコンセンサス」「中間業者の最小化」の3点を挙げました。

特にFOCIL(フォーク選択インクルージョンリスト)やEIP-8141については、トランザクション送信を特定の中間業者へ依存しない汎用的な仕組みへ進化させるための取り組みだと説明しています。

「凡庸への道」を避ける選択

ヴィタリック氏は、自律性重視の思想と並んで、他チェーンが進める高速・高スループット路線との距離感についても言及しました。

競合チェーンが掲げる「250ミリ秒の低遅延」や「毎秒100万トランザクション(1M TPS)」といった方向性について、イーサリアムが同じ競争軸へ進むべきではないとの認識を示しています。

スケーラビリティだけを優先し、他チェーンよりわずかに分散性が高い程度の設計へと収束すれば、それは「凡庸への道」となり、最終的に競争力を失う可能性が高いとの見方を示しました。

そのうえで、イーサリアムが優位性を発揮すべき領域はCROPSにあり、スケーリングについても、それらの原則と両立する範囲で進めるべきだとの考えを示しています。

EFが選ぶ「小さく長く」運営の意義

他のブロックチェーン財団が大量のトークン保有を背景に強い影響力を行使するなかで、EFは保有比率0.16%という制約のもと、検閲耐性やプライバシーといった原則に資源を集中させる戦略を改めて打ち出しました。

ヴィタリック氏はこれまでも、L2構想の見直しをはじめ、複数の局面で個人見解として方針転換を公表してきており、今回の発言もEF Mandateで掲げられた原則に沿う内容となっています。

EFの方針が今後、イーサリアムの研究・開発の優先順位やエコシステム全体の構造にどのような影響を与えるか、また他の組織がETHを支える役割をどこまで担うかなどが当面の議論の中心となる見通しです。

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Source:ヴィタリック・ブテリン氏X投稿 / Ethereum Foundation Mandate
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

参照元:仮想通貨ニュース最新一覧【毎日更新】 - 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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