
この記事の要点
- KrakenとMoneyGramが100か国超で仮想通貨の現金引き出しサービスを開始
- 銀行口座不要で約50万拠点から即時現金化が可能に
クラーケン×マネーグラム、仮想通貨の現金化網を100か国へ
米仮想通貨取引所のKraken(クラーケン)と国際送金大手のMoneyGram(マネーグラム)は2026年5月5日、100か国以上を対象に仮想通貨から現地通貨の現金に直接換金できる引き出しサービスを開始したと発表しました。
今回のサービスにより、クラーケンのユーザーは銀行口座を介さず、マネーグラムの約50万か所にのぼる世界各地の受け取り拠点で仮想通貨(暗号資産)残高を現金として引き出すことが可能となります。
対応地域は米国・欧州・ラテンアメリカ・アフリカ・アジア太平洋の一部で、段階的に展開される予定です。
支払いは即時または準即時とされており、銀行インフラへのアクセスが限られた地域でも、仮想通貨を現地通貨として直接利用できる手段が広がりつつあります。
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仮想通貨から現金へ、2社が担う役割と展開
14億人が直面する換金の壁
仮想通貨を現金に換える手段は、銀行口座への振込や中央集権型の決済アプリ経由が中心となっており、銀行口座を持たない「アンバンクト層」が多い新興国では実用的な選択肢が限られる状況が続いていました。
世界銀行の推計によると、銀行口座を持たない成人は世界に14億人以上となっており、仮想通貨を保有していても換金手段が限られる状況が課題として指摘されてきました。
マネーグラムはこうした地域で物理的な送金拠点を長年展開してきた企業であり、今回のクラーケンとの連携は、デジタル資産と現実の現金経済を接続する取り組みとして位置づけられています。
Krakenが基盤、MoneyGramが50万拠点を担う
換金インフラの空白を埋めるため、両社は明確な役割分担のもとでサービスを設計しています。
クラーケンが仮想通貨の取引・流動性確保・ユーザーの本人確認(KYC・Know Your Customer)・コンプライアンス基盤を提供し、マネーグラムが規制対応済みの送金ネットワークと物理拠点での現金支払い機能を担う構成となっています。
発表によれば、サービスはユーザー本人の口座間で資金を動かす設計で、手数料は取引ごとに異なるとされています。
クラーケンの共同CEOアルジュン・セティ氏は「デジタル資産が規模に達するには、既存の金融システムと連携する必要がある」と述べ、今回の提携について、仮想通貨市場と地域の現金経済を結びつける取り組みだと説明しました。
マネーグラムのアンソニー・ソーフーCEOも同声明で「当社の小売ネットワークが、クラーケンのユーザーに世界最大の仮想通貨から現金へのオフランプを提供する」と述べており、仮想通貨分野でのサービス拡大方針を示しています。
MoneyGramのデジタル転換とKrakenの上場準備
この提携の背景には、両社がデジタル資産分野への事業拡張を進めてきた流れがあります。マネーグラムはここ数年、ステーブルコイン決済や仮想通貨関連APIの開発など、デジタル資産インフラへの投資を進めてきました。
既存の送金事業では、仮想通貨ネットワークやデジタルウォレットを展開する新興フィンテック企業との競争が続いており、同社はデジタル資産関連サービスの拡充を進めています。
クラーケン側でも事業拡大が進んでおり、親会社のPayward(ペイワード)は2025年11月にSECへ株式公開に向けた登録書類を提出しています。
デリバティブ取引所のBitnomial(ビットノミアル)と先物プラットフォームのNinjaTrader(ニンジャトレーダー)の買収も、事業領域拡大の一環として進められてきました。
今回の提携は、グローバルマネーアプリ「Krak(クラック)」との将来的な連携拡大も見据えた施策で、両社は現地銀行口座への入金や越境決済オプションの追加を検討しています。
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Source:Kraken・MoneyGram発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用





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