
韓国銀行が暗号資産市場の安全装置強化を提言
韓国中央銀行の韓国銀行(Bank of Korea)が、暗号資産(仮想通貨)市場におけるサーキットブレーカー導入の検討が必要との見解を示した。韓国メディア「ニューシス(Newsis)」が4月13日に報じた。
サーキットブレーカーとは、価格の急激な変動時に取引を一時停止する仕組みで、株式市場などで導入されている。韓国銀行は、これを暗号資産市場に適用する必要性を指摘した。
同報道によると韓国銀行は、同日公表した2025年の決済報告書において、今年2月に暗号資産取引所ビッサム(Bithumb)で発生したビットコイン(BTC)の誤配布事案を踏まえ、制度的対応の必要性を指摘した。
同事案は、イベント当選金の支給過程で発生したものだ。担当者が支給単位を韓国ウォンではなくビットコインと誤って入力したことで、本来は賞金総額62万ウォンを支給する想定だったところ、62万BTCが配布される事態となった。報道によると、その規模は約60兆ウォンに達したとされる。
韓国銀行は、この事案の原因について、内部統制の不備があったと指摘した。具体的には、上位者の承認や内部監視部署の確認がないまま担当者が暗号資産を支給できる状態にあったこと、また内部台帳とブロックチェーン上の残高の照合が1日に1回にとどまっていたことなど、構造的な脆弱性があったと分析している。
また同銀行は、同様の事案が他の暗号資産取引所でも発生し得るとして、関連規制の強化が必要だと強調した。
対応策として、顧客への支給時に入力ミスを事前に検知・統制できる二重確認システムの導入や、内部台帳とブロックチェーン上の残高の整合性をリアルタイムかつ自動で確認するITシステムの必要性を示した。さらに、大量注文などの異常取引を遮断する仕組みや、暗号資産価格が急激に変動した場合に取引を一時停止するサーキットブレーカーシステムの導入についても検討が必要だとした。
あわせて韓国銀行は、オフショア・ウォン決済システムの構築も進めている。同システムは2027年の正式運用を目指しており、リアルタイムグロス決済(RTGS)方式を採用することで信用リスクの低減を図るとしている。また同システムは、既存の大口決済システムである韓銀金融網と分離して構築される予定だ。これは、既存システムの安定性を維持しつつ、両者の相互影響を抑えることを目的としている。韓国銀行は今後、連携システムの開発や送受信テストを進めるとともに、障害対応体制や業務継続計画の整備を通じて、システムの安定性確保を図るとしている。
なお韓国では、暗号資産を巡る規制整備が進められている。金融委員会(FSC)と金融監督院(FSS)は、取引所の出金遅延システムにおける例外適用の基準を統一するルールを策定したほか、内部台帳と実際の資産保有状況を5分周期で常時・自動照合する体制の構築を進めている。こうした動きから、韓国当局は暗号資産取引所に対する監督体制の強化を進めている状況がうかがえる。
参考:ニューシス
画像:PIXTA
関連ニュース
- 韓国、暗号資産規制を全面強化。基本法案と取引所ルールを同時展開
- 韓国銀行、CBDCプロジェクト試験プログラム第2フェーズの準備を一時停止=報道
- 韓国銀行、CBDCとトークン化預金の試験運用へ向け規制当局らとMoU締結
- 韓国銀行、CBDC決済をスーパーやコンビニで試験運用へ=報道
- 韓国銀行が中銀デジタル通貨の試験運用へ、2024年に10万人規模で
参照元:ニュース – あたらしい経済


コメント